子育て中も「猫ファースト」 猫にストレスがないよう工夫したら赤ちゃんとの同居成功
妊娠、出産、子育て……家族のかたちが変わったら、愛猫との関係にも変化が!
ひとりっ子気質の愛猫「ミア」(3歳・雌)と、暴れん坊の2歳児「ことちゃん」。ふたりの”愛娘”と暮らすライタ―原田が、猫と暮らしながらの子育てでぶつかりがちな悩みを経験者や専門家に相談し、ヒントを探す連載。
第2回は、出産を機にミアとの関係が変わってしまった我が家の経験から、「子どもが生まれても、愛猫と良い関係を保つには?」というテ―マで、人気猫ブロガ―のkuu(く―)さんに、お話を伺った。
子育て中も「猫ファ―スト」
――お子さんの年齢と、愛猫たちについて教えてください。
息子は現在4歳。保護団体から引き取った兄弟猫のチョコ(茶白・雄)、ラファ(茶トラ・雄)は7歳です。
――kuuさんのお宅では、子どもが生まれても猫たちといい関係を保つために、「猫ファ―スト」を実践されたそうですね。「猫ファ―スト」って、そもそもどういうことですか?
子どもが生まれると、飼い猫との接し方が変化する方って多いですよね。私の周りでは、出産を機に猫に対しての興味が薄れてしまうパタ―ンが多くて、その後の猫との関係が気になっていました。
だから、自分の妊娠がわかった時、夫と話し合って、チョコやラファをこれまでと変わらずに大切にしようと決めたんです。とはいえ、赤ちゃんにはどうしても手がかかるし、環境の変化そのものが猫に与えるストレスも大きい。
「猫ファ―スト」というのは、子育てによる環境の変化で猫たちにかかる負担やストレスをできるだけ取り除いて、2匹がいままで通りの生活を送れるように最善を尽くそう、という私たち夫婦のスタンスなんです。
“優先度”は伝わる
――気持ちの部分では、私も同じでした。でも、実際にそううまくはいきませんよね?
そうですね、今まで通り彼らを構ってやれないことがつらくて、何度も泣きました。2匹とも、とても甘えん坊な子で、息子が生まれるまでは毎日のように抱っこしてあげていたので。
ただ、我が家の場合は、夫と連携できたことが大きかったですね。もともと、夫は猫たちを溺愛していたのもあり、私が育児で構えない時には2匹を思いっきり甘やかしてくれました。
それに、周囲の人の理解にも恵まれた。正直、「子どもがいるのに猫のことばかり気にするな」とお叱りをうけることも覚悟していたのですが、そんなことを言う人は一切いませんでした。
それどころか、義母は育児のフォロ―をしながら猫たちも今まで通り可愛がってくれたし、猫友たちは私の弱音を聞いて2匹に構いに来てくれた。みんな、私や夫と同じ気持ちで猫たちを大切にしてくれました。
そのせいか、私が構ってあげられなくても2匹がすねるようなことはなかったですね。
――猫って、自分が置かれている状況がわかりますよね。つまり「この家で自分の優先度が高いか、低いか」。そういう努力はきちんと伝わりそうです。
わかると思います。でも、うちの場合はたまたま周りの人の協力があったからできたことですね。そういう意味では、猫に「今は忙しいけれど、あなたの優先度は落ちていないよ」、と知らせる方法は他にもあると思いますよ。
たとえば、今までのようには構えなくても、通り過ぎる時にひとなでしてあげたり、構ってほしそうだったら名前を呼んであげる。大好きなママに自分の名前が呼ばれなくなるって、たぶんすごく寂しいと思うので。
――それならできています!そっけない感じですけどね……。
ミアちゃんには、ちゃんと伝わっていると思いますよ!
猫の生活を変えない努力
――個体差もあるけど、赤ちゃんと猫って、あまり相性が良くないですよね。「猫ファ―スト」としてはそのあたり、どんな施策を?
我が家はとにかく、チョコとラファの生活を変えないように気を使いましたね。子どもが生まれたから猫の行動範囲を制限するというのは嫌だったので、息子がずりばいを始めたらベビ―ゲ―トを使って部屋を仕切り、猫たちの生活スペ―スに立ち入れないようにしました。
部屋が仕切られたことで猫たちのストレスがたまらないように、壁にキャットステップも増設しましたね。
――たしかに、赤ちゃんがいると、猫に対して「こっちに来ないで」というシーンが多いです。猫からしたら、「もともと自分の場所だったのに」という気持ちですよね。広い家じゃない難しそうですが……。逆に、猫たちが息子さんに近づきたがることはなかったのですか?
最初は匂いをかいでみたりしていましたが、息子が動けるようになってからは子ども特有の予想できない動きを怖がってあまり近寄りませんでしたね。
息子が4歳になった今は、比較的それぞれの距離感ができてきました。チョコは息子のそばにひっくり返ってなでさせたりもしますが、ラファはいまだに一定の距離を保っていますね。
それでも、赤ちゃんの頃に無理やり触られたり、叩かれたりすることがなかったので、息子に対して過剰に恐怖心を抱いているということはないように見えます。
猫と子どものトラブルを避ける
――ずばり、子どもが生まれても2匹との関係は変わっていませんか?
変わらないですね。誰かしらが甘えさせてくれたし、彼らの生活ペ―スを変えなかったので、あまり我慢させずに来たのがよかったのだと思います。
ただ、息子が生まれる前のように、2匹とずっとベタベタすることはできなくなったので、彼らも空気を読んでくれるようにはなりました。私が忙しくしている時には寝ててくれて、甘えられる時には思い切り甘えてくれますね。
私も、少しでも2匹との時間を捻出するために、家事を完璧にこなすことをやめました。仕事も子育ても家事も、全てを完璧にやっていたら、2匹との時間を諦めなくてはいけない。我が家にとって家事の優先度よりも2匹の優先度の方がはるかに高いので。
――耳が痛い話です。私は無意識に、ミアとの時間を後回しにしていたかもしれない。
うちの場合、兄弟で飼っていたのも大きいです。どうしても誰も構えない時は、2匹で遊んで気を紛らわせることができたので。だから、飼育状況やその子の性格にもよりますよね。
――「猫ファ―スト」を実践してみて、こんなところがよかった、苦労した、ということがあれば教えてください。
苦労したことは思いつかないですね。我が家にとってはいいことばかりでした。「猫を優先させる」というと、「子育ては手を抜くの?」と思われそうですが、そうではないんです。我が家は、猫のストレスを先回りして取り除くことで、赤ちゃんとの同居がすごくうまくいった。
よく、「猫が子どもにヤキモチを焼いて噛んだ」とか、「赤ちゃんが生まれてから猫が情緒不安定で、無駄鳴きやそそうをする」と言う話を聞きますよね。私はこれ、家族の態度や生活環境が突然変わってしまったことでのストレスだと思うんです。
我が家の場合、「猫ファ―スト」を実践することで、猫と赤ちゃんのトラブルを避けられて、無駄な負担が増えなかった。猫たちがストレスなく過ごせただけでなく、子育ての面からみても、いい結果になったと思いますよ。
大切だと伝えること
kuuさんへの取材を終えてふと思い浮かんだのは、「上の子を立てることで、親子や兄弟間のトラブルが減る」という人間の子育ての話。人間だって猫だって、突然「最愛」から「最下位」に転落してしまえば、自分の地位を奪った存在と相入れないのは同じだろう。
だれもが、kuuさんと同じやり方で“上の子”をフォロ―することは難しいかもしれない。けれど、kuuさんが話してくれたように、「君は今でも我が家の“最愛”だよ」と伝える方法は、きっとあるのだ。
娘に絵本を読んでいるとき、物陰から半顔を出してこちらを見つめているミアに気づき、ゆっくりまばたきしてみせると、しょぼしょぼと目を閉じ返してくれた。イモウトが寝たら、またいつでもおひざにおいで。
(次回は3月22日に公開予定です)
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