目がふさがった子猫、心眼でロックオン! 見事飼い主を射止める
休日はマッサージで心も身体もリフレッシュ!とお店に向かっていたのに、まさかエントランスで子猫が自分に向かってくるなんて……。
その日に限っていつもと違う入り口を選択したのも「何かの運命」と、猫風邪で視界が閉ざされた子猫をそっと抱きかかえたのでした。
譲渡か? 家族に迎えるか?
当時、瀧本典彦(52歳)・倫子(48歳)夫妻(神奈川県海老名市在住)は4匹の猫と暮らしていました。冒頭で登場した子猫、グレー猫「アナスタシア」(8カ月・メス)を保護することに奥様が躊躇しなかったのは、その日に台風予報が出ていたことと、先住4匹もすべて自分たちで保護した猫や、譲渡を希望した猫だったからでした。
私は度々「猫が飼い主を選ぶ」という話を聞くのですが、アナスタシアもきっとそうだったのでしょう。視界が閉ざされたまま、倫子さんの匂いだけを頼りに運をたぐり寄せるとは、大した猫です。
夫妻には、アナスタシアをある程度育てたら譲渡する考えもあったといいます。しかし、ミルクから育て苦楽をともにしてきた、この甘え上手をもはや手放すことなど不可能でした。
アナスタシアのグチャグチャだった目も、投薬や点眼、手術によって、言われないとわからないまでに回復。最近はパッチリしてきて、ご主人も「どう、可愛いでしょ?」とデレデレです。
取材当日、アナスタシアは終始隠れることもなく、積極的にこの日の主役を務めてくれました。あとの4匹はというと、取材後半になって、一番歳上でリーダー格の茶トラ「タビー」(12歳・オス)が顔を出してくれました。安全かどうかを遠くから観察し、遅れて登場するのがいつものパターンなんだとか(このラスボス感!)。
結局、残り3匹とはご挨拶できず残念でしたが、これもまたリアルでよし。猫にストレスを与えないことが、何よりも重要なのです。
多頭飼育に必要な、いい割合の目配り
もともと、夫妻は「猫は2匹まで」と決めていたとか。しかし、3匹目を保護してみると、経験値も上がったのか、想像したほどの混乱はなく、きっとそこから気が緩んでしまったのでしょう、と瀧本さんは振り返ります。その後は「なぜか猫の方から寄って来て(笑)」、現5匹体制に。
先住猫たちがすでに成猫で、もともとおとなしい性格だったこともあって「4匹も5匹も変わらないか」とアナスタシアを迎えましたが、予想に反して生活は一変。相手は動くものすべてに興味を抱く子猫であり、お転婆な性格のアナスタシアに怖いものなどありません。言わば無敵!
この小さなモンスターに対処するマニュアルなど持ち合わせていない先住猫たちは、今もタジタジです(攻略本の発売を心待ちにしているとかいないとか)。
そんな猫たちのパワーバランスの変化もあって、瀧本さんはやんちゃ盛りのアナスタシアに対して50%、大人猫たちに50%の割合で目を配っているとか。また、猫同士のケンカが始まるとリーダーのタビーが仲裁に入って目を光らせるそうで、その統率力にも助けられているといいます。
猫が増えるたび、それぞれの個性や相性を注視しながらうまくやりくりし、共同生活を送ってきた瀧本夫妻。その自信が見てとれ、おふたりが神々しく見えました。
そして、今後気になるのは、また子猫に出会ってしまったら一体どうなってしまうのか?! 私もこの先、目が離せません。
- 瀧本さんのインスタグラム @norihiko_takimoto
- 撮影テクニックの説明
- テクニック1【ボールで遊ぶ】
素早い動きの対応力、判断力が必要。普段から練習してみよう。カメラが上位機種の場合はシャッターの高速連写、AFの動体予測も取り入れて。
テクニック1~4【寝転びショット】
猫の動きあり・動きなし、カメラアングルは横・上からと、いろんな寝転ぶ姿でまとめてみた。
sippoのおすすめ企画
「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。