ブリーダーから救出された長毛の猫 愛猫家宅でのんびり生活

ふっくら大きくなった長毛猫「春来くん」
ふっくら大きくなった春来くん

 長毛のミックス猫が、ブリーダーのもとから救出された。過酷な環境にいたにもかかわらず、警戒心が薄く穏やかな性格だった。一時高齢者宅で過ごし、今はその家族の愛猫家宅で多くの猫と仲良く暮らしている。

 ブリーダーの多頭飼育崩壊で約10匹の猫が手放された。多くは長毛種の雑種だった。その中に、ラグドールとの雑種猫「春来くん」もいた。

(末尾に写真特集があります)

愛犬の後のパートナーに

 大阪府内で暮らす愛猫家の奥内さん。近くに住むお母さんが可愛がっていた愛犬のシーズーを亡くしたので、新しいパートナーとして猫をプレゼントしようと考えていた。

 その猫を探していて、ブリーダーのもとから救出された春来くんの存在を知った。「糞尿にまみれて、ケージも汚くて、茶色の子かなと思うくらい汚れていました」

 実際に会いに行ってみると、ほかは譲渡できたらしく、春来くんだけがいた。警戒する様子もなく、性格もおっとりして穏やかそうだった。

柔らかな被毛とピンクの鼻が可愛い
柔らかな被毛とピンクの鼻が可愛い長毛猫「春来くん」

「高齢の母が飼うのにもぴったり。シーズー犬よりも小さいくらいで、抱っこするとぬいぐるみのようでした」

 こうして春来くんは引き取られ、母親のもとで暮らし始めた。だが、約半年後、お母さんは股関節の手術をして、1年ほどのリハビリが必要になった。

 一方、春来くんは大きくなり、体重6キロ。お母さんには抱えきれなくなった。奥内さんは夫と話し合い、春来くんを引き取ることにした。

 奥内さん宅にやって来てからも、春来くんは時折お母さんの家に泊まりに行く。1年離れていても覚えているようで、お母さんにキスをするという。

うさぎちゃんの着ぐるみをかぶる長毛猫「春来くん」
うさぎちゃんになってみたよ

毛玉ボールで仲間の猫たちが遊ぶ

 春来くんは犬のような性格だという。かぶり物をかぶせても嫌がらず、そのまま寝てしまう。写真撮影しようと思っても寝てしまう。春来くんがそばにいるだけで、ほっこりした空気になる。

 春来くんは、同居する他の猫にもすぐになじんだ。長毛の手入れをした後は、軽くてふわふわした毛で毛玉ボールが作れる。そのボールで他の猫が遊ぶのだという。

 冷蔵庫を買い替えた時には、古い冷蔵庫の裏から、みんなが遊んだ毛玉ボールが10個くらい出てきたそうだ。

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渡辺陽
大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく」伝える医療ライター。医学ジャーナリスト協会会員。朝日新聞社sippo、telling、文春オンライン、サライ.jp、神戸新聞デイリースポーツなどで執筆。FB:https://www.facebook.com/writer.youwatanabe

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