3匹の猫と暮らして1年 個性それぞれ、忙しくも愛おしい日々
モデルの松島花さんは、3匹の保護猫たちと暮らしています。そして今月で、3匹を引き取ってから1年がたちました。連載8回目は、これまでの暮らしで感じたことをつづります。
(末尾に写真特集があります)
今月6月3日で…
我が家に “ごろりん”“ゴメズ”“フェスター”の3匹が来てちょうど1年になりました。
昨年の1月、愛猫の梅ちゃんが20歳で亡くなり、ぽっかり穴が空いてしまった私の心を…家族の心を…この3匹の子たちが少しずつ、少しずつ埋めていってくれた1年でした。
元気いっぱいの3匹との楽しい1年
もちろん、“ごろりん”“ゴメズ”“フェスター”が可愛くても、梅ちゃんへの愛はforeverで、私の心の中で永遠に生きています。
それでも日々3匹の猫たちとの暮らしで感じる事は、本当に可愛く、愛おしく、そしてまた忙しい日々です。
やはり老猫期に入った梅ちゃんとの最後の7 〜8年は、眠っている時間が日に日に増え、18歳を過ぎた頃はたまにふらっとリビングに来てくれることはあっても、ほとんど寝てばかりの梅ちゃんでした。
それに比べると毎日忙しいこと…
夜の運動会も半端なく騒がしいです(笑)
3匹の誰からともなく突然追いかけっこが始まります。トイレ掃除も3匹分なので、あっという間にお掃除が必要です。ブラッシングも3匹分。爪切りも3匹分。
梅おばあちゃん1匹から、推定3〜5歳の元気いっぱいなごろりん、子猫からどんどん成長し、今では立派な成猫になった黒猫兄弟のゴメズとフェスターの世話で明け暮れた楽しい1年でした。
身軽な愛猫「ごろりん」、まるで子馬⁉
そこで、ごろりん、ゴメズ、フェスター、それぞれを改めて紹介したいと思います。
“ごろりん”は、4回目でもお話ししましたが…
東京都動物愛護相談センターに負傷猫として収容されていた保健所収容猫です。
そしてごろりんは、負傷猫や病気の猫を多数保健所から引き出されている個人ボランティアの @teko1010 さんを通じて、うちに来ることになりました。
ごろりんは、体形は少し小さめですが、とにかくしっぽがものすごく長いのです。しかも、しょっちゅうしっぽを動かしているのです。
爆睡している時以外は、ほとんどと言っていいほど動かしています。窓辺で外を見ている時、床でくつろいでいる時、ご飯を食べている時もずっと左右に動かしながら食べています。
…なので、ごろりんの“しっぽ”は2匹の黒猫兄弟のかっこうの“おもちゃ”です。常に「わざと??」というくらい、自分のしっぽで遊ばせているのです。
そして、ごろりんの動きは俊敏で身軽。しっぽと共に手足も長くて、動きは犬というか子馬のようです。私や家族が外から帰ってくると玄関まで駆け寄ってお迎えをしてくれます。出かける時も犬のようにお見送りをしてくれます。
かと思うと…
何を考えているのかわからない、物思いにふけっているような、どことなく寂しげな表情をよくするのです。
もちろん私も今まで猫を飼ったり、接してきた経験もあるので、猫の気ままな態度やつかみどころのないところはよくわかっているつもりですが、ごろりんは今まで出会ったどの猫よりつかみどころのない本当に変わった子なのです。
本当は何歳なの?
どこで生まれたの?
誰かに飼われていたの?
それとも、ずっとお外でがんばっていたの?といつも話しかけています。
小さな子猫の兄弟にメロメロ
次は、黒猫兄弟の“ゴメズ”と“フェスター”です。
この子たちは、ある民家の屋根裏で野良猫のお母さんが3匹産んだ中の2匹です。
害虫駆除会社の方に捕獲され、危うく捨てられそうになったところをボランティアの方に助けられ、ごろりんを保健所から引き出していただいた@teko1010 さんのところにまた保護されていました。
母猫ともう1匹の兄弟は別の方に、そしてこのゴメズとフェスターは、ごろりんと一緒に家に来ることになりました。
最初に来た頃は、まだ2カ月ちょっとだったので、久々の子猫に家族みんな興奮気味でした。本当に小さくて可愛くて、気がつくとずっと見ていました。もちろんごろりんも可愛いですが、子猫独特の可愛さにもうメロメロでした。
でも、初日からごろごろと甘えてくるごろりんに対して、黒猫のゴメズとフェスターはケージから出すと部屋中探しても見つからないくらいびっくりするような狭いところに入り込み、2匹でくっついて隠れていました。
「怖がらなくていいよ!」と話しかけ、毎日少しずつ少しずつ慣れてきましたが、やはりそこは、ごろりんが大活躍。
ごろりんは男の子なのですが、ゴメズとフェスターはごろりんのことを母猫のように慕い、甘え、いつも一緒にいるようになり、3匹一緒に寝たり遊んだりしていて、とても助かりました。
それからはもうご飯の時間になると、ご飯をねだるようになったり、甘えてきたりするようになりました。家族に慣れるのにも4〜5カ月くらいはかかったように思います。
今でも来客があるともう大変。きっと民間の屋根裏で追いかけられたのがよほど怖かったのでしょう。知らない人が来るだけで、サーッと隠れて出てきません。お客さんが帰っても2〜3時間出てこないのです。
あんな生まれて間もない頃の記憶がこんなにもこの子たちの心の傷になっているなんて…。1年経った今もそれは変わりません。
優しい愛猫「ゴメズ」、みんなを毛づくろい
そして次は“ゴメズ”“フェスター”のそれぞれの違いですが…
体形も性格も全く違います。“ゴメズ”は、顔がとっても小さく、でも下半身は太っていて「ナス」のような体形です。しっぽもごろりんに負けないくらい長いです。
1番の食いしん坊で、いつもポリポリ食べているので3匹の中で1番のおデブちゃん。約6キロになりました。「この子、猫だよね〜?」というくらいジャンプ力が無いのです。
ごろりんやフェスターが容易にジャンプで上がれる棚の上にも、ゴメズはジャンプでは上がれず、棚の上に手をかけガリガリとよじ登るようにして乗ります。その姿は、まるで猫ではなくロッククライマーのようで笑いを誘います。
そして、少しビビリで控えめ、でも1番優しいのもゴメズです。自分のこともよく毛づくろいをしますが、みんなのこともよくペロペロとなめてあげています。
そんなゴメズは、母のことが大好きで、よく母のひざの上に乗ってゴロゴロとのどを鳴らしています。
愛猫「フェスター」はマイペース
次は“フェスター”です。
フェスターも体重はゴメズよりちょっとだけ少ないものの、ほとんど一緒。6キロ近くあります。ごろりんやゴメズと違って、しっぽはちょこんとウサギのようにあるだけで、顔もあまり小さめではなく筋肉質でがっしりしています。
3匹で家に来た当初は、みんなの後ろに隠れていたフェスターが、今では1番ボス的存在です。好奇心が旺盛で、常に人のすることをジーっと観察しています。
この子は、頭がとてもいいんだなぁ〜と感じることが随所にあります。各部屋のドアノブもフェスターだけが開けられます。
そして、3匹の中で1番マイペース。自分のやりたいようにやって、甘えたいときには素直に甘え、屈託のない可愛さがたまらなく可愛いのです。
フェスターは、私のことが1番大好きで、私がいるともうスリスリゴロゴロ。私が座っているとひざに、寝転んでいると背中に、ベッドに入るとおなかの上にずっといます。そんなフェスターがたまらなく可愛いです。
こんなゴメズ、フェスターの甘え方を紹介すると、
「じゃあ、ごろりんは?」と思われるでしょうが…
ごろりんは全くそんな風な甘え方はしません。かまって欲しいのはかまって欲しいみたいなのですが、抱っこが嫌いで、ひざに乗ってきたりもしません。
ただ触られることがとても好きで、少し触っただけでゴロゴロが止まらず、触り終えても何十分もゴロゴロのどを鳴らしています。
そんな時ついつい子猫2匹の時にうちに来たゴメフェスと比べて、ごろりんのことは大人扱いしてしまって、寂しかったのかなあと反省したりします。
犬や猫たちに心を寄せて
もうすっかり3匹共みんな成猫です。体形もごろりんが1番小さくなってしまいましたが、3匹それぞれの性格の違いや心の感じ方の違いがはっきりしてきました。
人間も犬も猫もみんな一緒。
犬はこんな性格、猫はこんな性格などということをはありません。
人間も一人一人みんな性格や感じ方が違うように…
犬も猫も1匹1匹みんな違います。
みんな心があります。
飼い主に捨てられた子、虐待された子などは、特に深く深く傷ついています。
保健所に収容され〝命の期限〟を待つ間の恐怖心もそれぞれみんな感じています。動物だから大丈夫と言う事は絶対無いのです。
みんな一緒。
私たち人間と一緒です。
動物に心を寄せていただきたいです。
人間も犬も猫も、みんな同じです。
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