預かり犬「チョコ」に早速お申し込み!? 老犬でもトレーニングの効果は出たが…
インテリアデザイナーとして活動する傍ら、保護犬の預かりボランティアをする小林マナさん。犬や猫と暮らしやすい住空間をつくり、いまは保護猫2匹と、預かり犬2匹と生活をともにしています。第14回では「3匹目の預かり犬・ココ」のお話をお伝えしていきます。
老犬トレーニングの再開
2匹目に預かっていたココは、老犬ながら「オスワリ」「マテ」「フセ」まではできるようになっていました。アイコンタクトも取れるようになった矢先での譲渡でした。
しかし3匹目の預かり犬のチョコは、目が見えない。声かけには反応していたもののどうしたものかと思っていたところ、トレーナーに「合図を送ればトレーニングはできる」ということを教わりました。そして食い意地も張っていたので、トレーニングをしてみることに。
グーにした手のひらの中におやつを入れてチョコの鼻先に持っていき、同時に「オスワリ」と言いながら反対の手で背中をおさえて座らせることを繰り返していったら、チョコは座ると「オヤツ」がもらえると覚えていきました。
そのうち私の気配を察知すると、トコトコとやってきてオスワリするようになりました。そして、フセをしてもおやつをチョコに食べさせました。すると、フセすればおやつがもらえることも学習して、落ち着いてフセをしている時間が増えていきました。
今思い返すと、おばあちゃんといっても認知症を発症していたわけではなかったし、反応のいいおばあちゃんだったのかなと思います。
可愛かったのは、私が帰宅してソファーに座ると、チョコは私のひざとひざの間から顔をニュツと出して喜んでくれたことです。根の明るいチョコは、コミカルなしぐさでいつもこちらを笑わせてくれました。
一方トレーナー養成講座では
私が並行して受けていたトレーナー養成講座では、家庭犬のしつけのベーシックコースがスタートしていました。以前お伝えした犬の特性を知ることで、犬に対して寛容になれると、チョコであらためて感じました。
狂犬病ワクチンなどの健康管理を学ぶ講座では、飼い主がよき保護者になるための日常生活の過ごし方を学びました。犬を飼い続けられない原因は、知識不足が締めているのではないかと思いました。子供の頃に学校で教えてもいいのではないか、とも思っています。
オンラインでも受講できるので、気になる方はぜひ受けてみて欲しいです。私がトレーニングを学んだことのある矢崎潤先生も教鞭(きょうべん)をとっています。JAHA(公益社団法人日本動物病院協会)
体重管理をはじめ、誤飲や病気、衛生面などの管理もすべて飼い主が犬の保護者となって責任を持たねばならないという話は、私が知っている昔の飼い方と違うなと驚き、と同時に当然のこととして受け取れました。
今ではスケールでフードを測って与えて体重管理をしたり、いつもと尿量が違うとチェックシートに書いたりしていることが当たり前になりました。
早速チョコにお申し込み!?
チョコを預かりだして1カ月経った譲渡会で、チョコにお申し込みが入ったと譲渡会係のボランティアさんから連絡が入りました。
「やった~!」っと言いつつ、やっぱりミグノン(※)の譲渡会に来る人はすごいと驚いたものです。チョコは愛嬌(あいきょう)はあるし、前回のココの経緯を考えるとお散歩をいっぱいしてご飯もちゃんと食べれば“おばちゃん”に昇格するのではと思わずにいられませんでした。
(※NPO法人「ランコントレ・ミグノン」)
しかし数日後、ミグノンからお断りをしたそうです。飼えるのは、成人した大人1人に動物1匹までというミグノンの頭数制限に引っかかってしまいました。申込者の家にはすでに老犬の先住犬がいて、人間に対して動物の数がオーバーしてしまうためです。
頭数制限は、災害などが起きたときに動物が多いと避難できなくなってしまうというのが理由のひとつです。自分の荷物と2、3匹の猫や猫砂、フードなどを持って逃げられないですよね。厳しいルールだなと思いましたが、東日本大震災の際に取り残された動物たちの多さを考えると納得です。
がっかりしながらも「もう少しトレーニングして待とうね」とチョコと自分に言い聞かせたのでした。
2カ月も経つとチョコはトレーニングの効果が出てきて、落ち着いて過ごせるようになってきました。心配していた飼い猫たちとの距離もどんどん縮まっていくのが手に取るようにわかりました。
名前を呼べばこちらを見上げるようになり、「そろそろもらわれるかも!」とワクワクした気持ちが出てきました。ところが、日が経つにつれて要求吠えをするようになってきてしまったのです。
出かける時、ご飯が欲しい時、朝起きた時などに結構大きな叫び声を上げるようになってしまいました。
さあ、次はどうすれば?
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