無力ではないと信じて… 犬猫の殺処分なくすため勉強会
小説家の林真理子さんが幹事長を務める文化人団体『エンジン01文化戦略会議』に私も入れていただいていることは、度々書かせていただいています。
その中に、作詞家の湯川れい子さんが委員長の「動物愛護委員会」があって、委員の一人であることも何度か書かせていただいています。
先月、その『エンジン01~』のメンバー、百数十人と共に、茨城県水戸市に行ってきました。年に一回のペースで行われる「オープンカレッジ」の開催地が今回は水戸だったのです。
そのオープンカレッジでは毎回、「われら動物愛護委員会」という講座をもたせていただいています。今回の登壇者は、湯川れい子さん、経営戦略コンサルタントの堀紘一さん、作曲家・編曲家の小六禮次郎さん、メニコン社長で一般社団法人・日本コンタクトレンズ協会会長の田中英成さん、私。そして飛び入りで……というか超スペシャルゲストで女優の倍賞千恵子さんが参加してくださいました。
倍賞さんは小六さんのパートナーでいらして、スケジュールが空いたということで、急きょの参加となりました。
そして、もうお一人、オープンカレッジの「動物愛護委員会」の講座では、地元で動物愛護活動を熱心になさっているゲストの方をお招きしています。飯塚みどりさんです。
飯塚さんは、たくさんの紙資料と、大きな大きな紙芝居をイーゼルと共に持参してくださり、丁寧に説明してくださいました。
「あんまり成績がよろしくないなぁ」とは、その資料をご覧になった堀紘一さんの弁。「茨城県における犬および猫の殺処分頭数の推移(犬)」という表では、過去5年間、ワースト1位、1位、2位、2位、2位…という結果が並んでいます。
もう一つ、都道府県別「迷子の犬」が自宅に戻れる返還率という棒グラフ(平成26年度)でも、茨城はワースト1位。東京では77.53%(つまり100頭収容されて、迷子の犬が77頭、家に戻れている)に対し、茨城では、7.13%。わずか7頭しか戻れないのが「現状」だといいます。
今回の講義には200人近い方々が着てくださり、教室は満杯でした。つまり、動物愛護に関心をもたれている方々は茨城県内や水戸市内に、大勢いらっしゃるのです。
とはいえ、こうしてデータにしてみると、件の堀さんの言葉のように、圧倒的な“成績の悪さ”が目立ってしまっています。
もちろん、県としても、「動物愛護管理推進計画」をたて、「譲渡の推進」「地域猫活動の支援」「動物愛護意識の啓発」などに取り組んでいるといいます。
飯塚みどりさんは、講義中、持参してくださった紙芝居を見せてくださいました。親子3匹で保健所に連れてこられた犬の“それから”を描いた実話でした。飯塚さんがどれだけその紙芝居を多くの場所でやっていらっしゃるかがわかったのは、その力強い発声と、「女優さんをやっていらしたのですか?」と言いたくなるような表現力と説得力でした。それは、“本業”の倍賞千恵子さんが涙を流されるような感動的なものでした。
もう一つ、飯塚さんが持参されたのは、かわいい犬と猫の2種類のポストカード。かなりの枚数をお持ちくださいました。
でも、よく見ると、彼らはとても悲しそうな目をしています。「殺処分されることが決まった犬や猫の“生きた証”を残してあげたくて、プロのカメラマンさんと共に撮影しています」と飯塚さん。ポストカードは「もっと、生きたかった。」「忘れないで 生きていたこと 捨てられたこと 殺されたこと」というコメント付きでした。
残酷だから見たくない…という方もいらっしゃるかなと思いましたが、「これが現実」「しっかり受け止めたい」「みんなで力を合わせて、不幸な動物たちを少しでも減らしていきたい」とおっしゃり、会場を後にされた方が大勢いらっしゃいました。
「動物愛護委員会」の活動で、お目にかかる方たちからは、毎回本当に勉強させていただくし、優しく背中を押していただきます。
微力だけど無力ではない……。この言葉を胸に私も頑張っていきます。
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