ペットロスで「何を食べても味がわからない」 まだ犬は飼えないけど、いつかまた
いつか来るペットとのお別れの日――。経験された飼い主さんたちはどのような心境だったのでしょうか。
2017年に愛犬のトイプードルのコタローくん(享年16歳)を亡くした有希さん。子どものような存在であったコタローくんを亡くし、ペットロスを経験しました。有希さんのペットロスと、現在のお気持ちなどをお聞きしました。
独身のときに飼いはじめ、長男のような存在に
――コタローくんをお迎えしたのはいつですか?
私がまだ独身で実家に住んでいるとき、ペットショップでコタローに出会い、お迎えすることにしました。当時は、保護犬などは今ほどメジャーではなく、ペットはペットショップからお迎えするものだと思っていました。
――ご結婚するときに、コタローくんも一緒だったのですね。
コタローが5歳の時に結婚をして、最初は夫とコタローと私。それから子どもが3人生まれて、6人家族として暮らしていました。コタローは長男のような存在でした。
死は突然にやってきた…
――コタローくんは16歳で亡くなったそうですが、病気だったのでしょうか?
いえ、病気ではありませんでした。歳をとって、徐々に体が弱っているのは感じていましたが、ムラがありながらも食事もとれていましたし、元気に過ごしていました。
でもある日、「立ったまま動かない」というような、普段とは違う行動が見受けられたので「あれ?」と思って気にしていたら、その後寝込んでしまい……。いつもと様子が違うなと感じてから、2~3日ほどで息を引き取りました。老衰でした。
――看取りの瞬間はどのようなものでしたか?
亡くなる前日の夜は寝たきりで、水を飲めない状態だったので、「もう長くはないかな」と感じていました。翌朝、昏睡(こんすい)状態のコタローのそばで、息をしているのを確認していたのですが、亡くなる直前にそれまでつむっていた目をパッと開けて……。そのまま静かになくなりました。立派な亡くなり方でした。
「心にぽっかり穴があく」喪失感
――ペットロスはありましたか?
ひどいペットロスだったと思います。「心にぽっかり穴があく」という表現どおりの喪失感でした。
コタローが亡くなった後しばらくは、何を食べても味がわからない日が続きました。火葬してもらって、その遺骨を庭に埋めようと考えていたのですが、遺骨からも離れるのがつらくて、遺骨を庭に埋めるまで1年以上の時間を要しました。
――コタローくんが亡くなって丸4年、今のお気持ちをお聞かせください。
今は、「楽しい時間を一緒に過ごせたな」と懐かしく思い出すことができます。人見知りで甘えん坊な子でした。
うちは自営業で家族が常に家にいてにぎやかだったので、コタローはひとりになる時間がなく、環境的にさみしい思いをさせたことはなかったので、それは良かったです。こうしてあげればよかった、ああしてあげればよかった、というような後悔は全くありません。
まだ犬は飼えない、でも迎え入れるなら保護犬
――今後また犬を飼う事はあると思いますか?
コタローの遺骨を庭に埋めた後、家族で話し合って、ウサギを飼い始めました。名前は「はるちゃん」です。子どもたちがとてもかわいがっています。
でも犬はまだ飼えないです。もう少し時間が経って、もしまた犬を飼うのなら、次は保護犬をと考えています。自宅の隣にある夫の実家でも保護犬を飼っているんです。
守ってあげられる子がいるなら、守ってあげたいですね。
有希さんのお話を聞いて、コタローくんの16年間は、常ににぎやかな家族に囲まれた幸せな時間だったのだなと感じました。きっと、何も思い残すことなく虹の橋を渡ったのではないでしょうか。虹の橋の向こうで、ずっと有希さんご家族を見守ってくれているのかもしれませんね。
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