さっき食べたのにまた「ちょうだい!」 元保護犬「福」と愛猫2匹のごはん事情

さっきごはんを食べたのに食べてないふりをするひとたち。さっき食べたやん

 月刊誌『天然生活』『ESSE』で編集長をつとめ、数多くのヒット書籍をつくり続けている編集者の小林孝延さんこと「とーさん」は、困り顔の元保護犬「福」と元野良猫の「とも」「もえ」と暮らしています。今回は、再び「ごはん」についてのお話です。

(末尾に写真特集があります)

石田ゆり子さんと山田あかねさんによる「ハナコプロジェクト」

 ちょうど一年前の今頃、とーさんは石田ゆり子さんの本『ハニオ日記』を世に送り出し、大反響の最中におりました(とーさんの本業は編集者なのです)。最も注目を集めたのは、石田さんが後書きにしたためたこの言葉です。

「この本の印税は全て、日本中の保護犬、保護猫たちのために使うことをここに誓います」

 石田さんがインスタグラムで綴る日々の景色を3冊の本にまとめた一番の理由はここにあったのです。

『ハニオ日記』(ボックス入り)に興味津々

 そして、このたび、石田さんがテレビディレクターで作家の山田あかねさんと一緒に「ハナコプロジェクト」という仕組みを立ち上げたことはニュースなどでご存知の方も多いはず。これは不幸な犬や猫を増やさないための画期的な仕組み。保護犬、保護猫、野良猫の不妊去勢手術の費用支援と飼い主のいない子犬、子猫のケアを目的としています。詳しくはぜひホームページをご覧いただきたいのですが、5月20日にスタートしたクラウドファンディングにはすでに1万人近い支援者から6800万円を超える支援が集まっています(6月16日現在)。すごい!

 海外特にヨーロッパなどに比べるとまだまだ日本は動物たちに対する環境は後進国。こうした活動によって多くの人にペットをとりまく問題を知ってもらい、一歩ずつ動物たちと人間が幸せに暮らせる日本になってくれたらいいなあと思わずにはいられません。

 現在提携している動物病院は全部で10か所。東北から九州まで山田さんはすべてに足を運んで、先生方ととことん話し、この仕組みへの協力をお願いしたのだそう。素晴らしいアイデアと粘り強い行動力、そして愛と勇気に満ちたおふたりを微力ですが継続的に応援していきたいと、とーさんも思っております。

我が家の近況、猫たちにも自動給餌を導入

 さてさて、わが家の元保護犬「福」、元野良猫「とも」&「もえ」の近況です。福の空腹嘔吐対策として自動給餌システムを導入したことは以前この連載でもお伝えしましたが、その後、今度はとももえにも朝晩2回自動的にごはんが供給されるマシンを導入してきました。これさえあれば、朝寝坊もできるし、ちょっと仕事が長引いた時にも安心ですからね。

ごはんを待つひとたち。「はらへったー」

 レビューなどを読んでいると、どうやら毎日のごはんやりをこの機械におまかせしてしまっても、特に猫たちとの信頼関係にひびが入ったりすることはなさそうです(そこが心配で毎日使うのには抵抗がありました)。マシンにかりかりをどさっと入れておけば規則正しくご飯が出てくるわけですから、むしろ猫たちの健康にとってもいいはずです。

しかし新たな問題が…

 早速試したみたところ、うーんこれまた問題発生(毎度ですね……)。猫のカリカリが時間になるとざーーーっと出てくると、この音を聞きつけて、われ先に福がたべにきちゃうんですよ……。じぶんのかりかりフードは食べないくせに。これってどういうことよ??? 

 さらにもうひとつ。僕が帰宅前にともともえのご飯が給餌されたとき、それをみんながちゃんと食べたにもかかわらず、長年の習慣なのかぼくが帰宅したのをみると、にゃーにゃー、にゃーにゃー、めしくれー、ごはーーーん、おなかすいたーーーと、飯よこせコールが巻き起こるわけです。

 条件反射なんでしょうか???

 一生懸命、「きみたちさっきごはん食べたでしょ?」と口で説明したところでもちろんまったく効果なし。

 にゃーにゃーー、ごはんをくれないなんて、なんてひどいとーさんなんだ!!(意訳)とばかりに、ビー玉のような澄んだグリーンアイズで見据えてくるのです。

 やれやれ、どうしたものやら、福、とも、もえのごはん問題はまだまだ解消されそうにありませんね。

(次回は7月16日公開予定です)

【前の回】保護犬「福」との散歩は自身と対話する貴重な時間 自然と気持ちも前向きに

小林 孝延
編集者・文筆家。出版社在籍中は『天然生活』『ESSE』の元編集長、『ハニオ日記』石田ゆり子著ほか、ライフスタイル系の雑誌・書籍を多数手がける。2023年10月に著書『妻が余命宣告されたとき、僕は保護犬を飼うことにした』(鳴風舎)を刊行

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この連載について
とーさんの保護犬日記
困り顔の元保護犬「福」の「とーさん」になった編集者の小林孝延さんが、いとおしくも前途多難な保護犬ライフを語ります。
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