譲渡会で人気殺到の“とっておき”の子猫3兄妹 3匹を迎えた一家に思わぬ事態が……
店内を物色したけど期待したものがなく、店を出ようとしたとき、「お客様」と声がかかる。しばらく待つと、店主が奥からとっておきの一品を持ってきて……。
そんなドラマのワンシーンのような光景が、保護猫の譲渡会場でも繰り広げられたとか。聴き取り調査、始めます!
お目当ての猫が決まらないまま、譲渡会へ
今年7月、元同僚のSNSから保護猫の譲渡会が開催されると知り、神尾悟史(42歳)さんは妻の久美子さん(44歳)と長女(14歳)、次女(10歳)を誘って都内の譲渡会場へと足を運びました。SNSの投稿には、その日参加予定の猫たちが数十匹掲載されていましたが、家族全員の意見が一致した“お目当ての猫”は、当日まで決まらなかったといいます。
会場内でひときわ賑わうケージがありました。それが「トム」「ヤム」「クン」(順にオス、オス、メス/5カ月)の3兄妹との初めての出会いでした。
「あれ? この猫たちの写真は載っていなかったぞ?」
譲渡会では、猫の体調を見た上で当日参加させるかどうか判断するため、チラシや投稿に参加予定として掲載された猫でも当日不参加になったり、逆に予告なしで急きょ参加することも珍しくないとか。3兄妹もそんな猫たちでした。
子どもたちはトムヤムクンのケージから離れることができませんでした。とくにトムは人を恐れることなく、積極的に子どもたちの前にやって来て愛想を振るまい、その姿を見て、神尾夫妻と子どもたちの心は決まりました。一家は、保護主さんがこの日まで大切に育てた“とっておきの猫”、「トムヤムクン」の譲渡申し込みをすることに。
応募殺到の情報に、悶々とする日々
子どもたちのはやる気持ちとは裏腹に、神尾夫妻には不安もありました。ケージ前に人だかりができるほど人気だった3匹、主催者からも「応募が殺到している」と知らされていたのです。以前にも、保護団体のホームページから譲渡希望をするも、ご縁に恵まれなかった経緯があり、気が気でない日々が続きました。
「子どもがいるから」「家族で初めて猫を迎えるから」など、自分たちが譲渡先に選ばれるのは難しいのではないか?と、ついネガティブに考えて悶々とする中、トムヤムクンの保護主さんから「よろしくお願いします」との一報が。歓喜に沸き立つ神尾家の姿が、容易に想像できます。
当初は「2匹の多頭飼育」が希望条件だった神尾家でしたが、1匹だけ兄妹から引き離すのはかわいそうだし、全匹引き取らなければ「この先、きっと後悔するだろう」との思いが上まわり、3兄妹全匹の譲渡希望を出したことが、結果的に譲渡先となる決め手になったようです。
長女の受験結果を左右する(?)子猫たち
この日の取材は家族になって3カ月が経過した頃。実家で猫と暮らした経験を持つ久美子さんの教えをもとに、試行錯誤の猫生活が始まっている印象でした。
なかでも、家族が予想だにしなかったのは、高校受験をひかえた長女が猫に構いすぎて勉強に集中できないという、まさかの事態でした。
問題解決にむけ、塾に行くことで猫と接する時間を減らしてみているそうですが、勉強にも集中できるし、家に帰れば受験のストレスを癒してくれる存在が待っているという、いい結果に。
ストレスフリーで希望校合格へ! 「サクラサク」の知らせを、ご家族とともに私も楽しみに待つことにします。
- トムヤムクンが参加した譲渡会:みなとねこ-東京都港区の主婦による地域猫ボランティア
保護主さんのInstagram:@kijitora22
- 撮影テクニックの説明
- テクニック1-3【飼い主さんと猫】
猫単体ではなく、人物と絡めて日常生活(に近いもの)を切り取る。なかでも「猫とおじさん」は意外性が高く、面白い(悟史さん、ごめんなさい!)。
テクニック4【集合写真】家族と猫の集合写真を撮ろう!
しかし、家族の笑顔を優先したため、1匹写っていないのが反省点でもある。
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