散歩へ行き帰らぬ犬に… 愛犬を亡くし気づいた、当たり前の日々の大切さ
いつか来るペットとのお別れの日――。経験された飼い主さんたちはどのような心境だったのでしょうか。
2021年10月にパグの福ノ助くん(享年9歳3カ月)をお見送りした飼い主のみのりさん。先天性の心臓疾患を抱え、幼いころから毎月通院していたそうです。そんな福ノ助くんの亡くなったときのことや、現在のお気持ちを、みのりさんにお聞きしました。
犬を飼うのは初めてだから人懐っこいパグに
――なぜパグという犬種を飼うことにしたのでしょう?
ずっと犬を飼いたいと思っていたのですが、父が過去に犬に噛(か)まれた経験があったので、なかなか飼う機会がありませんでした。
9年前、転職で実家に戻ることになり、改めて犬を家族で飼おうということになったのですが、その話を進める中で、ブリーダーさんから「パグは無駄吠えが少なく、人懐っこい楽天家だから飼いやすい」と教えていただきました。もともとパグがかわいいなと思っていたことも理由です。
――家族の中でどなたがよく面倒をみていたのですか?
毎朝のお散歩は父、食事は母、遊ぶのは私でした。皆で福ノ助の面倒をみていました。
福ノ助からすると私は「仲間」のような存在だったかもしれません。家の庭に小さい運動場みたいなものを作って、放し飼いにしたり、抱っこをしたりしていました。
お散歩に行ったまま戻ってこなかった…
――9歳で亡くなったとのことですが、なぜ亡くなったのでしょうか?
もともと福ノ助には先天性の心臓疾患があり、車に乗ることも体に負担だったようでしたが、月1回、通院をして診察してもらい、薬を飲んでいました。いつ何があってもおかしくないと、9年間常に不安な気持ちを抱えていました。
亡くなったのは突然で……。母とお散歩に行って、そこで倒れて戻ってきませんでした。お散歩先で、久しぶりにお気に入りの人に会い、すごく喜んで、今までなかったような大きなジャンプをしたんです。そこで心臓が止まってしまって……。心臓マッサージもしたのですが、病院に連れて行ったときには「心臓が止まってしまっていますね」という感じでした。
――本当に突然だったのですね…
それまでも何度か倒れたことはあったのですが、そのたびに病院で診ていただいていました。9年間薬を飲み続けていたので、心臓だけじゃなく他の臓器にも負担がかかっていたのかなと。
福ノ助を亡くして気が付いた「日々の大切さ」
――福ノ助くんを亡くして3カ月弱、今のお気持ちを教えていただけますか?
一緒にいられた時間がとても貴重だったなという思いと、失ってみて今、私たちが生活できていることって当たり前じゃない、いつ無くなってもおかしくないものだということでしょうか。
時間は戻らないから、日々、ひとつひとつのことを大切にしようと思うようになりました。どんな時間も大切に生きていきたいです。
――福ノ助くんへメッセージを届けられるなら、何を伝えたいでしょうか?
思いっきり走らせてあげられなくて、遊ばせてあげられなくてごめんね、そしてまた会いたいと伝えたいです。
新年に、みのりさんとみのりさんのお母さまの夢に出てきた福ノ助くん。夢の中でみのりさんには「体を洗って!」、お母さまには「お散歩に連れて行って!」と言っていたそうです。取材中に何度も涙を流しながら、福ノ助くんと過ごした9年間を振り返り「短くて有限で貴重な時間だった」とお話してくださいました。
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