いまは子育てで猫との時間が作れなくても いつか「みんなで家族だんらん」の時が来る
仕事に家事に子育てに、パンク状態の毎日。ただ愛猫と過ごすだけの、なにもしない時間が恋しい。
一人っ子気質の愛猫「ミア」(3歳・雌)と、暴れん坊の2歳児「ことちゃん」。ふたりの”まな娘”と暮らすライタ―原田が、猫と暮らしながらの子育てでぶつかりがちな悩みを経験者や専門家に相談し、ヒントを探す連載。
第3回は、働きながら7歳の双子を育てるsuger(シュガ―)さんに、「子どもが生まれてから、猫と過ごす時間をどうしている?」という疑問をぶつけてみた。
子育て中、猫迎えた双子ママ
――お子さんの年齢と、愛猫たちについて教えてください。
双子の娘、あ―ちゃん、さ―ちゃんは7歳。兄妹猫のエマ(キジ白・雌)とレイ(ハチワレ・雄) は1歳8カ月です。
――娘さんの方が年上ということは、お子さんが生まれてから猫を飼い始めたのでしょうか?
そうなんです。長年、猫と暮らすのが夢だったのですが、子どもが小さいうちは難しいだろうと諦めていて。でも、周囲に子育てをしながら猫と暮らしている友人が多く、みんなに後押しされて決意。双子が5歳のころに保護猫だったエマとレイを迎えました。
――仕事に加え、お子さんが双子となると、猫との時間どころか普段のお世話ですら大変そうですね。
今はペット用の便利なアイテムがたくさんあるので、時短できるものはどんどん導入しましたね。
たとえば、システムトイレはいいですよ。固まる猫砂と違って、おしっこのたびに掃除をしなくて良いのでトイレ掃除がかなり楽になりました。それに、自動給餌(きゅうじ)器は決まった時間に決まった量を出してくれるのですごく便利!
猫たちのごはんの用意って、1回にかかる時間は小さいけど、決まった時間にあげなきゃいけないプレッシャーがあるじゃないですか。自動給餌器があることで、ごはんをあげ忘れる心配をしなくてよくなったし、家事中にごはん待ちで鳴かれて慌てることがなくなったので、心の余裕が違います。
――心の余裕、大切ですね。私の場合、いままで楽しんでやっていた猫のお世話が、忙しくてタスク化してしまうこと自体が結構しんどい。ごはんだけでも自動化することで、「やっとかなきゃ」って気持ちから解放されますね。
あとは、うちの場合娘たちがある程度大きくなってから迎えたので、2人がお世話に協力的だったのも頼もしかったです。エマは、子猫の頃に大きな病気をして私が通院させていたのですが、その際は主人も早く帰って、育児に協力してくれました。家族みんなの協力があって猫のことができましたね。
大変な時期は続かない
――今回のテーマなのですが、私、大好きな猫と過ごす時間がないんです。sugerさんは日頃からエマさんやレイさんと過ごせていますか?
娘たちはもう小学生なので、習い事に行っている間に2匹を思いっきり甘やかすことができます。2匹とも甘えん坊タイプなのですが、男の子のレイよりも女の子のエマの方が私にべったりですね。
――たしかに、未就学児の我が家よりは、猫と2人きりの時間はつくりやすいですね。お子さんが小学校に上がる前はどうされていましたか?
今もそうなのですが、日中は家にいても家事や子供のことで相手ができないので、子どもたちが寝た後で猫たちとの時間を楽しんでいました。
2匹も、昼間は子どもが騒ぎ出すと隠れているのですが、夜は自分たちだけの時間だとわかっているようで、出てきて甘えてくれます。
だいたい1時間半くらい、おもちゃで遊んだり、スキンシップをとってイチャイチャしていますね。1日が終わってほっとする、大切な時間です。
――我が家は娘の夜泣きがひどくて。ミアはもうあんまり甘えてくれないのですが、たまに抱っこさせてくれる時に限って娘の夜泣きが始まったりします。
夜泣き大変ですよね。うちも夜驚症がひどかったのでわかります。でも、成長するにつれ落ち着いてきますよ。そのうち、「子どもとの時間」「猫との時間」というのではなく、猫も子どもも含めた家族みんなのだんらんの時間も持てるようになると思います。
――それは考えてもみませんでした。自分の中では無意識に「子どもとの時間」や「猫との時間」を切り分けていて、それぞれ努力してひねり出すものになっていたかも。
子どもが小さいうちは、余裕がないからそうなるのかも。私も、仕事が大変な時期と子どもの手のかかる時期が重なった時は常時寝不足で、優先度をつけるために結局タスク化しちゃってた部分はあります。
でも、大変な時期はいつまでも続きませんよ。子どもたちが成長していくとだんだん余裕が出てきて、猫がいることも子育てしていることも同じ軸で楽しめるようになりますよ。我が家はだんだんそうなりつつあって、先日も、娘たちがエマとレイにプレゼントするベッドを作っているのを、エマが興味津々で見ていました。そんな光景が今は私の元気のみなもとですね。
いつかは家族だんらん
今回の取材では、子育ての先輩であるsugerさんの言葉に大きな気づきをもらうことができた。
思うようにミアと過ごせない寂しさが募り、2人きりの時間ばかりを探していた私は、「家族みんなのだんらん」がいつか我が家にやってくるなんて考えたこともなかった。
いまはまだ、暴れん坊でお調子者のイモウトがあんまり好きではないミアだけれど、一緒にいても安らげる日がくるのかな。くるといいな。
そして、娘もシルクのようなミアの背中を優しくなでたり、ふるふるとのどが震える楽しい音を聞いて、優しい気持ちになってほしいと思う。
(次回は4月26日に公開予定です)
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