保護犬という存在を知ってほしい! とーさんたちの熱い思いがぎゅっと1冊に
月刊誌『天然生活』『ESSE』で編集長をつとめ、数多くのヒット書籍をつくり続けている編集者の小林孝延さんこと「とーさん」は、困り顔の元保護犬「福」と元野良猫の「トモ」「モエ」と暮らしています。今回は、とーさんが最近手がけた本についてです。
保護犬の存在を知ってほしい
10月11日に扶桑社より天然生活別冊「保護犬と暮らすということ」という雑誌スタイルの本をリリースしました。今回はすこしだけそのお話をさせてください。
世の中には犬の雑誌や書籍はたくさんあるのですが、残念ながらタイトルに「保護犬」とうたったものはほぼ皆無。どうしても人気の純血種をテーマにしたものばかりが市場にあふれているのが現状です。
そんななか、なんとか保護犬というものをもっと世の中に認知させられないものだろうか?と、とーさん、料理研究家の桑原奈津子さん、なかしましほさん、イラストレーターの平澤まりこさんと思いをぶつけあったのがいまから5年近く前のことでした。4人の共通点は、さまざまな事情で保護犬となった犬たちを家族に迎え入れたということ。そして、今、人間も犬もとても幸せだということです。
我が家の場合は妻の病気がきっかけで保護犬を迎え入れることになったのですが、自分たち家族のおかれたつらい境遇を嘆いているときに、つらい過去・境遇をものともせず前向きに今を生きる保護犬の姿にどれだけ勇気を与えてもらったか。どんな犬もすばらしいですが、保護犬だからこそそのパワーは計り知れなかったと思えてならないのです。きっとほかのみんなも同じような思いを心に秘めているはず。こんなにすばらしい犬たちが、引き取り手が見つからないという理由で殺処分になっているというつらい現実から目を背けるわけにはいかないのです。
保護犬という選択肢もある
そこで4人が出した答えは「保護犬を知ってもらうための雑誌をつくる」というものでした。自分たちが一番得意な方法で世に伝えていくそれこそがベストなのではないかと。ただ、それぞれのジャンルで活躍されているみなさんですから、スケジュールも多忙を極め、形になるまでずいぶん時間がかかってしまいました。しかし雑誌「天然生活」編集部の力も借りて、ようやく、こうして世に送り出すことができたのがこの「保護犬と暮らすということ」なのです。
この本の目的は保護犬という存在をひとりでも多くのひとに知ってもらい、もし犬を飼いたいと思ったら保護犬を迎えるという選択肢もある、ということを伝えること。誌面には実際に保護犬を家族に迎えた多くの方の声がたくさん掲載されていて、その素晴らしさがひしひしと伝わってくるはずです。また、保護犬に関して先進国とも言えるドイツの保護施設の現状リポートや、アメリカポートランドでの取り組みなどにも触れています。
とーさんたち4人の思いに、大阪TRUCK FUNITUREの唐津裕美さん、インテリアデザイナーの小林マナさん、映画監督で脚本家の山田あかねさんなど、それぞれ個人でも保護犬に関する活動を行っているみなさまも賛同、協力してくださり、本当に熱い思いが凝縮された1冊となりました。発売後すぐに重版もきまり、「まさにこんな本を待っていました」といううれしい声も届いております。
できることなら、まだ保護犬というものをぜんぜん知らない人たちに届けたいから、ぜひ、犬を飼ってみたい、という人が周りにいたらそっとすすめてもらえたらうれしいなと思います。
◆小林さんが発行人を務める月刊誌『天然生活』のサイトはこちら
(次回は11月20日に公開予定です)
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