犬の老化のサインを見逃さない! チェックして、健康で長生き
愛犬はいくつになってもかわいい存在。10歳になっても「まだまだ若い」と思っていませんか? しかし、寿命の短い犬は、人間より早く老化が進みます。健康寿命をのばし、元気で長生きしてもらうため、外見や行動の変化に注意しましょう。愛犬の老化のサインを見逃さないチェック項目を紹介します。
犬は何歳から老犬になる?
犬の平均寿命は、14.29歳までのびています。サイズ別に見ると、超小型が15.01歳、小型が13.91歳、中・大型犬が13.36歳です(2018年ペットフード協会調査)。
犬によっては7歳頃から老化の兆候が表れます。老化には個体や生活習慣などさまざまな要因が関係しているため、一概に区分けはできませんが、一生のおおよそ半分はシニア世代の生活になるとも考えられるでしょう。犬も人間と同じようにシニア以降が長くなったため、「老犬」となるのはもっと高齢になってから。
とはいえ 逆に「年だから仕方がない」とあきらめていませんか? 老化の一因となる筋肉量の低下を運動で防ぎ、病気を老化と決めつけず治療することが大切です。
目標は愛犬の健康寿命をのばすこと
人間社会では、単に寿命をのばすのではなく、「健康寿命」をのばすことが注目されています。厚生労働省は、健康寿命を「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」と定義し、不健康や寝たきりの状態を防ぐために、さまざまな取り組みを行っています。さらに亡くなる直前まで元気に生活する「ピンピンコロリ」の人生を目指すプロジェクトもあるほど!
一方、犬の健康寿命を定義するとしたら、「日常生活に介助が必要ない期間」でしょう。自力で歩いて食べて排泄できることが健康寿命のバロメーターになります。犬も飼い主の対処で寿命はもちろん健康寿命ものばし、元気な老犬生活を送ることができます。まずは愛犬の老化のサインを見逃さないことが重要です。
愛犬の外見の変化で老化をチェック!
老化による変化の表れ方は、犬種や個体によって異なりますが、飼い主には老化のサインに気づけるチャンスがあります。まずは年をとると表れる外見上の変化を紹介しますので、健康チェックに役立てましょう。
外見チェックの8項目
- 白髪(白毛)が目立つ 鼻先や口のまわりから少しずつ白くなり、体全体に広がります。毛色が薄くなったり毛質がパサついたりする変化も見られます
- 目が白く濁ってきた 目の水晶体が変化して不透明に変化。老齢性白内障などの症状が表れる場合もあります
- ぽっちゃり体型になった 基礎代謝が低下するので、食事量が変わらなくても肥満傾向がみえてきます
- 被毛が薄くなった 新陳代謝の低下やホルモン分泌量の変化で被毛が薄くなります
- フケが多くなった 皮脂の分泌量が減って皮膚が乾燥し、フケが多くなることもあります
- 顔や体にイボが現れた イボやコブのようなふくらみが現れます。悪性腫瘍の場合もあるので注意が必要です
- 口や息が臭くなってきた 老犬に多い歯周病の悪化のサイン。病気が原因で口臭が強くなることもあります
- お尻が小さくなった 下半身の筋肉量から低下するためお尻が小さくなります。真上からチェックするとわかりやすい変化です
「行動の変化」は老化の始まり、気長に付き合う
老化による行動の変化は外見よりもわかりづらいかもしれません。若い頃に撮った動画と見比べるのも一案です。今まで普通にできていたことができなくなるため、飼い主はやきもきしがちですが、老犬生活の始まりと思って気長に付き合っていくことが大切。行動の変化は認知症の可能性もあります。
行動チェックの8項目
- 呼んでも反応しない時がある 知らんぷりをしているように見えますが、聴力の低下の可能性も。加齢にともなって反応が鈍くなることもあります
- 遊びに誘っても無関心 おもちゃや遊びへの興味がなくなり、無気力に。物事への関心の低下は心の老化につながります
- 眠っている時間が増えた ホルモンの分泌量の変化などにより、眠る時間が増えていきます
- 食べ物の好みが変わった 歯が抜けたり、あごの筋力が低下したりして、やわらかく小さいものを好むようになる場合もあります
- 散歩に行きたがらない 身体や関節の痛み、体力の低下が原因で、散歩に行きたがらなくなります
- ふらついて物にぶつかる 視力や筋肉量の低下でスムーズに歩行できなくなり、歩き慣れた場所でもふらついたり物にぶつかったりします
- 排泄の粗相が増えた 膀胱に尿を溜めておく筋肉が弱くなり、排泄の粗相が増える場合もあります
- 歩幅が狭くなった 全身の筋肉量の低下が原因で動作がもたつき、歩幅が狭くなります。体に痛みがあるケースもあります
愛犬の老化を放置して老け込ませない
愛犬の変化に早く気づけるように、定期的に動物病院で健康診断を受けましょう。飼い主も日頃から愛犬の様子をチェックして、外見や行動の変化に気づいたら、まずは動物病院で受診して原因を確認しましょう。老化だけでなく、けがや病気が潜んでいた場合は、治療で改善や維持を目指すこともできます。高齢になり衰えた心身を若い頃のように戻すのは難しいものの、日々のケアである程度まで回復させることは十分可能です。
「年をとったらのんびり過ごさせたい」「自然のままでいい」という考え方もあります。しかし、変化の放置は病気の見落としにつながります。老いを受け入れることは大切ですが、いくつになっても元気で過ごせるように愛情を込めた世話を心がけたいもの。健康で長生きしてもらい、愛犬との生活を楽しみましょう。
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