散歩が苦手な元保護犬「福」 シッターさんとノーズワークに挑戦したら…
月刊誌『天然生活』『ESSE』等で編集長を務め、著書「妻が余命宣告されたとき、僕は保護犬を飼うことにした」が話題の小林孝延さんこと「とーさん」は、困り顔の元保護犬の「福」と、元保護猫の「とも」「もえ」、そして今年保護した元野良猫の「ヤン」と「イン」とともに、賑やかな日々を過ごしています。動物たちとの暮らしを、とーさんの日常を通してお伝えしていきます。
新しい挑戦「ノーズワーク」
さてさて、前回からの続きです。
シッターさんトレーニングをはじめた臆病で人見知りな元保護犬「福」。
少しずつですがシッターさんにも閉ざしていた心を開くようになり、手から直接おやつを食べたりできるようになってきました。
それでも、もともと外が怖くて散歩が得意ではない福なので、シッターさんとふたりでの散歩はまだまだ苦手。いったん外に出るものの、とーさんがそばにいないことに気づくと、パニックになって家に戻ろうとしてしまうのでした。
この調子ではいつものようにお散歩はできないと判断したシッターさんは、なんとか散歩なしでも福が楽しめるように「ノーズワーク」とよばれる知育おもちゃを用意してくれました。これは隠されたおやつを探す「宝さがし」のような仕組みで、犬が嗅覚(きゅうかく)を研ぎ澄まして集中して遊べるので、お散歩と同じくらいストレス解消になるそう。それだけでなく、飼い主やシッターさんとの絆を強めたり、心の生育にもとても効果があったりするものなのです。
最初は紙コップの中におやつを隠して探す、簡単なワークからスタートした福。でも、シッターさんが目の前にいるという、ただでさえ慣れない環境でなかなかうまく遊べません。おやつの匂いよりも、どうしても周囲の違和感の方に意識がもっていかれているようなのです。
そこで、今度はフェルトのマットで作られたポケットの中におやつを隠しておく遊びにチェンジ。すると、恐る恐るですが、鼻をくんくんさせておやつを探し出すようになりました。
福が飽きると、今度は猫のインちゃんがやってきておやつをクンクン。それにうながされて、横取りされないように福が本気で探し出す、という循環が生まれて遊びが成立するようになりました。
福とシッターさんの絆が深まる
その様子を見て、シッターさんとはあまり散歩というスタイルにはこだわらず、福がストレスを抱えることなく過ごせる方法を試していく方針に。それから1日1日と福とシッターさんはうちとけていくようになりました!! さすが、すごい。
無理することなく、嫌な刺激を与えず、心を柔らかくさせる。飼い主だとちょっとばかり強引にしてしまいそうなところも、シッターさんはやさしく、福が納得するまで待ってくれるから、だんだん、「この人は大丈夫、安心できる」と思い始めているのがとてもよくわかりました。そのうち散歩で歩ける距離も、少しずつ長くなってきました。ちゃんと歩きながら匂いを嗅いだり、リラックスしたりする様子も見られるように。
時を同じくして、ずーっと隠れたままだったインちゃん以外の猫たちもそろりそろりと様子を見にくるように。シッターさんは猫じゃらしを操るのもお手のものなので、あっという間にみんなは夢中になりました。
福が見つけられなかったおやつを猫たちが手分けして捜索。猫VS犬
さあ!! だいたい1カ月くらいかかりましたがようやくこれで準備完了!! いよいよとーさんは海外出張に出かけるのでした。果たしてみんな無事に留守番できるのか?

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