猫をかぶっていた? 家になじんだ途端に、子猫が大暴れ!

ドキドキのトライアル期間が終わり、無事に子猫「はっぴー」が正式譲渡された。家にも慣れて、年の差がある先住猫とも少しずつ距離が近づいて、よい感じ……と思いきや、試練が待ち受けていた。子猫が元気すぎて、先住猫と人が眠れない!
◇ ◇
「ずいぶん大きくなったね。雰囲気も変わってる」
久しぶりに「はっぴー」に会った友人が驚いたように言った。トライアル以来、約一か月ぶりの再会だったが、変化は確かに大きかった。
「顔がしっかりしたでしょ?」
「というか、強そうになった」
そうなのだ。「はっぴー」は、一緒に天井から落下して保護された兄妹の中でも一番小柄で、どこか弱々しい感じだったが、我が家に来てからの変貌ぶりはすごかった。よく食べて、体力がつくと同時に、動きも活発になった。

ケージ越しに先住猫の「イヌオ」と触れ合うことも増えたので、トライアルの途中から2匹で過ごす時間を増やしていった。ごはんを並んで食べたり、自分の指をしゃぶりながらイヌオにもたれかったり。
だが、「はっぴー」は予想外の動きもした。いったん“スイッチ”が入ると、制御できない。私もイヌオも唖然!
覚醒したようにダーッと走り回り、勢いをつけて椅子から棚へと飛び上がり、棚の上の物をバンバン前足で落としていく。写真立て、本、時計……。
落とすものがなくなると、イヌオに飛びかかって、首のあたりをガシガシ噛む。イヌオは「ヒーッ」と廊下に逃げていく。追いかけて廊下に出ても、バタバタ、バタバタが止まらない。

「子猫とはそんなもん」と友人にいわれたが、私が以前に飼った猫たちは、子どもの頃、ここまで激しくなかった。「はっぴー」が預けられていたボランティアに、念のために以前の様子を聞くと、「普通ですよ」という。
「きょうだいとよくじゃれあっていましたが、1匹だけ攻撃的ということもなかったし、むしろ元気なメスたちに押され気味な、控えめな頑張り屋さんというイメージでした」
本性を隠しておとなしそうに見せることを“猫かぶり”というけれど、今では殻をやぶってスパークした感じだ。
もっとも、こちらの年齢もあるのかもしれない。中高年の自分にとっては子どもというより、むしろ孫に近いかも。10歳を超えたイヌオにとってもそうだ。エネルギーに満ちた子猫を迎えるには、こちらにも相当な体力が必要になるのだと、あらためて感じることとなった。

ひとしきり大暴れした「はっぴー」をケージに入れると、何事もなかったかのように、ハンモックで眠りはじめた。さっきは一瞬、悪魔にみえた顔が、また天使に戻っていた。
sippoのおすすめ企画
9/26-28@東京ビッグサイトで開催!ほかでは出会えない1万人のペット関心層が来場