来客に大ビビりの猫、一日中飼い主の後を追ってオドオド…

リラックス中のモモ。「お客さん、怖いから来ないでね」
リラックス中のモモ。「お客さん、怖いから来ないでね」

 普段の我が家では、猫たちは我が物顔で過ごしていますが、ひとたびお客様が訪れると、一瞬にして緊張感が走ります。

 先日、給湯器の調子が悪くなり、ガス機器修理の方が見に来てくれたときのこと。

“ピンポ~ン”

 というチャイム音だけで、すでにビビって右往左往する大ビビりのキジトラ猫モモ。

 客人が家に入ってこようものなら、玄関から最も遠くて、見つかりにくい場所を探して隠れてしまいます。

 一方、来客に対して恐怖心のないサビ猫あんずは、最初は警戒しつつも普段通りに過ごします。

 俳優の六角精児さん風のガス修理の方が風呂場へ進むと、キャットタワーで箱座っていたあんずと目が合ったようでした。

「あれれっ! かわいい~~」

 美形とは言い難いサビ猫のあんずを見て、第一声が「かわいい」ということは、猫好きの方のようです。

私「あんずー良かったね、かわいいって」

六角「実家に猫3匹いるんですよ。いや~かわいいナァ」

あんず「ンナー」

 かわいいと連発しつつ、無理にさわろうとはしないところも、猫との付き合い方に慣れている方ならでは。初対面ながら好感が持てました。

かわいいと言われてご満悦?のあんず
かわいいと言われてご満悦?のあんず

 すぐには修理ができない問題があったので、ほんの2~3分の滞在で、六角さん(仮名)は帰っていきました。

 その後、モモは1時間経っても隠れた場所から出てきません。

「モモちゃ~ん! もうとっくにいないよー」

 と声をかけても、何の物音もしません。ものすごく暑い日だったので、冷房をかけていても、暑い場所かもしれない、と心配になり、モモを捜索。

 すると、夫の机の下にある箱の裏側のさらに向こう側、みたいな込み入った場所に隠れていました。

「モモちゃん、もう大丈夫だから出ておいで」

 そう言って、箱をどけてあげると、恐る恐る出てきてくれました。

 六角さんの来訪は、あんずにとっては何てことのなかった一方で、モモにとっては、一大事だったようです。

 翌日、マンションの火災報知機の点検に、男性作業員が2人来た時はさらに大事でした。

 六角さんのときは、玄関から風呂場へと短距離でしたが、火災報知器の場合は、室内にいくつかあるため、作業員は部屋中を歩き回ることになります。

 キッチン、トイレ、風呂場、リビング……1つ1つ点検をしながら、歩き回る作業員2人。モモはどこかでブルブルと震えているのかもしれません。ビビり猫って、かわいそう…。

「こちらで点検終了です」

 作業量は多そうでしたが、やはり数分で完了しました。

 猫好きの人が数分来ただけで1時間出てこなかったのだから、作業員2名が家中を歩き回ったら、一体どれだけ出てこられないのだろうか…。

 私の心配をよそに、10分ほど経つと、どこからともなくオドオドしながら出てきたモモ。

「あらっ! モモちゃん、今日は大丈夫だったの?」

 そう声をかけると、警戒心満々の様子でキョロキョロしながら、私の傍にやってきました。

 その後もモモは1日中、私が席を立つと不安げについてきて、私のそばを離れずに過ごしました。これはこれでかわいいんだけど…。

 来客が怖い、というのは分かるけど、今までに来客に何かされたとか、実害があったことは一度もないはずです。それなのに、モモはいつまでビビり続けるのか…。きっと、実害のあるなしの問題ではなく、もうビビることは刷り込まれているのでしょうね。せっかく安全なイエネコなのに、ちょっぴり損な性格です。

(ヤスダユキ)

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この連載について
猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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