他猫の空似? 面影や行動、どこか昔の子に似てることってありませんか?
中学2年のときから数えて、今いる子たちでのべ12匹。最も多いときで7匹の猫が我が家にいました。これだけの数を飼っていても、同じ子は2匹といません。それでいて、「もしかしてあの子の生まれ変わり?」と思う瞬間が、あったりするのです。
優しさは連鎖する?
現在の長男猫、梵天丸が我が家にやってきたとき、面倒を見てくれたのは当時の長男猫、クリスでした。のほほん、とした性格のクリスはやんちゃな梵に振り回されながらも、眠るときにはよりそい、こわいおばさん猫たち(当時のめすっ子たちは、比較的子猫に対してドライでした)からかばってやり。いつしか梵天丸が自分より大きな体になっても、丹念に毛づくろいしては可愛がっていました。
その梵がいつしか長男に。あとからやってきたボビ・サビ、サビの息子エンマのことはさほど気にかける様子はありませんでしたが(姉妹と息子で家族が出来上がっていて、気にかける余地がなかったともいえますが)、さらに後からやってきた子猫、特にアルには本当に優しいお兄さんになりました。
寄り添って眠り、やんちゃに挑んでくるのをいなし、なだめ、毛づくろいする姿を見ていると、ふと、元気だったころのクリスを思い出したりもします。
「梵、えらいね。弟の可愛がり方、よくわかってるね」
「クリスに良くしてもらったこと、覚えてるのかもね」
もしや生まれ変わり?
そのアルが成長して(いまだに梵に甘えますが)、彼自身の性格がはっきりしてきたころ。アルのすることを見ていて、ふとクリスを思い出すことが多くなりました。
水道の蛇口から水を飲もうとして、頭はびしょびしょなのに舌は空振りして一滴も飲めない、とか。
ベル(妹)に本気で殴りかかったのに、すべて空振りに終わり、たった一発反撃されただけでしっぽを巻いて逃げる、とか。
無理して細いところに上がろうとして、踏み出した前脚を踏み抜き、あっけなく落下する、とか。
……まあ、控えめに言って『ドジ』だってことなんですが。
そして、冬場など、ストーブ前でくつろいでいるときの姿。なぜか片方だけ前脚を伸ばして座り、何かにあごを乗せてリラックス。
その姿はあまりにもクリスにそっくりで、晩酌で酔っぱらった夫は
「そうか……この世に降りてくるとき、クリス兄ちゃんとバトンタッチしてきたのか」
などと涙ぐむ始末(笑)
その一方、アルの妹のベルは、どうしても亡きディーナに見えて仕方がないときがあるのです。
- 大きくとがった耳。大きなアーモンド形の緑の目。おちょぼ口。
- 細くてきゃしゃな足、細い体(子猫のときはアルより大きかったのに!)
- すばしっこくて、ずるがしこくて、怖がり。
小ずるいことをしては私につかまり、「こらっ!」「ねぅぅぅーーーー」と情けない声を出すところもそっくりです。
それでも全員違う!
昔いた子の面影を感じたり、そっくりな行動にびっくりしたり。多頭飼育をしていると、そんな瞬間に出くわすことはよくあります。
そのたびに、昔を思い出して感傷に浸ったり、思わず吹き出したりするわけですが、結局いつもたどり着くのは「いや違う。この子はアルだ」「梵は梵だよね。アーサーじゃないよね」ということ。
あの世のことはわかりません。もしかしたら、この世に降りてくるとき、こっちから逝った子から何か申し送りがあるのかも? とは思いますが、それでも、今目の前に生きている子は、間違いなく梵天丸であり、アルであり、ベルなのです。
「ちゃんと、目の前の子を見なきゃね」
「この子の個性があるんだから。誰かと比べても意味はない」
誰かに似てるから可愛いわけでも、いとおしいわけでもありません。そう心して、今日も猫のお世話に奔走するのです。
でもね。
トイレじゃないところで突然の〇〇……。これは、クリスが昔やらかした困った癖。
「こら!エンマ! クリスにおかしなこと教わってくるんじゃありませーーーーん!!
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