もうすぐシニア 少しでもケアできる猫に!サビの抱っこまであと少し?
以前、家庭内野良の愛猫サビのお話をしました。今回はその続報です。
お願いだから「お世話できる猫」になってちょうだい!
サビと出合って、早10年。動物病院で検査の結果を待つ間、抱っこできたのはほぼ奇跡でした。あれ以降、やはり抱っこは無理なままです。
ですが、あきらめの悪い飼い主は、サビとの距離を縮めるべく、努力を続けています。
というのも、将来のケアのことを考えずにはいられないからです。
そろそろサビもシニア猫。ご飯も腎臓をケアできるタイプのものに、切り替えるようになりました。
悲しいことですが、ほぼすべての猫は、腎臓の機能が衰えてゆきます。最終的に、それが死因になることも珍しくありません。
飼い主としては、少しでも長く、腎機能が継続するように、少しでも猫の生活が快適であり続けるように、さまざまなケアを通して努力する以外にありません。
しかしそれには、本猫の協力が欠かせません。
投薬もあるでしょうし、脱水症状を緩和するために、自宅で輸液することだってあります。そんな時、猫にも少なからずストレスがかかります。
今まで、数々の猫たちをそうしてケアしては見送ってきました。幸いなことに、それを「いじめられている」と思う子はいなかった(と、思いたい)とは思いますが、口をこじ開けられたり、背中に針を刺されたりするのがうれしいはずはありません。
それでも、それを何とかやりすごすには、飼い主とのコミュニケーションがとれていればこそ。
いずれサビにも、そんな日が来ます。
それまであと何年かはわかりませんが、少しでおお世話できる子になっていて欲しいのです。
抵抗できないほど弱ってからじゃ、遅いのよ!
「大丈夫。よくしたもんでね。弱ってくると抵抗する力も弱ってきて、世話させてくれるのよ」
保護猫シェルターを運営している人の言葉です。
サビがなついてくれない、将来のお世話をどうしよう。取材の後に、ふと漏らした私の不安に、笑いながら言ってくださったのです。
「人間と同じで、猫も十匹十色。最初から仲良くなれる子もいるし、なかなか心を開かない子もいる。心を開かせる方法もひとつじゃないし、正解もない」
彼女の手も腕も、傷だらけです。野良猫を保護するとき、お世話するとき、彼らは爪や牙を向けてくるのです。
「譲渡できないまま、終生シェルターで過ごす子もいます。世話させてくれないほど気の荒い子でも、不思議と最後はケアさせてくれるんですよ。抵抗する力も残ってない、っていうかね」
その言葉に安心する一方「それじゃ嫌だ!」という思いも頭をもたげます。
抵抗する力も残っていないほどぐったりするまで、猫と飼い主の絆が結べないなんて。そんな悲しい話ってあるかしら?
でも、その一方で、保護活動をしている方々には本当に頭が下がります。
保護猫活動は待ったなしだし、なんとか人と暮らせる猫になるまでお世話して(健康上のケアもして)、譲渡へと結びつける。
しかもそれがボランティアで、誰からも報酬はもらっていないのです。
頭が下がる、だけじゃなくて、私にも何かできたらいいんですが……。
「大丈夫。こうやって時々取材して、私たちのことを世の中に広めてくれれば、十分ですよ」
思わず涙がこぼれたひと言でした。
『ちょっと!少しはモフっていきなさいよ!』
さて、我が家のサビ子です。
段ボール箱が大好き。おとなしく昼寝しているかと思うと、バリバリバリ!と盛大な音を立てて爪とぎをし(めったに爪が切れないから伸び放題)、暴虐の限りを尽くして、箱をボロボロにします。
そんな箱の中で寝ているタイミングを狙って、そーっと頭をなでたり、あごの下をこすったり。あるいはロッキングチェアの下で香箱を組んでいるとき、そっと近づいてなでさせてもらったり。
つまりは、何かに囲まれていれば、比較的安心な様子だとわかりました。
少しずつ、少しずつ、頭をなで、のどをさすり、手を動かす範囲を広げていきます。そっとおなかのほうまで範囲を広げると、ある日ついに!
ごろん。
おなかを見せてくれました! モフってもよろしい、ということです!
相変わらず、爪は立てない。歯も立てない。人のことは絶対に傷つけようとしません。サビだって甘えたいのです(そう思いたい)。
そんなある日。2階の廊下に猫たちのためにあえておきっぱなしにしている段ボール箱の前を通りがかりました。
「にゃぅ……」
小さな、消え入るような声が聞こえた気がして、立ち止まりました。
「誰?」
「にゃぅぅぅ……」
サビが箱の中で、おなかを見せながらこっちを見ています。
(ちょっと、素通りってことはないんじゃないの? 少しはモフって行きなさいよ!)
そうかそうか。ごめんね。よしよし。
いきなり抱っこは無理そうだから、箱の中で体全体に手をまわして、慣れてもらおう。
抱っこできる日は、案外近いのかもしれません!
あまりに盛大に甘えるようになったので(なのに抱っこは無理)動画を撮ってみました。そして私がサビをかまっていると、決まって飛んでくるようになったのがベル。やきもちなんでしょうか?
sippoのおすすめ企画
「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。