骨盤を骨折し、雨の中大声で助けを求めていた白黒猫 猫愛の連携プレーで幸せな家猫に
今から1年前、神奈川県のとある保護猫カフェが閉店した。当時15匹ほどの譲渡募集の猫を抱えていたというが、事情を知った支援者や友人、お客さんの協力により、多くは新しい家族の元へ巣立って行ったという。
黒白猫の「リンリン」(1歳半・メス)もその保護猫カフェ出身。飼い主の室井さん(53歳・神奈川県在住)はお店にほぼ毎日通ったほどの常連さんで、リンリンがカフェにやってきた経緯を知っていました。排泄に難があり、譲渡が進まないだろうことも……。
診察でわかった衝撃の事実
雨の日にマンホールの上で鳴き続けたリンリンは、運良く通行人に保護されました。その後、猫カフェが預かり、病院へ連れていくととんでもない事実が!
決して痩せていたわけでもなく、健康そうに見えたリンリンでしたが、レントゲンの結果、腸やお腹に700g〜800gもの「糞尿」が詰まっていたという衝撃の事実が判明しました。保護直後に2.4kgあった体重は、不用なものを取り除くと、たった1.5kgに。
なぜ排泄ができなかったのかは、骨盤の複雑骨折が起因していました。交通事故か、考えたくもないけれど、人為的な衝撃が加わった可能性もあるといいます。そして、溜まりに溜まった糞尿に、体も限界寸前だったのでしょう。雨音にも負けない大きな鳴き声で助けを求めたリンリンの頑張りを思うと、目頭が熱くなります。
病院での治療を終えたリンリンでしたが、保護猫カフェに来たあともしばらくは吐血が続き、一時は「助からないのではないか」と危惧するほどでした。
しかし、お店が閉店するまでの1カ月の間で、抱っこをしてお腹に少し圧力がかかるだけでおしっこが出てしまう状況から、自力で排泄できるまでに回復。リンリンの猫カフェデビュー当時から知る室井さんも、そのリカバリー力に感動すら覚えたのでした。
4匹の先輩猫にも愛され、一家の末っ子に
排泄の問題はなくなったものの、事故の影響で曲がってしまった骨が今後どのような障害を引き起こすかわからない中、リンリンを家族に迎えた室井さん。その一番の理由は「とにかく可愛かったから」。
保護した人や、経営状態が悪化していた中でも揺るぎない猫愛で、リンリンを受け入れた保護猫カフェのオーナーがつないでくれた命。保護から約1年が経過した今では筋肉もつき、室井さんのお家にいる先住猫4匹と同じように飛んだり跳ねたり楽しく過ごす日々を送っています。
積極的にセカントオピニオンも取り入れて、今は手術しなくてもいいと言う獣医の判断を受けて経過を観察中。「幸運というか、強運な猫」と称え、他の先住猫にも愛され、室井家の新多頭生活も順調とのことなのでうれしい限りです。
ちなみに猫の年齢を上から挙げると、今年19歳、12歳、10歳、2歳、1歳半(リンリン)のラインナップ。2歳「はる」の紹介はまた次の機会にでも。
- 撮影テクニックの説明
- テクニック1-2【多頭飼育生活】
複数頭で撮ることを心掛ける。猫の関係性が見えてくるとGood! ただし、メインの猫をしっかりと決めること。
テクニック3【差し色】
白と黒の単調な写真でも、マスクのピンク色が差し色となって華やかに。
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