保護犬「福」との散歩は自身と対話する貴重な時間 自然と気持ちも前向きに

雨が続いてたある日の朝。久しぶりの快晴!

 月刊誌『天然生活』『ESSE』で編集長をつとめ、数多くのヒット書籍をつくり続けている編集者の小林孝延さんこと「とーさん」は、困り顔の元保護犬「福」と元野良猫の「とも」「もえ」と暮らしています。今回は、福との散歩についてのお話です。

(末尾に写真特集があります)

散歩が楽しい季節

 暖かくなって朝晩の散歩が楽しい季節になりました。

 いつもの散歩コースもすっかり緑が深く、濃くなりました。ウグイスやキジバトの声や、キツツキのドラミングがこだまする森の小道を、深呼吸するようにゆっくりと歩きます。

キイチゴ
キイチゴの群生をみつけた

 というかですね、こうやってゆっくりと福と歩けることが、数年前の臆病な福のことを考えると奇跡のようなできごとだと感じるんですよ。いやあ、福ちゃんえらいねえ、成長したねと。あの頃、ただただ怯えて、散歩すらできなかった保護犬がこんなに堂々と、道ゆく人や犬をやり過ごしながら散歩ができるなんてね。あの頃のことを思い出すたびに胸が熱くなります。

気分も前向きに

 とーさんにとっては福と一緒に歩くこの時間は、ゆっくりと自分自身と対話できる貴重な時間仕事でもあります。

 仕事でのもやもやや、気がかりなこと、将来に対しての不安など、生きていればだれしもが感じる心のひっかりも、福と一緒に歩きながら、あーだこーだと考えていると、そのうち、なんだか、どうでもいいことのように思えてきて、いつの間にかすーっと心が落ち着いて前向きな気分になれるから不思議です。

犬の散歩
独り占めの散歩道

 運動にはうつなどを抑制する効果があることは広く知られています。以前お仕事であった脳科学者の人も「運動することで交感神経が優位になってポジティブ思考になる」と言っていましたし、幸福感があがる神経物質のセロトニンやエンドルフィンの分泌がよくなると言われています。

 そんな効果もあってなのか、散歩に出かける前と帰ってきたときでは、とーさん自身の気持ちがまるで別人のようです。そして、一緒に歩くことで福との信頼関係も日々強固なものになっているのを実感します。

保護犬
さくらんぼを乗せてみたらおとなしくしていた

 もっとも、帰り道の福は「早く帰ってごはん!ごはん!ごはん!」とすっかり腹ペコモードに切り替わり、しみじみとしたお散歩情緒はすっかりないんですけどね。まあ、お腹が空くのは元気な証拠。それもまたよし。

 これからの季節は雨が多くなるけれど、今年こそ甘がっぱ買おうね。(ずっとゴミ袋を着せて歩かせます、とほほ)

(次回は6月17日公開予定です)

【前の回】偏食「福」の空腹嘔吐対策 自動給餌器で解決! かと思いきや新たな問題が

小林 孝延
福井県出身。編集者。月刊誌『天然生活』創刊編集長、『ESSE』編集長などを歴任。2023年10月に著書『妻が余命宣告されたとき、僕は保護犬を飼うことにした』(鳴風舎)を刊行

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この連載について
とーさんの保護犬日記
困り顔の元保護犬「福」の「とーさん」になった編集者の小林孝延さんが、いとおしくも前途多難な保護犬ライフを語ります。
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