猫に居場所を奪われた? 椅子の取り争いも幸せな時間
猫というものは、1日を通して寝ているか、じっとしていることが多いですが、その“居場所”にはブームのようなものがあるように見えます。
猫タワーの上だったり、窓のそば、猫用ベッドの中だったりするときには、何の物音も立てないので、しばらく猫の存在を忘れてしまうことすらあります。
一方で、人がいつもいる場所で寝たがる時期もあり、そうなると、「あれ! 私の居場所がない…?」という事態が発生します。
ソファがあった頃は良かった…
よく、猫に寝るスペースや居場所を取られて、飼い主が隅に追いやられる、みたいな話を聞きますが、私も猫に譲って、居場所に困ったりしていました。
リビングに2人掛けソファがあった頃は良かったんです。猫たちはソファの背もたれの上でくつろぐのが好きで、ソファの上に猫、下に人間と、仲良くソファを分け合うことができました。
しかしそのソファも古くなり、昨年の夏ごろ捨て、今度は座椅子を2つ購入。そのときは、猫の好きな居場所を奪ってしまったようで、申し訳ない気持ちでいました。
最初は、ソファがあった頃と同じように、猫は座椅子の背もたれの上に寝そべったりもしていました。しかし、ソファはどっしり安定していますが、座椅子は薄くて不安定。猫らはそこで眠ることができず、すぐにそのブームは去り、座椅子に猫が鎮座するようになりました。
サビ猫のあんずは、自分で好きな場所を色々と変えるのが好きなのですが、キジトラ猫のモモは、あんずと同じ場所が自分の居場所、と決めているようで、“猫の居場所”には2匹がそろっています。
どちらかの座椅子に2匹で仲良く眠っているときは、座椅子が1つ空きますが、それぞれの座椅子に1匹ずつ眠っているときには、私の座る場所がありません。
猫に居場所を奪われた?
猫を追い払って座るのはとても簡単なことですが、あまりに気持ちよさそうに過ごしているのをどかすのも悪くて、座椅子は猫らに譲り、床に座るようになった私。
そもそも、パソコン作業をするのには座椅子ではやりにくく、床に座ることも多かったので、さほど気にしていませんでした。
しかし、床での作業は姿勢を保つのが難しく、腰痛が発生。このままではまずいと、“正座&あぐら用の椅子”なるものを新たに買いました。
背筋を伸ばして床に座りやすくなり、重宝していたのですが、新たな椅子に猫が飛びつかないわけがありません。
座椅子は譲れても、この椅子はパソコン作業のときに必要なので、猫に奪われたままにしておくわけにもいかず、毎回追い払っていると、徐々に“これは飼い主の居場所”なのだと分かってくれるようになり、近づいただけでどいてくれるようになりました。
こうして、猫は座椅子、私は正座用の椅子、と平和にすみ分けができた…とはならないのが、私のワガママなのでしょうか…。
正座用の椅子は、背もたれがないので、くつろぐには向きません。たまに座椅子に座りたいときには、やっぱり猫にどいてもらうこともありました。
モモをどかすと、「あ、すみませんでした」みたいな感じでサッサーとほかの場所に行ってしまうので罪悪感がありますが、あんずをどかすと、「アンタも座りたいの? じゃ、アタシは膝に乗るね」という感じで、膝に乗ってくれて、満足そうな顔をしてくれるので、罪悪感はありません。
なので、大抵あんずをどかしますが、すると今度はモモがうらやましそうに周りをウロウロし出し、結局、モモもあんずと一緒に私の膝の上に乗ってきます。さすがに2匹乗っていると長時間もたないので、いずれ2匹ともどいてもらうことになります。
こうして、何だかんだの場所取りの攻防があっても、最終的には猫らは私に座椅子でくつろぐ権利を譲ってくれ、そばに寄り添ってくれたりするので、猫らの優しさに感謝しています。
この居場所争いも、一緒に住んでいるからこそ。結局は、幸せな時間なのかもしれません。
(ヤスダユキ)
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