犬や猫の未来を変えるために 寄付というギフト始めてみませんか

 公益社団法人アニマル・ドネーション(アニドネ)代表理事の西平衣里です。鈴の音が街に響くこのホリデーシーズン。寒いけれど、私は大好きな時期です。愛犬との早足散歩はカラフルな葉っぱを踏みしめて音を楽しんだり、街のツリーを眺めてみたり。日々の幸せ度があがる季節です。

12月は寄付月間

 そんな12月は寄付月間である、ということはご存じですか?アニドネも「寄付月間2019」にパートナーとして賛同しております。アニドネを経由しての寄付も12月は他月に比べると多くなります。一年の終わりに未来を考えて寄付をする、という新しい習慣が根付き始めているのでしょうか。

 常々私は、寄付行為はギフトだと考えています。寄付をいただく側には活動支援となるギフトですが、実は寄付をする側にもメリットがたくさんあるギフトだと思っています。

動物のため活動する団体を応援

 動物のために活動する団体の多くは現場で活動しています。保護団体であればレスキューして譲渡先を探す活動、補助犬育成団体であれば盲導犬や介助犬を育成しています。アニドネは動物関連のセミナーやリサーチも実施していますが、メインは助成(寄付)事業。寄付を集めて活動する団体へお届けする中間支援組織、という位置づけです。耳慣れない言葉だと思いますが、現場の方がより活発に活動ができるよう後方支援をしているのです。2019年12月時点では、アニドネを経由して20団体へ寄付が届けられています。

 過去、アメリカのヒューメイン・ソサイエティー・インターナショナル(Humane Society International, HSI)からの寄付をアニドネ経由で東日本震災関連の団体へ届けたことがあります。HSIはアメリカで最大の保護団体です。

 HSIのスタッフの方に、アニドネの説明をすると「アメリカにはアニドネのような存在はない、なぜなら各団体は組織として成り立っているから、ファンドレイズ(資金調達)も広報も自分たちの力でやっている。しかし日本の現状を見る限り、小さな団体が多くボランティアで行っている。そのような成長過程においては、中間支援組織の存在は重要だから頑張ってほしい」と言われたことがあります。

 実際、現場で必死に頑張る方々と、頑張る方を応援したい人や企業をつなぐ役目は、重要であると痛感します。どこに寄付をしていいかわからない、という声や、どのような寄付をしていいかわからない、そんなキモチをカタチにすべくアニドネは活動を続けているのです。

寄付したら最大50%が戻ってくる!?

 アニドネは『公益社団法人』です。日本に公益社団法人は約9600法人あります。そのうちの約1割の法人にしか与えられていない『税額対象法人』という認定を、アニドネは内閣府からいただいております(2018年5月に認定)。実は、まだまだアニドネでも広報不足であるのと、世間の方々も詳しい方は少ない制度。簡単に説明すると、アニドネを経由して寄付した額の40%~50%は確定申告をすると戻ってくるのです。(詳細はこちらを参照)

 毎月1万円の寄付をすると年間12万円です。その40%~50%が還付されるのが『税額対象法人』なのです。これを説明するとみなさん「そうなの!?」と驚かれます。だって、寄付はモノを買うわけではないのです。もちろん大事にちゃんと活動に使ってほしいとみな考えると思いますが、その寄付が戻ってくるとは、なぜ?と感じるわけです。

還付は国からの「ギフト制度」

「税額控除に関わる証明書」には内閣総理大臣・安倍晋三氏の名前が記載されています。この証明書を持つ法人は、公益性の高い業務であることがもちろん条件です。さらに私なりの解釈としては、国からのギフトだと思っています。アニドネを経由して寄付をすると犬猫たちが助けられます。それは社会にとってよいこと。それがもっと促進されるよう国からも支援をしましょう、という意味で受け取っています。

 実際寄付する方は還付されるから寄付するわけではありません。還付されるから寄付額を多くする方はいます。だけどあくまでも寄付を使って犬猫たちに届けたいというピュアな気持ちを応援する制度なのです。

寒い冬。寄付は犬猫を救い、あなたのキモチをあたためてくれます
寒い冬。寄付は犬猫を救い、あなたのキモチをあたためてくれます

相続した遺産、動物のために寄付

 アニドネはレガシーギフトという親族から相続した財産や自分の財産を動物のために届ける寄付も行っています。アニドネを経由した相続寄付は、遺産を相続した後10カ月以内に手続きを完了すれば、原則として相続税がかかりません。

 先日、お父様の財産を相続した方から相続寄付をいただきました。アニドネを経由してある保護団体へお届けしました。こちらの沼尾孝子様の思いがとても素敵でしたのでご紹介します。なぜ、アニドネ経由で保護団体へ寄付をしたのかお聞きしました。

「父は我が家の犬たちを可愛がって話をしたり散歩に行ったりしていました。父にはきっと楽しい思い出になっていると思います。そんな父の残してくれたお金をどうやったら生かせるかと考えたときに、動物保護に寄付することは父が喜んでくれると思いました。

 アニドネは、たまたま私がボランティアをしている保護団体さんと関わって知りました。内容を確認したら信頼できる団体だとわかり、アニドネを経由して寄付することを選びました。寄付するにあたり税理士に相談しましたら、税金控除のあるところがよいとも言われました。アニドネだと遺産を相続した後10カ月以内であれば相続税がかからない税額控除対象法人であることも理由です。

 寄付をした保護団体さんから、今までに4匹の犬が我が家に来ています。そんな中で活動するにあたって経済的にとても大変だと知っていたので、寄付できればと思いました。本当はシェルターを作ることができれば、とは考えるのですが、実現はなかなか難しいですね」

お父様を一緒にみとった沼尾さんの愛犬
お父様を一緒にみとった沼尾さんの愛犬

 寄付というのは不思議なもので、寄付からスタートする行動の変化があります。寄付することを考えたときから、自分自身で問題意識を持つことになります。寄付をするからにはこう変えたい、という自分の意思を自分で意識することになります。大事な未来、みんなにとって素晴らしい未来にするために何をすべきなのか、考え行動をするきっかけになるのです。

 意志や願いがこもったお金。それはとても大事な思い。未来を変えるために、この12月から寄付を始めてみてはいかがでしょうか?

筆者・西平衣里の愛犬トゥルー。寒い日でも毎日元気に歩く14歳!メリークリスマス★
筆者・西平衣里の愛犬トゥルー。寒い日でも毎日元気に歩く14歳!メリークリスマス★

【前の回】寄付という一歩で小さな奇跡を 犬や猫たちを守るために
【次の回】犬や猫のためのボランティア 挑戦してみた9人が感じたことは

西平衣里
(株)リクルートの結婚情報誌「ゼクシィ」の創刊メンバー、クリエイティブディレクターとして携わる。14年の勤務後、ヘアサロン経営を経て、アニマル・ドネーションを設立。寄付サイト運営を自身の生きた証としての社会貢献と位置づけ、日本が動物にとって真に優しい国になるよう活動中。「犬と」ワタシの生活がもっと楽しくなるセレクトショップ「INUTO」プロデユーサー。アニマル・ドネーション:http://www.animaldonation.org。INUTO:http://inuto.jp

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この連載について
犬や猫のために出来ること
動物福祉の団体を支援する寄付サイト「アニマル・ドネーション」の代表・西平衣里さんが、犬や猫の保護活動について紹介します。
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