動物に優しい選択をするためのガイドブック『JAVAコスメガイド』
動物に優しい選択をするためのガイドブック『JAVAコスメガイド』

最新版『JAVAコスメガイド』が完成 動物実験していない化粧品を選ぼう!

 普段なにげなく使っている化粧品やシャンプー、洗剤などの製品は、私たちの生活を支え、豊かにしてくれます。しかし、こういった製品のために、人知れず動物たちが犠牲になっていることをご存知でしょうか。

化粧品の動物実験とは

 口紅の成分が口から体内に入ったり、シャンプーが目に入ったり、クリームが肌からしみこんだりしたときに、その化粧品の成分が、私たち人間の体にどんな影響を及ぼすのか。これらを調べるために、化粧品の成分である化学物質を、ウサギやモルモット、マウス、ラットといった動物たちの皮膚に塗ったり、目に入れたり、強制的に食べさせたりして、その毒性を調べる動物実験が行われています。

化粧品の成分の刺激性を調べる実験に使われるウサギ。毛を剃ったウサギの皮膚(場合によっては、わざと損傷を与えた皮膚)に化学物質を塗り、刺激や腐食の程度を観察する(CFI提供)

 動物たちは、痛くても苦しくてもそこから逃げることはできません。実験が終わっても、健康な体に戻ることなく、すべて殺されて、廃棄処分にされます。

動物に優しい選択をするためのガイドブック『JAVAコスメガイド』

 JAVAは、このような残酷な化粧品の動物実験をなくしていくため、35年以上前からさまざま活動を続けており、その一環として『JAVAコスメガイド』という小冊子の発行も行っています。

 JAVAコスメガイドとは、JAVA独自のアンケートによって、化粧品メーカーなどを、動物実験を「していない」「している」に分類した“動物たちに優しい化粧品や日用品を選ぶためのガイドブック”です。1998年にVol.1を発行、2024年11月25日に最新版の『JAVAコスメガイド』Vol.6が完成しました。

『JAVAコスメガイド』では、「動物実験していないメーカー」の商品を選べるようリストを掲載している

 JAVAコスメガイドの「動物実験していないメーカー」の数は、Vol.1を制作した98年(58社)から増え続け、最新版では過去最多の255社となりました。ここ約10年の間に、化粧品の動物実験に反対する消費者の声は一層高まり、大手化粧品メーカーも次々と日本国内での動物実験廃止を宣言。さらには、メーカーが消費者にアピールするため、動物実験していないことを自社ウェブサイトに掲載するまでに至っています。

EUをはじめ、多くの国々で化粧品の動物実験が禁止に

 海外では、動物実験反対の世論の高まりを受けて、2013年にEUが化粧品に対しての動物実験を禁止しました。その後もインド、ノルウェー、アイスランド、トルコ、ニュージーランド、台湾、コロンビア、オーストラリア、チリ、メキシコ、カナダなど、次々と化粧品の動物実験を禁止する国が増えています。

世界における化粧品の動物実験禁止の進捗状況(美しさに犠牲はいらないキャンペーン委員会提供)

日本の一部メーカーではいまだに動物実験が

 世界的に化粧品の動物実験禁止の動きが進んでいることからもわかるように、日本においても、化粧品は動物実験をしなくてもつくることができるのです。それにもかかわらず、「お客様の安全のため」「法律で要求されているから」などとして、いまだに動物実験を行なっているメーカーもあります。

 なぜでしょう? 

 それは、まだ化粧品として使われたことのない新規性の高い成分を開発すれば、メーカーは莫大な利益を得ることができるからです。毒性を調べなければいけないような新規性の高い成分を使う場合に限っては、国も動物実験を要求しています。つまり、それらのメーカーは「動物のいのちより会社の利益を優先」するために、動物実験を行ない続けているのです。

化粧品の成分の刺激性を調べるために、化学物質を入れられ、目に傷害を負ったウサギ(PETA提供)

多くの人が望まなければ動物実験はなくなる

 化粧品メーカーの動物実験をなくすためには、私たち消費者が動物実験を望んでいないということをメーカーに示していくことが重要です。メーカーに動物実験しているかどうかを確認し、しているとわかったら「やめるまで買いません」と伝えたり、動物実験していないメーカーの化粧品を買って応援する、というように、一人ひとりがショッピングを通じてできることはたくさんあります。

『JAVAコスメガイド』を活用して、動物たちのためのアクションを

『JAVAコスメガイド』では、「動物実験していないメーカー」や「動物実験しているメーカー」、「アンケートに回答しなかったメーカー」など、動物実験の実施状況ごとに分類したリストの他、動物実験についてメーカーに問い合わせるための文面サンプルや、化粧品の動物実験に関するさまざまな記事も掲載しています。これらの情報を活用して、あなたもぜひメーカーに「動物実験には反対です」という思いを伝えてください。

「動物たちを救いたい」「助けたい」という一人ひとりの行動が、企業や制度、そして社会をよりよいものに変えていけるはずです。

『JAVAコスメガイド』の購入はYahoo!ショッピング「JAVAグッズストア」から。または、JAVA事務局(電話:03-5456-9311)までご連絡ください。

『JAVAコスメガイド』Vol.6
〇サイズ:A5版  
〇頁数:94頁
〇価格:480円(税込)
〇掲載内容:
・メーカーリスト(動物実験していないメーカー255社、「原料は不明」のメーカー11社、中国への輸出に際し実験を容認しているメーカー24社、動物実験しているメーカー14社、ほか)
・記事、関連資料等(化粧品のための動物実験とは、日本の化粧品製造販売のシステム、世界のながれ、ほか)
〇問い合わせ先:03-5456-9311(JAVA事務局)



【前の回】<動物愛護法>署名活動をスタート 実験動物と畜産動物についての改正実現を!

JAVA
NPO法人動物実験の廃止を求める会(JAVA)。1986年設立。動物実験の廃止を求める活動を中心に動物の権利擁護を訴え、世界各国の動物保護団体と連携しながら活動している市民団体。
この連載について
from 動物愛護団体
提携した動物愛護団体(JAVA、PEACE、日本動物福祉協会、ALIVE)からの寄稿を紹介する連載です。
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