「要求吠えはダメ!」としつけたら… 愛犬が編み出した作戦

乳腺腫瘍の手術の後、ようやく抜糸しました。傷口もキレイになったので、久々のサロンでシャンプー♪
乳腺腫瘍の手術の後、ようやく抜糸しました。傷口もキレイになったので、久々のサロンでシャンプー♪

 愛犬の手術後、抜糸まで約1カ月。「術後」に思いのほか時間がかかってしまい、そんなこんなでバタバタしていたら、いつのまにか「記念日」がすぎちゃった!

 

(末尾に写真特集があります)

 

 10年前の8月10日。愛犬「ぷりぷり」がわが家にやってきた日です。うちの子になってもう10年も経ったのかぁ……と、なんだかしみじみ。


 あのころ。人生初ワンコということで、育児本ならぬ「育犬本」を何冊も取り寄せました。「トイプードルの育て方」とか「愛犬をいい子に育てる」とか、そんな感じの本だったと思います。


「ちゃんとしつけして『いい子』に育てるザマス!」


 鼻息荒く教育ママ宣言! ……実際は、わが家に来たその夜、ぷりが下血してパニクり、心配しすぎてスーパー過保護母になってしまいましたが。


 でも、基本的なしつけはちゃんとせねば。最優先は「吠えないこと」。マンション暮らしなので、ご近所迷惑にならないためにも外せません。育犬本によれば「要求吠え」なるものがある、と。


「お散歩に連れてって!」「ごはんちょうだい!」「遊んで!」。


 そういう要求をして吠えるワンコの言いなりになっていると、「吠える=言うことを聞いてもらえる」と理解し、なんでもかんでも吠えて要求するわがままワンコなってしまうとか。


 対処法は、吠えたら一切無視すること。「吠えても要求はかなわない」とわからせ、その上で静かにしていれば、ほめて、聞いてあげられる要求は聞いてあげる。ほほぅ、なるほど。でも、そんなにうまくいくのかな?


 子犬時代のぷりは体調がよくなかったこともあり、おとなしかったけれど、ケージから出してほしくて「ひゃんひゃん!」、遊んでほしくて「キュンキュン」と、いっちょまえに「要求吠え」もしました。


 つい「はいはい」と聞いてしまいそうになる初心者母でしたが、心を鬼にして知らんぷり。無視するって結構しんどいけど、グッとこらえる。


 すると、ぷりはやがて吠えるのをやめ、静かにじーっと待つように。すごい! やればできる子~♪


 今はインターホンに反応してワンワン吠えるぐらいで(これは阻止できず10歳に至る)、ぷりは基本的に吠えない子に育ちました。母のしつけの勝利!……いえいえ、敵もさるもの。頭脳派ぷりぷりは、別の要求方法を自ら編み出したのです。


 その名も「要求鼻息」。


 ペロンとおなかを出して「ふん!(なでて~)」


 おもちゃを持って来て「ふんっ!(投げて投げて)」


 おなかが空いたら「ふんふんっ!(クッキーちょうだい!)」


 ……と、一切吠えずに鼻息のみでアピール。勢い余って、ときどき鼻水?らしきものが飛んでくることも(笑)。


 吠えてないから怒ることもできず、必死に鼻息を出している姿がおかしくて、思わず噴き出しちゃう。で、おなかをなで、おもちゃを投げ、えーい、クッキーもあげちゃえ!


 なんだか術中にはまっている気もしますが……。ま、いっか。しつけバッチリの「いい子」にはならなかったかもしれないけど、ぷりの「要求鼻息」は、わが家の楽しいコミュニケーションになっています。

中津海麻子
フリーライター。「酒とワンコと男と女」をテーマに、ワインや日本酒や食、ペット事情、人物インタビューなど幅広く取材、執筆。JALカード会員誌「AGORA」、同機内誌「SKYWARD」、「ワイン王国」「朝日新聞デジタル &w」「好書好日」などに寄稿。

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この連載について
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