譲渡希望者多数の子猫兄妹 2匹のトライアルを勝ち取った夫妻のプレゼンテーション術
保護猫活動をする友人から「トライアル中(お試し期間)の猫がいる」と情報をもらい、つながったこのご縁。快く取材にご協力いただき、新しい飼い主さんに現在の心境を語ってもらいました。
都心から郊外へ
大場雅人さん(45歳)・まり子さん(45歳)夫妻が東京都小金井市に越してきたのは今年の6月のこと。それまでは都心に住んでいましたが、猫を飼うためにペット共生型物件を探し、気づけば緑が多い閑静な住宅街へと落ち着いたのでした。
「コロナでリモートワークが増えた」と雅人さん。そうなると都心の賃料の高い、しかも間取りが狭い物件にこだわることなく、選択範囲は広がっていったそう。
「猫がのびのび走り回れる空間」がいいなとまり子さんは考え、広い間取りとペット共生型マンションということ、しかも24時間365日、獣医師に電話相談ができるサービス「Anicli24」のパッケージ付きということで、この物件に決めたそうです。
おふたりは結婚してからすぐに「ペットを飼いたいね」と話していたそうで、早々にペットのアレルギー検査も済ましたとか(結果は問題なし)。着々と準備は整えていたのですが、当時は共働きで、結婚後すぐに雅人さんの転職したこともあって、生活リズムを整えることを最優先に。
それから9年――、雅人さんはコロナ禍でリモートワーク、まり子さんはちょうど仕事を辞めて、猫を飼う機会がようやく訪れたのでした。
いざ、譲渡会へ
まり子さんはネットで譲渡団体にあたりをつけていました。その団体は「みなとねこー東京都港区の主婦らによる地域猫ボランティア」。団体代表のただならぬ熱い思いを強く感じ取ったそう。
それでも一度、譲渡会というものがどんなものか体験したくて、別の団体が主催する譲渡会に行くことに。そこで驚いたのが「2匹同時譲渡」の推奨。保護主さんの「離したらかわいそう」という心情があったことと、2匹の方が甘噛みの程度を覚えて飼いやすいなどの説明があったそうです。
この日、申し込みはしなかったまり子さんは後日、猫飼いの友人に相談。すると友人たちも「最初から2匹の方がいい」と口を揃えました。あとから血縁関係のない2匹目を迎えるより、最初から兄弟2匹の方が相性の問題で時間やお互いストレスをかけることなく、安心だと説明してくれたのでした。
そして、迎えた人生2回目の譲渡会。今度は「みなとねこ」の会場へと足を運びました。並べられたケージを3周回ったあたりで、まり子さんは2つのケージに狙いを定めました。どちらも猫が多頭で入っており、「2匹同時」が譲渡条件でした。まり子さんは「私、決められない」と応募は雅人さんに委ねることに。
雅人さんが気に入ったのは生後2カ月の「めい」(オス)と「もち」(メス)の兄妹でした。多くの猫が怯えてケージの隅で肩を寄せあう中、もちは堂々として愛嬌を振りまいていたとか。
ただ、人なつっこいだけに、やはり応募が多数集まっていて、後日、主催者と保護主さんと相談の上、誰に譲渡するか決定するとのことでした。
真剣に、熱い思いをもって
諸々の確認を経て、団体から連絡を待つこと1週間――。「大場さんにトライアルをお願いしたい」と連絡があった時には、受験に合格したような達成感と、猫を迎えることの緊張感に包まれたそう。
なぜおふたりが、応募多数だっためいともちの飼い主候補に決まったのでしょう? 飼い主目線で分析してもらいました(これから猫を飼いたいという方の参考になれば幸い)。
- 夫婦ふたりの家族構成で、ペット共生物件住まい
- まり子さんは仕事を辞め、雅人さんはリモートワーク中心で猫と一緒に過ごす時間が多い
- 主催者の熱い思いをSNSで感じ取ったまり子さんが、譲渡会に向けしっかりと対策。アレルギー検査の結果に住居の写真をまとめた資料、住居を撮影した動画ファイルを用意
……などなど、「適当な気持ちで来ていませんよ」とアピールしたのがよかったのかもと振り返ります。
しかも雅人さんの現在のお仕事が実は「ペットに関わる会社」と聞けば、さらに安心材料になっただろうと推測します。夫婦初めての猫暮らしですが、周りに頼れる環境がいくつもあって安心ですね。
2匹の不妊去勢手術をもってトライアル期間が終了するとのこと。このまま2匹の正式な飼い主に決定すること、間違いなしでしょうね。
- もちとめいの保護主さんInstagram:@kijitora22
- 撮影テクニックの説明
- テクニック1-2【遊びのシーン】
どのポジションから撮れば、猫たちが浮き上がるのか? また私はスッキリとした背景が好みなので、窓抜けの逆光を選択。シャッタースピードは1/1000秒で猫たちの動きを止める。
テクニック3【カメラバッグ】
私のカメラバッグはなぜだろう? 猫に好評だ。ウチの猫たちや取材先の猫の匂いがついているのだろうか? 匂いつけ・遊び場として提供する広い心が必要となる(帰ってコロコロ、消毒が必須!)。それをわかって誘っている節もある。
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