愛猫が内弁慶だった! 強気で命令する相手は、飼い主だけ
活発で自己主張の強い、我が家のサビ柄猫・あんずですが、実は“内弁慶”であったことが判明しました。
判明したから何なのだ、とツッコミを入れたくなりますが、それによりあんずへの愛情が爆発してしまい、誰かに言わずにいられない状況に、お付き合いいただければ幸いです。
内弁慶、つまり家の中でのみ威勢が良いことを指します。猫とは、縄張りのある生き物なので、大体の猫はそれに当てはまるのでしょう。
しかし、飼い主の私たちの前でだけ、遠慮がなく、強気で無邪気な様子を見せるのだということが分かると、「ああっ! これが猫の内弁慶だ! かわいい!!」と感じることができ、たまらなくなりました。
あんずが外に出ることはまずないので、“よその人”に対して内弁慶が発揮された出来事がありました。
最近、母が我が家に来ることが以前より増え、定期的に猫とも会うようになりました。
人好きなあんずは、母が来るたびに足元にスリスリして“なでて”アピールをするのですが、先日は2か月連続で来た母に「あっ、なでてくれる人が来た!」とばかりに大喜びし、早速甘えにやってきました。
来た直後にちょっとなでてもらうだけでは飽き足らず、思う存分なでてほしいと考えたあんずの作戦は実に巧妙(?)でした。
母がソファで一休みしていると、少し離れたところで母を見ながら、首をかしげて「にゃぁ」と小さくひと鳴き。
母「まー、かわいい声出しちゃって」
母の顔がほころぶと、“しめた”とばかりに、あんずは少し遠回りして母の横までトコトコ歩いてきます。
母の傍らに到着すると、また「にゃ~」と、か細い声でひと鳴きし、小さいお手々を太ももにそっとかけ、頭を差し出します。
母「あらあら。なでてほしいの?」
あんずの愛らしい様子に母は完落ちし、頭から全身をなでまわします。すると、あんずは喉をゴロゴロ鳴らしまくって、母の太ももの上を陣取り、思う存分なでてもらいます。
母「あらまー、懐っこいのねえ」
それを見た私は、プチ衝撃を受けました。「いつもと全然違うじゃないか! あんずよ!!」と。
あんずは、私と夫の前では、常に自らの存在を強くアピールし、“叶えたい要求”があると、なるべく大声で何度も鳴きます。小さく、か細く鳴くときは、満足しているときや、眠いとき、安心しきっているときに限ります。
特に要求がなくても、自分が起きると、ひと伸びした後すぐに、大声で鳴きながらすり寄ってきて、“私は起きました! ここにいますよ!! 何かあったらすぐに応えてちょうだいね?”とばかりに自己主張をしてきたりします。
キジトラ猫のモモの場合は、臆病がゆえ、飼い主の前でさえも“自分の存在を消したい”と思う時間もあるようなのですが、あんずは控え目なところは一切ない、活発な猫なのだと認識していました。
それが、親族とはいえ、猫にとっては他所の人である母に対しては、“甘えん坊だけど控えめな私”を演じるなんて……。いや、演じているというより、他所の人にはあまり主張をしないようにしているのかも。何それ!? これって内弁慶? かわいい! たまらん!! と身もだえしたというわけです。
まぁ、たまにしか来ない人の太ももの上に乗っかる時点で、そう控え目でもないんじゃないか? という意見もあるでしょうが……。
小学生の頃、教室ではほとんど話さない大人しい女の子が、放課後のスーパーでは一緒にいたおばあちゃんらしき人に、何やら大声で命令していたところを目撃し、「ああ、あれが内弁慶なのだ」と単語の意味をはっきり理解したことを思い出しました。
あんずよ、これからも、飼い主にだけ、強気で命令しておくれ……と、下僕ぶりに拍車がかかった飼い主なのでした。
(ヤスダユキ)
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