寄付という一歩で小さな奇跡を 犬や猫たちを守るために
公益社団法人アニマル・ドネーション(アニドネ)代表理事の西平衣里です。『犬や猫のために出来ること』をテーマにつづっている私の連載。今回は、この記事を読みながらでもすぐに犬や猫のために出来るオンライン寄付について書いてみたいと思います。
アニドネは、10月18日(金)に公開された映画『駅までの道をおしえて』とコラボしたオンライン寄付企画を実施しています。寄付テーマは『寄付という一歩で小さな奇跡を。』。なぜ寄付が必要で、どんなことに寄付が使われるのか、寄付することでどんな世の中を実現したいのか、を書こうと思います。
ちなみに、前回の連載に映画のことを紹介しています。そちらも読んでくださるとうれしいです。前回記事:犬にどう向き合うか 映画「駅までの道をおしえて」から考える
寄付を礎にして犬や猫を守る
私が寄付サイトを作ろうと思ったのは、約10年前。自分の愛犬のお腹が弱いことをきっかけに動物福祉の根深い問題を知ってしまいました。そのときに動物福祉という分野は寄付で成り立っている活動であることを理解しました。世界を見渡せば『子供を守る・環境を守る』ことと同じように『動物を守る』という概念が当たり前に根付いており、日本が立ち遅れている分野であることも知り衝撃を受けました。
そして、同時に社会問題を解決しようと頑張っている方々がたくさんいることを知ったことは私の原動力になりました。想いを持って保護活動をしている人が想像以上にたくさんいたこと、それは寄付が礎にあることを目の当たりにして、オンライン寄付サイト、アニマル・ドネーションが誕生しました。
寄付があればもう1頭救える
犬や猫の保護活動にはお金が必要です。たとえば、殺処分となる動物たちの多くは動物愛護センターや保健所と呼ばれる場所にいます。その場所は、電車で行けるような便利な場所にはなく多くは車での来訪が必要です。車両自体を持っている団体は数えるほどしかなく、ボランティアさんが自分の車を提供しますが、高速代やガソリン代はかかります。犬猫を運ぶためのゲージも欠かせません。
保護してからは、まずはシャンプーです。保護時は毛も伸び放題、ひどいときには爪が肉球に食い込むような状態の犬もいます。トリマーさんの協力を得て、まずはキレイにします。そして、次はメディカルチェック。一番お金がかかるのが医療費です。避妊去勢、ワクチン、場合によっては血液検査やレントゲン。最近はシニア犬猫のレスキューも多いので、何かしら病気を持っている可能性が高く治療にお金を要します。
もちろん、保護活動に理解のある獣医さんの協力を得ながら、ではありますが無料とはなりません。1頭を保護してから譲渡先を見つけるまで、だいたい4万~5万円のコストがかかります。つまり、その金額があれば救える命が増えるということです。
もっと具体的な金額はアニドネサイトの寄付使途を参照ください。
寄付の手続きはシンプル
今回映画『駅までの道をおしえて』とコラボしている理由は、寄付によって救われる命があることをより多くの方に知ってほしいから、なのです。私はたまたま自分の愛犬の健康のために何ができるか、を調べる過程で日本の動物福祉問題を知り、ジブンゴトとして動き出しました。
ですが、動物を飼っている方のほとんどは不幸な犬猫がいることはなんとなく把握はしているけれど、何をしていいかわからない、という感じではないでしょうか(sippoの記事を読んでくださっている方々はとても興味があると思っています!)。
しかし、興味のある方でも、日常的に寄付をしている方は少ないと思うのです。だから、犬と少女の絆を描いた映画『駅までの道をおしえて』を観て動物の大切さを知ってくれた方が「なにかしたい!私になにができる?」のキモチを持った時に、寄付という小さな一歩を踏み出してほしいのです。その小さな一歩がたくさん集まれば大きな幸せのうねりになるはずです。事実、アニドネがスタートした8年前に比べ、保護犬や保護猫の存在は認知され飼育を希望する方は増えています。殺処分数も減少しています。
一方で、寄付はめんどくさい、というのも正直なキモチだと思います。個人情報やカード情報を入力する手間も大変だし、と思いますよね。だから、今回の寄付はなるべくシンプルにしました。
寄付額は1,000円からご自身で選べます。寄付先はアニドネの認定団体とし、寄付決済はAmazon Payを導入しました。Amazonを利用している方なら個人情報を入力する必要はなく、簡単に(数クリック)で寄付完了となります。そして、その寄付は確定申告をすれば、40%~50%が戻ってきます(寄付金から2,000円を引いた額の最大50%)。
なぜならアニドネは内閣府から税額控除法人として認定されているからです(全公益法人の中でも約1割のみしか認定を受けておりません)。その理由を私なりに解釈すると、日本の動物たちへの寄付は必要不可欠でありその寄付がもっと促進されるように、というありがたい後押しを国からいただいている、と捉えています。
だから、寄付に馴染みがない方でも安心してシンプルに寄付経験ができるように映画コラボ寄付を企画しました。寄付をした後はきっと日本の動物たちの行く末が気になることでしょう。動物福祉推進者が増えていく…それは私にとってとても心強く感じることなのです。
小さな一歩を大きな奇跡へ
私たちアニドネが作りたい世界は動物も人もいつも笑顔で共に暮らしている世界です。何万年も前から一緒に暮らしてきた犬猫たちは、驚くほど私たち人へ貢献してくれています。撫でるだけで心拍数が抑えられたり、寿命伸びるという、枚挙にいとまがありません。ただかわいいだけでない犬猫たちを守る使命は私たちにあるのです。
それは他の誰か、ではなく、この記事を読んでいる「あなた」にもあると思ってくれるととてもうれしい。小さな一歩をみなで大きな奇跡に変えてみませんか。まだまだ長い道のりですが、ここ数年の改善をみると実現不可能ではないと感じています。大好きな動物のためならがんばれる、そう思っています。
『寄付という一歩で小さな奇跡を。』
この映画で描かれているのは、人と人はもちろん、動物と人との絆や命の大切さ。物語を通じてあなたの大切なものに気づいたら、寄付という行動で一歩を踏み出してみませんか。
【前の回】犬にどう向き合うか 映画「駅までの道をおしえて」から考える
【次の回】犬や猫の未来を変えるために 寄付というギフト始めてみませんか
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