ペットロスを回避するには 帰ってきた「ピン」

 ピンが悪性リンパ腫の告知を受け、旅立つまでの1年2カ月、仕事先でもその話ばかりをしていたせいか、いまでも仕事仲間から「大丈夫?」と心配していただく機会があります。


 ピンが旅立ったことは本当に本当に悲しかったし、いまでも「ピンに会いたい」という気持ちが時々私に襲いかかります。そして思い出すのは、どうしてもっと早く動物病院に会いに行ってあげなかったんだろう……という、最期の日の午後のことなのです。


 これが世に言う〝ペットロス〟なのでしょうか……。


 でも実は、ピンが亡くなって、いつまでも泣いていたのは私ではなく夫のほうでした。私が仕事中、LINEで「また泣いています」というメッセージと共に在りし日のピンの画像を何枚も送ってきたことが、何度あったでしょうか。私のほうが遅くに帰宅すると、家の中がお線香でモクモクしていたことも1度や2度ではありませんでした。


 そんな彼が、ネットで検索して注文したのが、「リズニーベア」さんという亡きペットに似せたぬいぐるみを製造してくれる会社でした。ペットが亡くなると、こうしてソックリなぬいぐるみを注文する方。石像を注文する方。なかには剝製にする方もいらっしゃいますよね。

 

 正直、私は、あまり、そういうことに興味がなく、もう30年近くも大切にしているスヌーピーのぬいぐるみにピンの首輪をつけ、「ピンちゃん」として抱きしめたり、声をかけたりしていたのです。そっくりすぎるとまた悲しくなる……という思いがありました。


 でも夫はあきらめず、リズニーベアさんと計50通にもわたるメールのやりとりをしながら、その都度、「耳はこれでいい?」「尻尾は?」「毛の色はどっちだと思う?」と私に確認してきました。


 確か昨秋からメールのやりとりをしていたので、完成までには半年以上かかったでしょうか。


 果たして、届いたのが、今年2月のある日曜日の朝。上の写真のぬいぐるみです。ポーズまで夫が綿密に打ち合わせしていたので、特に若い頃のピンにそっくりでしたし、何よりもこの子、体に「ただいま」というカードをつけてきたんです……。涙が止まりませんでした。


 スヌーピーからピンの首輪を外し、ぬいぐるみとして我が家に帰ってきてくれたピンの首につけてあげました。


 すると、妹犬のココが、そのぬいぐるみの傍らでおなかを出したのです。ピンがいなくなってから、私たちの愛情を独占できて喜んでいたかのように見えていたココもまた、寂しい日々を過ごしていたのだとわかった瞬間でした。


 ピン(のぬいぐるみ)は生きていたときと同じく、昼間はリビングのソファで。夜はベッドの真ん中で私たちと一緒に過ごしています。


 あまり乗り気ではなかった〝ぬいぐるみ〝でしたが、いまでは亭主に、そして、リズニーベアさんに心から感謝しています。

 

 
山田美保子
1957年生まれ。青山学院大学卒業後、ラジオレポーターを経て、放送作家、コラムニストなどを務める。「踊る!さんま御殿!!」「ノンストップ!」などを構成。ほかに雑誌、新聞、WEBに連載多数。

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