うっとりなでられてたネコなぜ急に怒る? 飼い主に見せる反応とイヤがる部位がある
ネコをなでていると急に怒り出したことはありませんか? 最初はうっとりとしていたのに、急に態度を変えられてびっくりすることも。なぜ突然、なでられるのを拒否するのでしょうか? その秘密を探るべく、今回はネコのなで方についての論文 " The influence of body region, handler familiarity and order of region handled on the domestic cat's response to being stroked " を紹介します。
ネコは飼い主と知らない人を区別している
ネコ同士ではお互いをなめ合うグルーミングや体をこすりつけるアロラビングという親和行動がみられます。これらは文字通り、親しみをこめた行動で、飼い主さんと共に暮らしているネコの間にもみられます。
ネコ同士の多くは、最初は頭や顔をなめ、だんだんとお尻の方に移動し、最後は尻尾でおわるという流れになっているとか。しかし、飼い主さんにどこをなでられるのが好きなのか、また飼い主さん以外の人になでられた時はどんな反応をするのかはわかっていませんでした。
そこでイギリス・リンカーン大学の研究チームは2つの調査をおこないました。34匹のネコを対象に、ネコの体をなでてその反応を友好的な行動と敵対的な行動にわけて記録しました。
なでる部位は、口のまわり、尻尾のまわり、目と耳の間、頭の上、背中の中ほど、背中の上側、首、のどから胸にかけてのあたりの8カ所です。飼い主さんと知らない人がそれぞれ15秒間、2回なでました。論文にはなで方だけでなく「飼い主はなでる前に必ず手を洗った」と書いてあります。ほかのネコのにおいにネコが反応しないようにするためだそうですが、ネコは人の1−10万倍の感度があるといわれているので納得です。
結果は、知らない人よりも飼い主がなでるほうが、尾を振ったり手をよけるといったネガティブ(敵対的)な行動が多くみられました。これは論文の著者も驚く意外な結果だったようです。そして特にしっぽのあたりをなでられるのがイヤだったとのこと。
お尻はイヤ!だけど、なでる順番は気にしません
ふたつめの調査は20匹のネコを対象になでる順番を調べました。頭から口→首から背中→お尻から尻尾の順番に、45分の休憩を挟んで、次はお尻から逆向きになでました。なでた時間はそれぞれの部位は8秒間、合計24秒です。手全体でなでる人もいれば、指だけでなでる人もいたとか。結果はなでる順番によって反応に変化はみられませんでした。
今回の調査でわかったことは、ネコは飼い主と知らない人を区別していて、なおかつなでられている時に飼い主へのネガティブな行動が多くみられるいうことです。
イヌやほかの動物ではネガティブな行動は飼い主にはみられません。なぜネコが飼い主へよりネガティブな行動をとるのかはわかりませんが、ネコ特有のツンデレが影響しているのかもしれません。また尻尾のまわりをなでられるのは好まないことがわかったので、なでるときは頭や顔まわりを中心に、もしネコがイヤがったら深追いはせずになでるのをやめましょう。
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