最初のお仕置きが甘かった! 猫のぐっぴーが多義語を解説
ぽっちゃり猫の「ぐっぴー」が身体を張って、ちょっと使い方の難しい言葉をゆる~く、おもしろく解説する「ぐ辞苑(ぐじえん)」。一つの単語でたくさん意味がある「多義語」。わかっているつもりでも、使う場面や使い方に迷うことがよくあります。そんな「多義語」の用例を「ぐっぴー」が写真入りで説明します。
第10回は「甘い」です。
(多義語の意味は、岩波書店『広辞苑(第七版)』によるものです)
意味その1:砂糖・あめなどの味がするさま。
用例「バレンタインデーは甘いものが(当然)もらえる日である。」
【解説】 バレンタインデーとは、好きな人にチョコなどの甘いものを贈る、ロマンチックなイベント……ではない。
理由なく甘いものがもらえる日だ。(ぐっぴー談)
しかし、ぐっぴーはダイエット中の身。
今年はいらないかもしれないし、ここでバレンタインデーの行事がなくなればなお良いと思い、当日夜まで甘いものはおあずけ状態にしていたのだが、とうとう夜にしびれを切らしたようだ。
ゴリゴリにねだってきたのである。
ついには押し倒す勢いで迫ってきたため、これはあげないと骨折すると確信し、用意してあった甘いものを差し出したのであった。
こうして今年も無事に、「バレンタインデー=甘いものをもらえる日」となってしまった。
意味その2:ゆるく、締りがない。
用例「引き締めの甘いボディライン。」
【解説】 年初に今年の目標は体脂肪率7%を公言し、即席でバキバキのボディを手に入れたぐっぴー(第9回ぐ辞苑参照)。
しかし、バレンタインデーに甘いものを食べすぎた結果なのだろうか、再び引き締めの甘いゆるゆるボディへと戻ってしまったようだ。
なお、段ボールから出ただけという噂もある。
意味その3:不足があっても認めてくれ、厳しく言わないので、接して楽である。処置がゆるやかである。
用例「お仕置きの判断が甘かったことを後悔する。」
【解説】 ある日、飼い主は入浴中に舐めまわすような太い視線を感じた。
ぐっぴーだ。
覗き魔ことぐっぴーは、正体がばれるや否や、開き直り混浴まで要求してきたのだ。
さすがに恐怖を感じたため、お仕置きを検討。
しかし、初犯ということで、今回はインターネット上にその性癖をさらす社会的制裁という甘いお仕置きとしたのだが、飼い主はこのことを後に後悔することになるだのだった。
意味その4:事を処理するのに考えや力が不十分である。また、そのために事にうまく適合しない。
用例「詰めが甘く、容易に見つかる。」
【解説】 前回のお仕置きがやはり甘かったようで、ぐっぴーはまた覗き行為に手を染めてしまったのだ。しかも、今回は飼い主ではなく、お客さんの入浴シーンを覗くという極悪非道な行為である。
今度こそしかるべきお仕置きを行うべく連行しようとしたが、あろうことかぐっぴーは逃げ出したのだ。
その後捜索を開始して45秒、被疑者ぐっぴーを発見。
詰まっているが、尻の詰めが甘く、このままお縄となった。
意味その5:受け入れて楽しく気持よい。甘美で心とろける思いである。
用例「ぐっぴーとの甘いひとときが明日を作る。」
【解説】 ぐっぴーは、飼い主と一緒に寝る。
飼い主が寝支度をすると、ぐっぴーは腕の中に入り、そのまま眠りにつくのが昔からの習慣だ。
腕の中で幸せそうに喉をゴロゴロ鳴らしながら眠るぐっぴーを見る、この甘いひとときが、飼い主の一日の疲れを癒し、さらに翌日への活力をくれるのである。
sippoのおすすめ企画
「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。