瀕死の子猫を救ったのは、子どもらに受け継がれた母の猫好き魂
本当はシニア猫を探していて私に、知り合いが紹介してくれたのが、山﨑良子さん(59歳・横浜市在住)でした。しかし、山﨑さん宅の16歳の三毛猫は人見知りが激しいとのことで、取材は難しいか…と考えていたところ、ふと山﨑さんのLINEのアイコンに写る黒い子猫に目が止まりました。
「あのー、この子を取材させていただけませんか?」そうして出会ったのが今回の主役、黒猫の「ころ美」(1歳半)でした。
「死にそうだったから」
それが山崎さんの長男(27歳)がころ美を保護した理由。会社の敷地に遺棄された、ボロボロで手乗りサイズの子猫を保護し、すぐ母親にレスキューを求めました。
当時、山﨑家には4匹の先住猫がいたため、もしも無事に回復したら新しい飼い主を探すつもりで、ころ美を家に迎え入れることに。
しかし、動物病院で検査すると、心臓に雑音があり、肝臓は壊死寸前の絶望的数値。この先、譲渡しても精神的にも金銭的にも、新しい飼い主に負担がかかることは目に見えていました。
また、独立した長女から、「私がペット可物件に引っ越したら責任持って受け入れるから」という後押しもあり、結局ころ美は山﨑家の5匹目の猫になりました。
あれから1年半、先住の三毛猫「ころん」(16歳)と「ころ三郎」(3歳)という気の合う仲間もでき、正直、このまま長女が引き取ってくれなくても、それはそれでいいかなと思う山﨑さんでした。
猫5匹は山﨑家にとって、これまでの最多飼育数。私はいつも「あなたにとってベストな猫の匹数は?」を尋ねているのですが、現在猫5匹、ひと4名の山﨑家の場合はどう?と聞いたところ、「ベストは4匹かな」と答えてくれました。
理由は5匹になってトイレ・食事・健康面での見落としがあることに気づいたから。この+1匹の差が意外に大きく、一緒に暮らす長男、次女(25歳)とも情報を共有して、猫たちの異変を見落とさないよう、気を引き締めているそうです。
ちなみに、山﨑家の猫たちの名まえは上から順に「ころん」「ころすけ」(9歳半)「ころ三郎」「ころりんご」(3歳)「ころ美」。全員「ころ〇〇」という名まえで統一されています。
理由は山﨑さんがころっとした体系が猫らしくて好きだから。しかし、ころすけに関しては、“ころっと”の遥か向こう側へ行き、巨大化! ただいま絶賛ダイエット中だそうです。
猫歴が半世紀を超えるという山﨑さん。子ども時代はまだ、犬は外飼い、飼い猫も外へ自由に行き来するのが当たり前だったと言います。
延べ8~9匹にのぼったという、実家の猫たちは全員が野良猫出身。そのころに「猫は拾うか、もらうもの」と刷り込まれたのか、山﨑さん宅の5匹も、全員が保護猫です。
そんな母親の背中を見て、猫と一緒に育った子どもたちに、山﨑さんの思いは受け継がれていました。瀕死のころ美を救い出した長男の行動を、「よく保護してくれました」と、誇らしげに語る山﨑さん。その姿は、キラキラとまぶしかったです。
- 撮影テクニックの説明
- テクニック1【補色】
日陰の部屋は青味がかる。通常ならば青味を補正する暖色系のフィルターをかけるのだが、ソファーの緑の補色であるマゼンタ色のフィルターで補正してみた。(後処理はアドビ社のフォトショップで)
テクニック2【横顔】
プロフィール=横顔。背景をシンプルに、アップの写真を押さえましょう。
テクニック3【黒猫撮影は白背景で】
ありがたいことに山﨑さんのお家は白を基調としていて黒猫が引き立つ。しかし、白一辺倒では全体的に冷たくなりがちなので床の赤味を取り入れて撮影する。また赤い首輪と同系色でグッド。
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