愛犬との「距離感」 獣医師の言葉にへこむ

在りし日のピン
在りし日のピン

 ピンが旅立って1週間ほどしたころ、お世話になった動物病院にお礼の品を持ってあいさつに行かせていただきました。

 この動物病院には獣医師さんが何人もいるのですが、ピンがお世話になった先生は主に2人。ほかにもよく話をさせていただく先生が2人。そして最期の1カ月、たまたま当直でピンをよく診てくれた若い女性の先生がいらっしゃいました。

 ピンを動物霊園に連れて行く日も病院にはあいさつに行ったのですが、お一人だけ会えなかったのが、その若い女性の先生でした。でも、1週間後のあいさつのときにはその先生にもお目にかかれて、葬儀のときの写真をお見せすることもできました。

 そのとき、その先生に言われた一言が、つい最近までずっと引っかかっていました。それは、「私、ママ(私のこと)とピンちゃんの距離感がとっても好きでした」という言葉。

 直後からずっと、冷たい飼い主だと言われたようで、(あんなにかわいがっていたのに)(海外旅行に一度も行かず、仕事の合間にもすぐ家に戻って一緒にいたのに)(告知を受けてからの1年2カ月、あれほど頑張って一緒に通院していたのに)など、うらみ節のようなフレーズが頭の中を駆け巡りました。

 実は動物病院では多くの先生から、こんな言葉も言われていました。

「ママは忙しいから……」

 だから、「頻繁に来なくて大丈夫ですよ」と、先生たちは私を気遣ってくださっていたのだと思います。

 でも私は、特に最期の1年2カ月は、ピンのことを最優先にして行動していたという自負がありました。なので、そう言われる度に、「いえ、ピンのことがいちばん大事なので。いつでも来ますし、やるべきことは何でもやりますので、教えてください」と先生方にお願いしていました。

 そんな私のことをよくご存じなかったから「距離感」とおっしゃったのでしょうか……。とにかく私は、その言葉に凹まされました。

 ピンを飼い始めたとき、犬に関する知識がほかの飼い主さんよりなかったことは認めます。でも、一生懸命、勉強したし、精いっぱいのことはやってきたつもり。

 とはいえ、最期の1年2カ月、待合室で何度も聞いた「抗がん剤治療」という言葉と向き合っているほかの飼い主さんに比べたら、やっぱり私はのんきな飼い主だったのかもしれません。

 私がほぼ毎週、待合室でお話をさせてもらっていた柴犬のココちゃんのママは、きれいな姉妹と、そのお母さまで、毎回3人で病院にいらしていました。偶然、ウチのココと同じ名前だったことと、いつも抗がん剤治療にいらしていたことから、会話を交わすようになったのです。

 彼女たちは「闘病記」をキチンとつけていらして、先生から言われたことを全てメモしていました。そして「ウチはもう3度目なんです」と。つまり、リンパ腫が発症して、完治しては再発し……というのが3度だというのです。

 しかも、ココちゃんはピンと違って、食欲がなかったり、ぐったりしたりすることが多いのに、トイレは外でしかしてくれず、抱っこをして外に連れて行って、トイレをさせてまた戻ってくる……というのを一日に何度もしていると言っていました。

 そういう飼い主さんに比べたら、私はやっぱりダメな飼い主だったし、冷たいところがあったのでしょうか……。


 その答えが、つい最近見たテレビ番組で明らかになったのです。

山田美保子
1957年生まれ。青山学院大学卒業後、ラジオレポーターを経て、放送作家、コラムニストなどを務める。「踊る!さんま御殿!!」「ノンストップ!」などを構成。ほかに雑誌、新聞、WEBに連載多数。

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