読んだら、新入り猫との生活が円満に! ねこのトリセツシリーズ
『トラねこのトリセツ』『ミケねこのトリセツ』『ブチねこのトリセツ』大石孝雄監修/東京書籍
3冊揃って入荷した“ねこのトリセツ”シリーズ。柄によって性格が違うのは知っているけど、1冊ずつ分けて説明するのはちょっと大袈裟では!? なんて思いながら開いてみたら…、まんまとハマってしまいました。
元々一緒に住んでいるのはトラ猫ですが、この本が入荷した頃、ちょうど我が家に新入りのミケ猫が来た時で…、保護猫カフェのスタッフさんから聞いていた話とまるで違う性格に、私も先住猫も心折れまくりの状態が続いていました。
しかし、入荷したばかりの『ミケねこのトリセツ』を読むと、「実はそうなの!?」と希望を見いだせる情報が出ていて、オロオロしながらもトライアルを続行。日を追うごとにトリセツ通りの性格が少しずつ表れ、「この本侮れない!」と思った次第であります。
そこで私が一緒に住んでいる猫たちを挟みながら、トリセツシリーズをご紹介したいと思います。
食いしん坊で甘えん坊なトラ 『トラねこのトリセツ』
――トラさんと笑お!
オールマイティな性格って、けっこう疲れるんだよね。
そんなトラさんは、だから甘えちゃうし食べちゃうし。
明るいよ、一緒に暮らしやすいよ〜。歓迎、ねこ初心者!
明朗トラさんと暮らしたい――
帯を読んだだけで「そう、そう、その通り!」と大きくうなずいてしまう。食いしん坊で甘えん坊なトラねこ。
ただ、全てのトラ柄が“明朗”かというとそうでもないらしく、毛色を決める遺伝子により性格に違いが出てくるとのこと。
トラ柄はキジトラ(黒、こげ茶系)、茶トラ(オレンジ系)、サバトラ(銀、グレー系)で分類。アニメの「ホワッツマイケル」みたいな「茶トラ」は、おとなくしく、おっとり温厚で、食いしん坊。野生の本能が一番色濃く残っている可能性が高い「キジトラ」は、好奇心旺盛で活発。同じトラ柄でもグレーがかった「サバトラ」は臆病な性格が多い。
あくまでもこれらは統計上の話ですが、確かにおっとり食いしん坊なイメージがあるのは「茶トラ」で、キジトラやサバトラは筋肉質ですっとしたイメージがあります。
ここに、白が混ざってくるとどうなるか。
私が一緒に暮らしている、初代猫店長のリクオやリクジロウは、分類するなら「茶トラ」ですが、白がプラスされています。
――白は自然界で目立つ色なので、生き延びるのが大変。そのため警戒心が強くなったり、臆病になったりする可能性が高い――
リクオは、茶トラ+ちょい白で、「茶トラ」の解説通り、猫暮らし初心者にも安心の、おっとり温和な性格でした。彼にシャーと言われたり、爪を立てられたりしたことはほとんどなく、「猫暮らしって、こんなにラクなの!?」と思わせてくれる男の子でした。
しかし、2代目猫店長のリクジロウは、白地にトラ柄という「白トラ」で、白の特性、警戒心が強く臆病さが目立つ男の子。
リクオは誰が来ても、人見知りすることなくスリスリゴロンとしてくれましたが、リクジロウは人見知りが激しく、部屋に誰か来るとベッド下に籠城。子猫の頃から、飼い主の私に甘々ベタベタなところは“The茶トラ”ですが、決しておっとり温厚ではないので、それは白の特性ということなのでしょう。
同じ茶トラなのになぜこんなにも違うの?と思っていましたが、『トラねこのトリセツ』でその謎が解けました。
プライド高いお嬢様気質のミケ 『ミケねこのトリセツ』
――ミケさんと泣こ!
女王さま、ツンデレ……そんなミケさんに転がされたいと思う人、
ねことゆっくりゆっくりスローダウンしたい人。
甘やかしたいor甘やかされたい……にゃ〜、どっちもオッケー!
人気のミケさんと暮らしたい――
ミケ柄はプライドが高くお嬢様気質というのが一般的なイメージだと思いますが、実際もそんな性格のようです。小柄なボディで運動能力が高く、飼い主の思惑通りにはなかなかならない…というのは、人間の女子にも通じるところがありますよね。
保護猫カフェから我が家に来た1歳のミケ女子。保護猫カフェにいた頃は、どんな新入り猫にもマイペースに対応出来る看板娘と聞いておりましたが…我が家に来たら、豹変してシャーシャー女子に!
トラ柄の甘々男子としか暮らしたことがなかった私は「シャーシャー」状態にまずビックリし、ご飯もお水もトイレもオール拒否の「ハンスト」状態に終始オロオロ。
そんな心が折れまくった1週間をどうにか乗り切り、触れないものの、目が合ってもシャーシャー言われなくなった頃、入荷してきたのが『ミケねこのトリセツ』でした。
――感情表現が控えめでマイペース。甘えたい時もオスのようにストレートにそれを出さないため、ツンデレで言われることも。実は甘えん坊――
そう、彼女が何を求めていて、何に喜んでいるのか、本当に分かりづらく、なるべく怒らせないようビクビクしながら接していました。しかし、元々持った性質が、感情表現控えめで、しかも、実は甘えん坊。そうであるならば、そんな甘えん坊な彼女を見ないままトライアルを終えるのはもったいない。
というわけで、解説文にうまいこと救われ、そのままトライアルを続行しました。
本当は正式譲渡が決まってからと思っていましたが、あまりにシャーシャーだったので、「Smile」と書いて「すみれちゃん」という名前をつけました。そこからジワジワと距離が縮まり、今ではしつこくスリスリしてもらえるように。
相変わらず、解説通りツンデレなので、リクジロウのようなベタベタには程遠いですが、私へのシャーは無くなりました。ちなみにリクジロウはしつこく付きまとうので、毎日すみれちゃんにシャーシャー威嚇されています。
『ミケねこのトリセツ』ではサビ猫についても解説しています。
私の周りでサビ猫との暮らしを楽しんでいる人は割と少なく、猫暮らし上級者に多い傾向があります。実際私も、猫本屋をやり始め、猫に詳しくなってから、サビ柄の魅力に惹かれるようになりました。
ちなみに、ミケ柄とサビ柄の遺伝子はよく似ているが、統計的に見ると、従順や社交性は低いとのこと。そのため互いの距離感をしっかり確保し、大人の猫暮らしをしたい方には相性のいい柄かもしれません。
コミック「くるねこ」に出てくるサビ柄の「ぽっちゃん」も、うぇいうぇい言いながら超マイペースっぷりを発揮していますよね。群れを嫌い、ひとりでいることを愛する猫…という感じでしょうか。
色の配分で性格が変わる? 『ブチねこのトリセツ』
――ブチさんと悩も!
白黒つけられない性格。あ、あなたも?
だからこそ、相性の幅はあるんだよ〜。
ブチさんは、そんなあなたにぴったり!ねこも人も一緒一緒。
謎のブチさんと暮らしたい――
ブチ柄のトリセツには、日本人に大人気の「ハチワレ」柄も入ります。特に白黒のハチワレ柄はとても馴染みのある柄のようで、猫グッズも「白黒ハチワレ」がダントツ人気で売れています。
ブチ柄の性格を構成するのは白と黒が持つ特性となるようです。
野生の世界で目立ってしまう白猫はサバイバーとしての賢さを持っている。そのため警戒心が強く、神経質な子が多い。
黒猫は好奇心旺盛な甘えん坊。
白、黒両方の性格を持ち合わせたブチ柄は、色の比率により性格も変わってくるといいます。
ハチワレや、ブチ柄は、色(柄)の配分により性格がバラエティ豊かになり、傾向が見いだしづらいとのこと。もし、住宅事情や先住猫との相性が気になる場合は、性格がある程度分かっている成猫さんを迎え入れるという手もあります。
ちなみに、コミックエッセイやSNSなどで人気のブチ柄は、個性的でマイペースな子が多い気がします。俊敏な行動で飼い主を翻弄するというよりは、個性的な見た目に加え、ユニークな仕草で魅了する!みたいな。持っている個性を発揮して、毎日ほっこり楽しませてくれる、そんな特性を持っているのがブチ柄さんなのでしょうね。
統計では分からない個性いろいろ
ここまで紹介してきた3冊のトリセツシリーズは、遺伝子や統計から見た性格の情報だけでなく、作家さんや漫画家さんなども参加し、様々な角度から、トラ、ミケ、ブチを解説しています。
とはいえ、ねこも十猫十色、一緒に暮らす人や環境で、統計とは違う個性が発揮されてくると思います。ぜひ、飼い主さんだけが知っている「うちの子トリセツ」も作ってみてください。
東京書籍/大石孝雄監修/A5版ソフトカバー/1200円+税
sippoのおすすめ企画
「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。