捨て猫の「育ての親」3人集合

しあわせそうに眠るモモ。左はあんず
しあわせそうに眠るモモ。左はあんず
 

 我が家の猫・モモは、捨て猫でした。

 

 植え込みで鳴いていたところをマダムAさんが保護して、1~2週間、世話をしたそうです。その後、Aさんは里親捜しをしてくれるNPO団体に預けましたが、その後もずっとモモの様子を気にしていました。

 

 なぜそれを知っているかと言えば、NPO団体の掲示板で、私はAさんとやりとりをしたことがあったから。

 

 掲示板には、里親募集はもちろん、猫たちが無事に引き取られた様子が報告されています。

 

 「モモの里親になりました」という話と、我が家に来たときの写真を載せたところ、Aさんは「一安心した」と書き込んでくれて、掲示板上で会話することができたのです。

 

 すると、Aさんから「元気になったモモちゃんの様子を、ぜひこの目で見てみたい」と言われました。

 

 モモは我が家に来たときですら、カビ菌のせいで耳が膿んでいたし(その後完治)、風邪でのどがやられて、かすれ声しか出ませんでした(今は、高い声以外は出る)。

 

 その2~3か月前、Aさんに保護されたときは、もっとやせて、ぼろぼろで、虫の息だったというので、ちゃんと育つか、と心配されていたのでしょう。

 

 母心って、1~2週間で生まれるんだなぁ。Aさんって、優しい人だな……と、私は暖かい気持ちになりました。

 

 Aさんにモモを見せたいという思いもあったし、モモの一番小さい頃を知っている人に、拾った時の話を聞きたいとも思ったので、家に来てもらうことにしました。

 

 日曜の昼下がり。NPO団体代表の方と一緒にAさんはやってきました。

 

「ピンポーン」

 

 この音が鳴ると、毎度モモは一目散にソファや机の裏に隠れてしまいます。

 

 2人が家に上がると、もう一匹の猫・あんずは、最初はそわそわしていたけれど、NPOの方にすぐにじゃれ始め、ゴロゴロ言い出しました。

 

 この方が2匹を2~3カ月世話していたわけだし、少しは覚えているのかな? それとも、NPOの方が猫の扱いに慣れているからかな?

 

「あんずちゃ~ん!」

 

 NPOの方も、あんずの元気な様子を見られて嬉しそう。

 

 いや、あんずは、子猫の時からずっと元気なので、心配いらないんです。

 

 肝心なのは、モモですよ。Aさんはモモに会いに来たのですから。

 

 モモの寝床には、Aさんがモモにあげたタオルを置いていたので、それを見ながらモモが拾われたときの話で盛り上がりました。

 

 せまい我が家は、すっかり和やかムードに満ちあふれていたのですが……いっこうにモモは出てきません。

 

 元捨て猫モモと、命の恩人Aさんの感動(?)のご対面は、また次回に。

 

(ヤスダユキ)

 

sippo
sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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この連載について
猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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