東京積雪 幻想的な夜の公園で童心に返り、福は駆ける!

雪の日の犬
なぜか雪のなかに立つと凛々しく見える!できる感5割り増し

 月刊誌『天然生活』『ESSE』で編集長をつとめ、数多くのヒット書籍をつくり続けている編集者の小林孝延さんこと「とーさん」は、困り顔の元保護犬「福」と元野良猫の「トモ」「モエ」と暮らしています。今回は、東京に雪が降った日のことです。

(末尾に写真特集があります)

積雪の夜、いつもの公園へ

 先日、とーさんと福、とも、もえが暮らす東京にも雪が積もりました。

 けっこういい歳のとーさんではありますが、いまだに雪が降るとうれしくなってしまいます(雪国福井出身なのでその苦労は身に染みてわかっているのに……)。そして、雪が積もったら必ず福と雪遊びをするのが小林家の恒例となっているのです。

 これまでも、毎年、雪が積もるたびに誰もいない公園、ドッグラン、駐車場……足跡ひとつない雪原を探し求めて、福と一緒にラッセルしたり、ダイブしたり、思う存分楽しんできました。

 この日は夜、仕事から帰ると早速、近所の公園に出かけることにしました。足元はその昔、カナダの雪山にヘリで降り立ち、エクストリームな撮影をする機会があったために現地で購入したスノーシューズ。マイナス40度まで耐えられる極寒仕様!もちろんウエアもフル防寒で、アラスカで犬ぞりに乗れちゃうくらいの装備で身を固めました。

 うきうきと用意していると、うかれたとーさんに触発されたのか(?)、「私もいこうかな」と、娘も雪遊びに同行することになりました。

幻想的な雪の夜
すべてが幻想的な雪の夜。桜満開!!に見える雪の花!

 街灯に照らされたいつもの公園は、まるで季節外れの満開の桜のような光景で、おもわず息をのみました。雪は綺麗なものもよごれたものもすべてを覆い隠し、そこに非日常の空間を作り出します。

福も大喜びの雪遊び

 リードを手に誰もいない公園を思い切り走り出すと、その喜びが伝播したかのように福はすごいスピードでとーさんを追い抜いていきます。風を切るように走るその姿は本当にかっこいい。やっぱり犬には雪がよく似合うなあ。

 こちらはすぐに息も絶え絶え、もう立っているのもやっとな感じだけれど、福はもちろん疲れなどみじんも感じさせないで、いくらでも走り回ったのでした。

雪と犬
まるで子どものようにはしゃぐ我々

 娘が走る福に狙いをつけて雪玉をなげると、うれしそうにそれを追い、そして今度は娘に全力でアタック。思わず尻餅をついた娘は雪まみれになり、大笑い! なんでこんなに雪って童心に帰ることができるのか、本当に不思議ですね。

雪の力に解き放たれる

 そういえば、福がやってきて1年を迎える頃。今年の雪とは比べ物にならないくらいの大雪が東京を襲ったことがありました。そのときはたしか30センチ以上の積雪だったように記憶しています。

 当時まだ臆病だった福は散歩もままならない感じでしたが、車も走らず、人もいない、大雪の東京に、恐怖心から解放されたように喜んでいたことを思い出しました。雪は街の匂いや音さえも吸収してしまうのだと知り驚いたものです。

福のラジアルソールのような肉球に靴はいる?

 その後何気なくTwitterから流れてくるネット記事を見たら、「犬の足のために雪の日は靴を履かせましょう」というような記事をみかけましたが、本当にそんなことをした方がよいのですかね?

 僕には詳しいことはわかりませんし、確かに普段室内で暮らす犬の肉球は過酷な状況には対応できないのかもれませんが……もともと犬の肉球は凍傷になりにくい構造をしていると聞いたこともあります。

 うーん、うちの福の立派なごっついラジアルソールのような肉球を見ているとそんなに心配することもないのかな? 

 いつまでも遊んでいたかったけれど、すっかり年寄りのとーさんの息はあがってしまったので、残念ですが、凍りついた路面では転ばないように注意しながら歩き(僕が滑ると引っ張られて福もすべってました)家路を急いだのでした。

(次回は2月19日公開予定です)

[前の回]いろいろな思いが交錯する師走 少しでも犬や猫のためになることを

小林 孝延
編集者・文筆家。出版社在籍中は『天然生活』『ESSE』の元編集長、『ハニオ日記』石田ゆり子著ほか、ライフスタイル系の雑誌・書籍を多数手がける。2023年10月に著書『妻が余命宣告されたとき、僕は保護犬を飼うことにした』(鳴風舎)を刊行

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この連載について
とーさんの保護犬日記
困り顔の元保護犬「福」の「とーさん」になった編集者の小林孝延さんが、いとおしくも前途多難な保護犬ライフを語ります。
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