犬の老化の原因は? 見た目年齢ではわからない6つの老化
愛犬が年をとったと感じるのはどのようなときでしょうか? わかりやすい老化のサインは、人間の白髪にあたる白い毛が目立ってきたり皮膚がたるんできたりする変化でしょう。しかし「若く見えるから、まだ老犬じゃない」と、見た目年齢だけで健康だと安心はできません。今回は6つの老化について紹介します。
犬の老化を見た目だけで判断しない
老化の兆候が出始める7歳を超えても、それまでと見た目が変わらない犬もいます。でも実は、見えないところで老化は着実に進んでいます。外見だけで健康寿命を判断せず、愛犬が元気で長生きできるように犬の老化の仕組みを知っておきましょう。
体内で静かに進んでいる老化は、感覚器、消化機能、筋肉量など、6つの機能の低下から起こります。犬種や個体によって生まれつき弱い機能や部位があり、高齢になるとその部分から衰えていきます。外見でわからない老化の原因は、動物病院の健康診断で早期発見が可能です。
6つの機能低下から進む、犬の体内の老化
1.感覚機能の低下
老化で視覚が衰えて目が見えにくくなり、聴覚の低下で耳も遠くなります。歩いているときにつまずいたり、呼ばれても気づかなかったりするように。触覚、痛覚、温度を感知する感覚も鈍くなるため、思いがけないけがを負ってしまう場合があります。
2.消化機能の低下
高齢になると胃腸の消化吸収機能が低下し、下痢や便秘になりやすい傾向があります。歯周病の進行や唾液の分泌量の変化でものが食べづらくなり、食が細くなることもあります。
3.代謝量の低下
基礎代謝量は加齢にともなって落ちていきます。消費カロリーの70%を占める基礎代謝が低下すると、それまでと同じ食事量ではカロリーオーバー。運動量も同じであれば肥満になってしまいます。
4.ホルモン分泌量の変化
甲状腺ホルモンやメラトニンなど、若さと健康を保つために必要なホルモンの分泌量が低下。一定量より減ると、元気がなくなったり毛が抜けたりする症状が現れます。
5.免疫機能の低下
細菌やウイルスに対する免疫力が低下すると、さまざまな病気にかかりやすくなります。がん(悪性腫瘍)が発生するリスクも高くなります。
6.筋肉量の低下
筋肉の役割は身体を動かすだけでなく、内臓を保護し、熱量を生みだし、血液を送るなどの働きもあります。筋肉量の低下は体内すべての機能低下に直結し、寝たきりになる恐れもあります。
活性酸素も、犬の老化の原因に
犬の老化の原因はまだ解明されていませんが、さまざまな研究が行われています。その一つとして「活性酸素」の関与がわかってきました。活性酸素は人間のヘルスケア分野の研究により、老化だけでなく、がんや生活習慣病の原因になることが明らかになってきました。活性酸素は呼吸をするだけで発生し、増えすぎると有害になります。
老化を防いで寿命をのばすためには、体内の活性酸素を減らすことが重要です。難しく感じるかもしれませんが、実は日常生活を見直すだけでも老化の予防になります。老犬が安心してくつろげる住環境にする、心身への負荷が少ない運動を取り入れる、定期的に健康診断を受ける……といった小さな工夫が健康寿命をのばすカギとなります。
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