犬にとって快適なベッドを選ぼう 寝場所を整えて生活の質向上を

 犬が心地よく休めるように快適なベッドを用意してあげましょう。犬は人よりも睡眠時間が長く、高齢になると一日の大半を横になって過ごすこともあります。心地よいベッドを選んだり季節に応じて寝場所を整えたりすることで、老犬になっても生活の質(QOL)を維持・向上できます。

老犬の睡眠時間は一日18時間超

 犬の一日の平均睡眠時間は12〜15時間ですが、高齢になると眠っている時間が長くなり、18時間を超えることも珍しくありません。犬が一日の多くの時間を過ごすことになるベッドを心地よい環境に整えてあげましょう。

 老犬は視力の低下や身体の変化で、不安になったり怖がったりすることが増えることも。犬のベッドを家族の気配がする場所に置くと安心して休めます。

愛犬が心地よく眠れるベッドを選ぼう

 犬には硬い素材のベッドより柔らかい素材のベッドを選んであげるとよいでしょう。実際にベッドに触ってみて適度に弾力があるか確認するとより確実です。

 四方を覆われたプラスチック製のクレートの中にベッドを入れ、犬の「ハウス」として使うのも良い方法です。高齢の犬は環境の変化を好みませんが、いつも使っているハウスがあれば、旅行先や引っ越し後の新居でも比較的落ち着いていられます。

犬のベッドを心地よい環境に整えよう
犬のベッドを心地よい環境に整えよう

 ベッドの形や素材にはさまざまな種類があるので、犬の体質、体調、季節、地域などに応じて選ぶことも重要。数種類のベッドを置いておけば、犬が好みの種類や場所を見つけます。

犬のベッドの種類

・マットタイプ
バスマットやマットレスのように平らなベッド。シンプルな形状で洗いやすく乾きやすいのが特長。クレートの中に入れて使うこともできます。

・カドラータイプ
三方もしくは四方にへりがあるベッド。マットタイプより保温性が高く、へりを枕にすることもできます。付属のマットを取り外して洗える製品もあります。

・ドームタイプ 
全体を覆っている形状で保温性が高く、安心感を得る犬もいると言われています。付属のマットを取り外して洗える製品もあります。

老犬に適した温度を保とう

 犬はシニア世代の後期になると身体の体温調節の機能が衰え、寒さや暑さを感知する機能も低下します。飼い主が定期的に温度調節をしましょう。犬の快適な温度は体調にもよるので一概に言えませんが、人よりやや低めの26℃前後が目安です。

 ただし冷暖房機器の設定温度を26℃にしても、機器の温度センサーの部分とその他の場所の温度が違うケースもあります。特に犬のベッドは低い位置にあるため温度差には注意が必要。温度計や飼い主の体感で犬の寝場所の温度を確認してください。

老犬の寝場所、冬は暖かく湿度は高めに

 被毛に覆われている犬は暑さに比べると寒さには比較的強いのですが、老犬は寒さにも弱くなっています。ベッドを置く場所の温度は、暖房やホットカーペットを利用して、若い頃よりもやや高めに設定しましょう。加湿器で湿度を高く保ち、乾燥を防ぐこともポイントです。

 暖房器具を使う際は取り扱いに注意が必要です。高齢の犬は温度変化に気づくのが遅れ、ホットカーペットで休み続けて低温やけどになってしまう危険があります。被毛が焦げるほどストーブに近づく犬もいるので、飼い主が見守れるときに使ったほうが安心です。

夏はベッドの周りを涼しく

 犬は夏さが苦手で、老犬になるといっそう暑さに弱くなります。エアコンや冷風機などを活用して犬のベッドの周辺を涼しくし、熱中症を予防しましょう。家全体を一定の温度に保って涼しくするよりも、扉を開けてやや寒暖の差をつけ、犬が移動することで温度調節ができるようにしておくこと。 

季節に応じて温度や湿度の調整を
季節に応じて温度や湿度の調整を

 夏はベッドの一つをクールマットに変えるのも一つの方法です。ただしクールマットは温度調節機能のない製品が大半なので、熱中症予防として頼りすぎるのは禁物。エアコンなどの冷房機器でしっかり温度調節をしましょう。遮光・遮熱カーテンを利用すると、ベッドに直射日光が当たらず温度も上がりにくく、熱中症予防に有効です。

犬のベッド、夜は暗い環境に置こう

 犬が一日の多くの時間を過ごすベッドは、皮膚の分泌物や排泄物で汚れやすい場所です。汚れを放置すると雑菌が繁殖して病気の原因になる心配も。こまめに洗ったり取り替えたりして、清潔さを保ちましょう。トイレシートなどをベッドに敷き、使い捨てのカバー代わりにする方法もあります。

 ベッドを置く場所の明るさにも配慮したいものです。犬は幼少期に過ごした暗くて巣穴のような場所を好み、安心して眠ります。日中に休む場所は自由にさせていても、夜眠るときはクレートや布で覆ったサークルなど、囲われている場所にベッドを置きましょう。暗い環境で眠らせることで規則正しい生活リズムになり、健康寿命にもプラスの影響をもたらすでしょう。

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監修:小林豊和
獣医師、グラース動物病院(東京都杉並区)総括院長。最良のホスピタリティと獣医療を提供するため「チーム医療」に取り組む。帝京科学大学准教授として犬猫の健康寿命やアンチエイジングの研究も行なっている。

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