「令和で殺処分ゼロ」実現するために できることから始めよう

 モデルとして活躍する松島花さんは、仕事のかたわら保護犬や保護猫を助ける活動にも取り組んできました。連載7回目は、これまでの保護犬・保護猫活動を通じて感じたことや、今後の課題などを語ります。

(末尾に写真特集があります) 

 sippo の執筆を始めて今回で7回目となり、@hana_matsushima_animal のアカウントで始めた保護犬・猫活動のInstagramも先月の18日で1年になりました。

膝に乗るのが大好きなフェスター。お家でsippoの原稿を書いている時は決まってフェスターが膝に乗っています。
膝に乗るのが大好きなフェスター。お家でsippoの原稿を書いている時は決まってフェスターが膝に乗っています。

 今回は、この活動を始めて私が感じたこと、改めて知ったこと、これからの課題や目標などについてお話ししたいと思います。

殺処分の現実を知らない私たち

 この活動を始めて感じたこと、知ったことは多々あります。

 まず1番驚いたことは、動物たち(ここでは犬や猫についてですが)に起こっている様々なことを知らない人があまりにも多いということです。

 「もしかして?今のこの時代に〝殺処分”ってあるの?」とか「保護犬や保護猫ってなんですか?」と聞く人が多いのです。

 私は日本で〝殺処分”が無くならないのは政治のせいだ!と思っていました。でも、その前に…私たちはどうなんだろう⁈と考えたときに殺処分が無くならない1番の原因は、私たちが現実を知らないためだということに気が付きました。

飼い主によって保健所へ持ち込まれる犬や猫

 この活動を始めて少しは分かっていたつもりの私も、1年間で1万5千頭を超える犬や猫が、飼い主によって保健所へ持ち込まれているとは知りませんでした。(2017年度、環境省調べ)

 何故そんなことするの?と初めて知ったときは理解に苦しみ、ショックでした。絶対に許せないことですが、百歩譲って何らかの事情があったのかな…と何度も考えてみましたが、答えはやっぱり同じです。

 でもさらに驚いたのは、特別な事情では無くて安易に持ち込む人がいるという現実を知ったことでした。飼い主さんに保健所の方が「最悪処分になることもありますが、いいですか?」と聞いても「はい」と答えるそうです。

 やはり動物を飼い始めるときに、これからの時代は何らかの義務付けをする必要があるのではないか、例えば〝登録料〟というシステムを作り、そこにお金が発生すれば安易に飼うことが出来なくなり、反対に安易に捨てる人も減るのではないかと思います。

どんどん甘えん坊になるフェスター(左)とゴメズ(右)
どんどん甘えん坊になるフェスター(左)とゴメズ(右)

 次にこの活動を始めて知ったことは、施設に持ち込まれた動物や多頭飼育崩壊現場などから動物を救うために頑張ってくださっている、全国のボランティアの方々についてです。

犬や猫のため、活動するボランティアさんたち

 この活動を始めたことにより、各地域のボランティアさん、団体さんと直接DM等で話す機会が増えました。地域のボランティアの方々には、本当に毎回頭が下がることばかりです。

 皆さん、自分の生活を犠牲にする事は当たり前…というより、犠牲にしないことにはできないというのが実情だと思います。

 ボランティアの皆さんは仕事を持っている方がほとんどで、出勤前に保健所に寄って犬や猫の世話をしたり、様子を見て写真を撮り、その子の情報をSNSで発信し、募集するということをやってくださっています。

 病気になれば引き出して自宅に連れて帰り、通院をさせる方もいます。もちろん治療費も自腹です。そして引き取り先が決まれば引き出しをし、中には搬送までされる方もいます。基本、引き取る方が直接お迎えに行くことがほとんどですが、どうしても遠方で行かれない場合など、搬送にかかる費用もボランティアさんが負担するということもあるそうです。そうなると身体も大変ですが、お金も大変です。

 私が〝命の期限”のリポストをする時、この各地域のボランティアの方々が情報をあげてくださらなければ何もできません。ただ拡散という点で少しは力になれるのであれば…ということでお手伝いをさせていただいていると思っています。

 そしてまた、里親さんが決まった報告をする時「花さんのおかげです。ありがとうございます。」とコメントをくださる方がいらっしゃるのですが「いいえ、私じゃありません…」と言う気持ちになります。

 そういうコメントが来るたびに、各地域のボランティアの方々に申し訳なく思っています。

3匹で走り回った後の休憩タイム
3匹で走り回った後の休憩タイム

 次に、私が命の期限のリポストをやることで、ボランティアさんやセンターの職員の方々に迷惑をかけてしまっているということも、ボランティアさんからの連絡で知りました。

 私がリポストをすると保健所やセンターに電話やメールなどがとても多くなり、ときには苦情なども多くあるそうです。

 その結果どうなるのかというと、引き取ったり預かったりしたいとセンターに電話をかけていただいている方々がつながりにくくなるばかりか、職員の方の業務にも支障が出ているのです。

 こうやって譲渡活動で迷惑をかけると、地域のボランティアさんへ情報が出にくくなるという悪循環につながります。

 いくら拡散力があるといっても、このような支障も出るので、良い面と悪い面もあるということがわかりました。センターに電話をしてしまう方たちの「殺処分をして欲しくない!」という思いはわかりますが、クレームの矛先をそこに向けるのは違うということをわかってほしいのです。

手探りの活動、たくさんの協力あってこそ

 それでもボランティアの方々と直接DMなどで話しているうちにお互いの理解が深まり、お互いに協力し合う態勢もこの1年ですごく整ってきました。私が仕事でできない時間に助けてくださる方もいて感謝するばかりです。

 私がこうやって手探り状態で始めたこの活動を続けてこられたのも、フォロワーの方々の協力や地域のボランティアの方々の協力があってこそだと実感しています。

 私がいつもInstagramの中で発信している事は、引き取ったり預かりさんになったりすることだけが愛護活動ではないと言うこと。住居の問題だったり、動物は好きだけどアレルギーがある方もいらっしゃるでしょう。そんな方たちも自分にできることをどんな小さなことでもいいから探してほしいと書いています。

犬や猫のため、自分にできることを

 例えば「このボランティアさんは、私と同じ考え方だな〜」とか「私は犬が好きだから、このボランティアさんを応援しよう!」「この人は1人で頑張ってやっていらっしゃるので、この人を応援しよう!」など…自分が応援したいボランティア活動をされている方や団体さんが、ペットフードやトイレの砂、トイレシート、いらなくなったタオルや新聞紙など、ボランティアの方が必要とされているものを送る支援をしたり、住んでいる近くに保健所やシェルターなどがある方は〝お散歩ボランティア”や何かお手伝いできることなどを申し出てみるというのはどうでしょう。

 春先、子猫がたくさん生まれる季節は〝ミルクボランティア(ミルボラ)”と言って子猫を短い期間預かりミルクをあげるボランティアなどもあります。

 その他には、旅行や仕事でよく飛行機を利用される方は“バゲージボランティア(バゲボラ)”と言って里親が決まった保護犬・保護猫をボランティアの方が保健所から引出し遠方の里親さんに渡す際、飛行機を利用する人が自分の手荷物として自分の目的地まで運ぶお手伝いをするボランティアもあります。もちろん空輸だけでなく車や新幹線で運ぶ陸送のボランティアもあります。

 でも、物資を送ったりするようなお金のかかる支援はできないという方も、たくさんいらっしゃると思います。そういう方は、SNSで情報を拡散するお手伝いがあります。

 これは、指1本でできるボランティアです。ほんの少しの時間を、命をつなぐための情報拡散に使っていただくお手伝いです。

 今までご紹介した中で、何かできることが見つかるのではないでしょうか?

 私はアニマルのInstagramを通じて…今まではこの愛護活動と自分は無関係だと思っていた方々に情報を提供することで、1人でも多くの方に知ってもらい、興味を持ってもらうために、これからもっと自分自身も知識を深め頑張っていこうと思います。

うちに来てくれてありがとう、ごろりん♡
うちに来てくれてありがとう、ごろりん♡

 今の1番の目標は〝殺処分ゼロ”へのムーブメントのきっかけを作ることです!

 令和で殺処分ゼロを目指して…

【関連記事】
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松島花
1989年東京都生まれ。『Oggi』(小学館)、『BAILA』(集英社)、『25ans』(ハースト婦人画報社)、『CLASSY』(光文社)、『ミセス』(文化出版局)などのファッション誌でモデルを務めるほか、CMやドラマにも出演。動物の保護活動に強い関心を持ち、オフィシャルインスタグラムアカウント(@hana_matsushima_official)とは別に保護活動を行う個人・団体を応援するアカウント(@hana_matsushima_animal)を開設している。
この特集について
猫のいる幸せ
3匹の猫と暮らすモデルの松島花さんは、保護犬や保護猫を助ける活動にも取り組んでいます。猫の魅力はもちろん、向き合い方や別れもつづります。
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