駐車場で見つかった子猫 大切に育てられ成長記録はノート6冊に
駐車場にたった1匹でいる子猫が見つかった。保護主に3時間おきにミルクを与えて育てられ、子どものいない夫婦に譲渡された。夫婦は日々の様子や手術のことまで事細かく成長記録をつけて大切に育てている。
駐車場に生まれたての子猫
2016年6月、兵庫県内のある会社の駐車場に子猫がたった1匹でいた。親猫や兄弟は見当たらなかった。その会社の従業員が保護して世話を始めた。
まだ生後まもなく、保護当時はノミがついていて、目は目やにで開けられない状態だったという。動物病院に連れて行くと、獣医さんは「生きられるかどうか分からない」と言い、数日間入院した。
保護主は子猫を職場に連れて行き、3時間おきにミルクを与え、知り合いの子猫を育てた経験のある人に助けてもらったりして飼育したそうだ。
動物病院やペットショップに譲渡先募集の貼り紙をしたり、友人に声をかけたりして、もらい手を探したが、簡単には見つからなかった。
初めての猫を飼い始める
兵庫県に住む山本さんは当時、一戸建ての家に引っ越して2年ほど。「子供もいないし、ペットを飼おうか」と夫と話し合っていた。夫は実家で犬を、本人は実家で鳥を飼っていた経験がある。山本さんは子猫のことを聞き、飼ってみることにしたという。
子猫は生後1カ月ほどで山本さん宅に譲渡され、「あんこ」と名付けられた。
当時、山本さんもフルタイムで働いていたので、授乳が必要な期間は夫の実家に預かってもらい、休みのたびに様子を見に行った。親は特に猫が好きというわけではなかったが、「行き場がないなんてかわいそうだ」と世話を引き受けてくれた。8月、あんこちゃんは生後2カ月になって、山本さん宅にやって来た。
子猫の成長記録はノート6冊に
あんこちゃんは初日、家の椅子やテーブルの下にもぐって様子を見ていた。山本さんがミルク与えると少し飲み、翌日からは離乳用の缶詰とミルクを与えたそうだ。
親があんこちゃんの成長記録を細かくノートにつけていてくれていたので、それにならって山本さんもノートをつけた。すでにノートは6冊にもなる。1歳の時に肥満細胞腫の手術をした時のことは、特に細かく記入してあり、退院してしばらくは、様子が不安定だったことも記してある。
「他愛ないことも書いているんですが、当時の状況を見返すことができるので、ノートを書いてよかったです」
あんこちゃんが2歳になるくらいまでは、山本さんは夫婦で1~2泊の旅行に出かけることもあったが、旅行に行こうとすると、あんこちゃんは吐いた。何かを察知しているようだと思い、それから夫妻は旅行に行くのをやめた。
あんこちゃんは山本さんのことが大好きな甘えん坊に育ち、常に人が見える場所にいるようになったという。
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