猫が怖がる「音」 台風は平気だけど、サイレンには硬直
関東地方に台風が直撃し、大きな被害が出ている地域もあって心配ですが、幸い都内の我が家には被害はありませんでした。
こんなとき、外で暮らす猫たちは、どうしているのか心配になってしまいます。ちゃんと身を隠す場所があるのでしょうか……。
台風の夜もぐっすりの猫たち
台風の夜は、強風の音で私は目が覚めてしまいましたが、サビ猫のあんずも、キジトラ猫のモモも、グースカ寝ておりました。
友人の愛犬のミニチュアダックスは、屋外の物音におびえて夜中ずっと鳴いてしまい、朝まで眠れなかったと聞きました。
そう思うと、猫って耳が良いわりに、意外と図太いのだなと感じます。うちの猫に限った話かもしれませんが。
とは言うものの、家の中がシーンと静まり返っているとき、ビニール袋のカサっとした音や、紙が1枚ペラっと落ちるだけで、猫らは体を“ビクッ!!!”とさせて、どこかに隠れてしまうことさえあるので、何の音が猫らの恐怖の対象なのか、よく分からない所もあります。
サイレンに硬直する猫たち
数カ月前、近所の学校で、火災報知器の誤作動があり、サイレンと共に「火災が発生しています! 避難してください」というアナウンスが、明け方に20分ほど鳴り続けるという迷惑な事がありました。
私の耳には、うっすらとサイレンが聞こえてきて、窓を開けて耳を澄ますと、ようやく火災のアナウンスが聞こえたという程度でした。
当時は誤作動とも知らないので、サイレンの音が心配で、すっかり目が覚めてしまいました。猫たちの様子を確認しに寝室を出ると、少し前からサイレンに起こされていたようで、2匹は寄り添いあって硬直していました。
サイレンがただごとではない音であることを理解しているようで、“何なの? 緊急事態!? とても寝てなんていられない!”といった様子でした。
サイレンはいつまでも鳴りやまず、夫も起きてきて、ザワザワする大人2人と猫2匹。ちなみに、そんななか、生後約半年の赤ちゃんだけは、熟睡でした。
私は相当な心配症なので、猫と赤ちゃんを連れて逃げることを考えていました。逃げるといっても、どの方向へ? とにかく、学校から離れれば良いのか?
でも、よく考えると、学校と家は200メートルは離れています。私たちが逃げなければならないほどの火災だとしたら、近隣の住宅地一帯が避難の対象となり、相当な人数で逃げなければなりません。
そんな大火事、そう見ないな……。しかも、1台の消防車の音すらこえません。
我が家のベランダからわずかに見える、学校の屋上の様子をのぞくと、もちろん火は見えないし、万が一、火災だとしても、近隣住民まで逃げなければならないほどではなさそうです。
「よく分からないけど、寝よう……」
そう夫婦で判断し、寝ることに。時間は朝の4時過ぎでした。
猫たちはまだ硬直していて、ただならぬ音のせいで、怖くて窓の近くにも行けない様子です。
「大丈夫だよー。なんにもないよー」
寄り添いあう2匹にそう声をかけましたが、まだ寝る感じではありませんでした。
そうこうしているうちにサイレンが止み、ようやく猫たちは落ち着いて体を横たえることができたのでした。
猫には、怖い音とそうでもない音がある?
そんな感じで、サイレン誤作動騒動では、猫たちはかなりビクついていましたが、台風にはほぼ無反応でした。
そう思うと、自然現象の音には強くて、人間が出す音にはかなり警戒するということなのかもしれません。そういえば、雷の音も全く怖がりません。
自然に対しては、家の中で守られている安心感があり、人工的な音に関しては、家と自分たちを脅かす正体不明の存在への恐怖があるのでしょうか。
犬は外の物音(雷とか花火とか強風とか)はすごく警戒するけれど、それは外をよく知っているからこそで、猫はずっと家の中にいるので、落ち着いていられるような気もします。
いずれにせよ、音の大小ではなく、猫なりの事情で聞き分けているのでしょうね。
(ヤスダユキ)
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