救出され、甘えん坊だった保護猫 家族を支える存在に
不妊手術をせずに猫を飼っていると、猫はまたたく間に増えてしまう。そんな中から救出された、甘えん坊なキジトラ猫は、家族を支えるほどの存在として、新しい家にとけ込んでいた。
「くまくん」は、保健所を経て、保護団体「ワンハート大阪」にやって来た。詳しい事情は分からないが、高齢者が不妊手術をしないまま猫を飼っていて、多頭飼育が崩壊し、救出されたのだという。猫は10匹以上いて、糞尿まみれだったそうだ。
くまくんを含む4匹は、同じ預かりボランティア宅に引き取られた。当時、推定2歳だったという。それぞれ個性豊かだったが、くまくんは、おもちゃで遊ぶ時、誰よりも高くジャンプしようとするアクティブ派。そして一番の甘えん坊だったそうだ。
1匹の生活になって変化
大阪府に住むAさんは、実家で猫を飼っていた。結婚して大阪に来てからも、長居公園に地域猫を見に行くほど猫が好きだった。夫妻は猫を飼いたいと思い、保護猫を引き取ることを考えたという。
2017年3月、夫婦でワンハート大阪の譲渡会に参加した。くまくんに決めたのは、膝の上に乗ってきて、目が合った瞬間に「かわいい!」と思ったからだという。くまくんは推定4歳の時、Aさん宅にやって来た。
「ワンハート大阪さんは、困ったことがあるとLINEで相談に乗ってくれるんです。実はくまくんは、預かりさん宅ではキャットフードを食べていたのに、うちにきてから食べなくなってしまったんです。譲渡してもらった時に、預りさんが茹でて持ってきてくれた鶏のささみだけは食べてくれたので、1週間程ささみで様子をみると、慣れた頃にキャットフードも食べてくれるようになりました」
くまくんは保護されていた2年間、他の猫たちと預かりボランティア宅にいたため、1匹になって寂しかったのか、最初は夜鳴きもした。1カ月ほどで治まったが、やはり甘えん坊で、トイレに行く時も、2階に行く時も、いつもついて回るという。
頼れる存在に
そんな甘えん坊のくまくんが、支えになる時があった。
Aさんの夫が長期の海外出張に出た時に、Aさんは体調を崩してしまった。くまくんを連れて、夫の実家のマンションに行って養生したそうだ。環境が変わることで、くまくんがどうなるのか心配だったが、くまくんはずっとそばにいて、話を聞いてくれたという。
当時のことを思い出すと、いまもAさんは涙してしまうという。こうして、くまくんはかけがえのない家族の一員になっていった。
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