愛猫「ごろりん」突然の入院 見通しはかなり厳しいと告げられた

高度医療センターに入院したごろりん
高度医療センターに入院したごろりん

 モデルとして活躍する松島花さんは、3匹の猫と暮らしています。先日、そのうちの1匹“ごろりん”の体調が急変しました。直前まで、いつもと変わらない様子だったのに…。連載12回目は、愛する“ごろりん”前編です。

◇     ◇

 9月24日の朝、私の愛すべき“ごろりん”、わが家のアイドル“ごろりん”が入院しました。

高濃度酸素室に入ったごろりん
高濃度酸素室に入ったごろりん

 前日の23日はもちろん… 24日の朝7時、私が仕事で玄関を出る時もいつものように見送ってくれて…いつもと同じ(はず…)だった“ごろりん”。異変はその後です。

 午前9時過ぎに母が窓際で外を見ていたごろりんをなでていると、「なんだか呼吸が速い」と感じたそうです。

 そのうちにおなかが波をうち、鼻もピクピクさせていて、とにかくいつもと何かが違う!顔つきもどことなく違う!糸のようなよだれも床が濡れるほどに出てきたため、すぐにかかりつけの病院へ連れて行ったそうです。

 いつもと同じようにごろりんに「いってらっしゃい!」をされ、仕事に出かけた私。母がいない時だったら…と思うとゾッとしました。

 病院では、まず血液検査とレントゲン検査をすることになりました。呼吸が速いということから心臓や肺を心配しましたが、心臓と肺に異常はありませんでした。

 でも血液検査の結果でアンモニアの数値が平均値の4倍の400強ありました。肝臓の数値はそれほど悪くありませんでしたが、考えられる中で可能性があるのは“肝性脳症”だと言われました。

 “肝性脳症”と言うのは、肝炎や先天的な肝機能障害など肝臓の病気によって二次的に引き起こされる症状で、神経系が障害されるため、嘔吐、下痢、食欲低下などの他に発作やよだれなどが見られ、血中のアンモニア濃度の上昇が神経系を障害する病気だそうです。

 先生のお話では、気分や行動にムラがあったり、躁状態とうつ状態などが現れる子もいるようです。

 ごろりんは、脳症を起こしている可能性があり、これから発作が起こる可能性があると言うことで24日は入院になりました。

 ここまでのことを全く知らない私は、いつものように「仕事が終わったよー!」と母に電話をしました。

 電話の向こうで母が暗い声で「ごろりんが入院したの」と言ったんです。

 私は突然のことで何のことだかわかりませんでした。だって、いつもと全く変わらない朝だったのですから…。

 ごろりんは本当に変わった猫で、犬のようにどこでもついてくるし、出かける時はお見送り、帰ってくると走って出迎えてくれます。いつもリビングにいて甘えてきて、とにかく行動が突拍子もなく面白い子。こんな変わった猫は初めてです。

 でも見逃していたかもしれない、この病気のサイン。この突拍子もない!性格と思っていたのが、まさに、躁状態だったのかもしれないのです。

 そして、もう一つの兆候は2カ月ほど前から口の周りに出ていたよだれです。少し気になっていましたが、昔飼っていた猫が甘えるとよだれを出す子だったので、ごろりんもそういう子なんだろうなぁと思っていました。

 でもこのよだれも1つのサインだったのかもしれないというのです。その時病院に連れて行っていれば!と後悔しました。

 そして翌日の25日の昼間、アンモニアの数値がまだ平均値に達していないということで、さらにもう1日入院をという連絡が来ました。

 そして26日の昼間、アンモニアの数値が平均値になったということで母とお迎えに行きました。

 だけどお迎えに行くと、ごろりんは私と母のことを全くわからない様子で診察台の上に乗っていました。

 私のことがわからない“ごろりん”。ショックでした。

 先生によると午前中は元気になり鳴いていたりしていたようですが「お迎えに来てください!」と電話した後から急に元気がなくなり“傾眠状態”になっていますと言われました。

 傾眠状態とは、刺激をしないとすぐ眠ってしまうような状態をいうそうです。発作も、軽いものだそうですが、数回起こしているようでした。

 そして、もう少し詳しく調べた方が良いということと急いだ方が良いということで、川崎にある高度医療センターを勧められ予約をしてもらいました。予約は翌朝10時に取れました。

 こちらの高度医療センターは、10年ほど前に愛猫“竹ちゃん”と“梅ちゃん”の輸血ボランティアで行ったことがある病院だったので、安心でした。翌朝かかりつけの病院に迎えに行って、その後高度医療センターへ連れて行き、検査が始まりました。

 ごろりんの状態はかなり悪い状態だということは、先生の話からわかりました。

 途中先生に呼ばれ、MRIの検査をして脳梗塞や脳腫瘍の可能性があるのかも調べたいと言われましたが、MRIの検査をするには動物は麻酔をかけないと検査できません。

 今のごろりんに麻酔をかけるということは、リスクがあるということを承知してほしいと言われました。それはMRIの検査の後、意識が戻らない可能性があるということでした。

 そこで家族みんなで1度覚悟しました。やはりどこが悪いのかわからないことには治る可能性も捨てることだと思い、MRI検査を受けることにしました。検査が終わるまでの時間は、とにかく意識が戻ってほしい!と祈るのみでした。

 先生に呼ばれ、ごろりんの意識が戻っていると聞いた時は本当にうれしかったです。

 そして脳のMRI検査の結果も脳梗塞や脳腫瘍ではありませんでした。…ということは、やはり1番可能性が高いのが、肝性脳症です。

 ただ、これからの見通しはかなり厳しいと言われました。

 肝性脳症かどうかの検査をするのさえも、今のごろりんに出来るかどうか?という状況でした。

絶食・絶水中のごろりん
絶食・絶水中のごろりん

 このままだと発作が起きて、そのまま亡くなってしまうかもしれないし、2カ月位の余命かもしれないと言われてしまいました。

 つい何日か前までは元気で飛び回っていたごろりんが突然こんなふうになってしまうなんて!あまりにも突然のことで信じられず、気持ちがついていけません。

 それからの毎日は、病院に会いに行っても発作止めの薬の影響からか、ごろりんは寝てばかりいました。呼びかけても身体に触っても起きてはくれませんでした。

 それからは、どのタイミングで家に連れて帰るか!を家族で話し合っていました。でも、家に連れて帰る=みとる、ということです。

 私たち家族は、とにかく治る見込みがないのなら1日でも2日でもいいから連れて帰って、声をかけ、触り続け、ゴメズとフェスターにもお別れをさせてあげたい!このまま病院で死なせることだけは絶対にしたくない!という気持ちでした。

 そして、その気持ちを担当の先生に伝えました。

 私たちの気持ちは、わかってもらえましたが…先生からは発作の回数が減ってきているので、もう少し治療を続けさせてほしい、それでも変わらない時は退院という形をとりましょう!と言われました。

 そして、この3日間(10/5〜7)発作が起きていないということで、会いに行くと高濃度酸素室の中で短い時間ですが、目を開けているごろりんに会えるようになりました。

目を開けたごろりんに会えた!!!
目を開けたごろりんに会えた!!!

 ご飯も流動食ですが、少し食べることが出来るようになりました。つい数日前までは、こんな状態になることさえ想像も出来ませんでした。

 ご飯を少しでも食べることが出来て、投薬も口から飲むことが出来て、発作のコントロールが出来るようになれば、家に連れて帰りたいです。

 ただ、悲しいことに、今のごろりんは脳症のために目が見えていないようですし、私たちのこともまだよくわかっていません。

 これからごろりんが、たとえ完治は難しくとも、家で看護出来る日が来ますように!

 無事に退院出来ますようにと、毎日祈るばかりです。

一緒に頑張ろうね、ごろりん
一緒に頑張ろうね、ごろりん

 次回の「愛する“ごろりん”後編」でいい報告が出来るように、ごろりんと一緒に頑張ります。

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松島花
1989年東京都生まれ。『Oggi』(小学館)、『BAILA』(集英社)、『25ans』(ハースト婦人画報社)、『CLASSY』(光文社)、『ミセス』(文化出版局)などのファッション誌でモデルを務めるほか、CMやドラマにも出演。動物の保護活動に強い関心を持ち、オフィシャルインスタグラムアカウント(@hana_matsushima_official)とは別に保護活動を行う個人・団体を応援するアカウント(@hana_matsushima_animal)を開設している。

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この連載について
猫のいる幸せ
3匹の猫と暮らすモデルの松島花さんは、保護犬や保護猫を助ける活動にも取り組んでいます。猫の魅力はもちろん、向き合い方や別れもつづります。
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