ポイントは「腰を温める」 すぐできる!愛犬と20年いっしょに暮らすための温活

本と犬
モカのおんかつを しょうかいするよ ……むにゃむにゃ

 老犬と暮らす飼い主のみなさん、愛犬の温活はしてますか? 冬だけじゃなく、高齢の犬にとって温めることはとっても大切なんです。

(末尾に写真特集があります)

犬と東洋医学は相性がいい

 この冬、『愛犬と20年いっしょに暮らせる本 ~いまから間に合うおうちケア』(さくら舎)という、良本を見つけました。著者は、ほしのどうぶつクリニック院長で獣医師・特級獣医中医師の星野浩子先生。

 この本には、東洋医学を日常ケアに採り入れた、愛犬と健やかに暮らすコツが書されているんですが、うちの15歳の愛犬・モカにぴったりなケア方法がたくさんあり、私もいくつか試してみたのでそれを交えて紹介していきます。

 まず、東洋医学では「血流をよくして、気力をあげること」が健康のカギであると言われているのですが、それは犬に(猫にも)対してもあてはまるそうです。この本にも「もともと持っているエネルギーを、落とさず・補う・さらに上げることができるかどうかは、日頃のケア次第」と書かれています。

 年齢でいうと犬は10歳(早い犬だと8歳)からの「激動高齢期」にエネルギーが急激に落ちてくるので、気をつけてあげる必要があるそうです。とりわけ「冷え」は老犬に共通する症状で、人間のように足や手の先が冷える症状が出てきます。

 実際にモカもそうです。毎朝・毎晩お散歩に行きますが、自然と筋肉は衰え、足腰の動きがにぶくなってきました。体を触っても以前のような弾力感はなく、肉球が冷たくなっていることも。以前のようにみずから暖かいところを選んで動くことができなくなったので、どんどん冷えてしまっていたようです。

クリスマスに あかいセーターもらった

生命エネルギーアップ! 最重点ポイントは「腰を温める」

 本によると、老犬の冷え対策として万能なのは「腰を温める」こと。東洋医学では、腰のあたりに生命エネルギーが貯蔵されていると考えられていて、老化にともなうあらゆる変化に対応でき、その進行を遅らせることができるそうです。

 モカの場合は、手軽にできる「腹巻き」から始めました。洋服嫌いでも腹巻きなら嫌がらず着せられるし、夜のお散歩は、腹巻きスタイルのまま行ってます。(冷えるのは冬だけだと思われがちですが、クーラーの効いた夏も冷えるので、「老犬に腹巻き」は重宝しますよ)

 そして「鍼(はり)治療」「ツボ押し」「お灸」がいいと書かれているのですが、初心者にはなかなかハードルが高い……。なので、獣医中医学を用いている往診専門動物病院「アニマルライフパートナー」 の丸田香緒里先生 に来てもらいました。

 先日、ちょっと足をケガしてしまったモカ。高齢のためもともとよろけやすかったのですが、そこへ来てケガをした後ろ脚 をかばうように歩くので、よけいにヨロヨロ……。丸田先生に「鍼治療」「ツボ押し」「お灸」をしてもらったところ、気力がわいたのか目力が強くパッチリに! 翌々日には、いつものお散歩コースをしっかり歩けるようになりました。

お灸をする犬
もぐさのお灸中。温かくて気持ちよかったのか、まったく逃げようとしなかったのは驚き。おもらし対策としてオムツを着けたけど大丈夫でした

 さらに丸田先生からは毎日のケアとして、「人間用のあずきのアイマスクを、腰に乗せて温めるといい」と教えてもらいました。ドライヤーなど電気の瞬発的な温かさより、あずきの蒸気でじんわ~り温める方がいいそうです。

 熱くなりすぎないのがいいし、腰が温まったら老化防止のツボ押しをしたり、肉球を手のひらでもみもみとマッサージしてます。

アイマスクと犬
腹巻き&あずきのアイマスクで温め中。背骨の両側にある「腎愈(じんゆ)」は、老化防止の万能ツボ。肋骨のふちを背中のほうへ垂直に上げた先にある

食べ物は元気と長生きの基本

 東洋医学では「食養生(しょくようじょう)」といって、体に合ったよいものを食べ、健康を維持することが元気の基本であると考えられています。

 人だけでなく犬も寒い冬は内臓まで冷えてしまうので、内臓を温めて体の中から冷えを取りのぞく食材を選ぶといいそうです。

 冷えをとる食材は、黒豆、黒ごま、栗、黒米、ブロッコリー、ゴボウ、キャベツ、枝豆、鶏レバー、豚肉、鹿肉、青魚、鯛(たい)など。とくに黒豆、黒ごま、黒米などの黒い食材は老化をゆるやかにする効果があるそうです。

 普段、私たちが食べる食材を、愛犬のおやつやフードのトッピングにしてあげると、手間がかからずお互い健康的でいいですよね。

 しかしここでひとつ、気になることがありました。「温まるのがいい」のはわかったのですが、秋田犬のようにもともと寒い地域がルーツの犬も、温めることが健康にいいのでしょうか? 

 著者の星野先生に伺ったら「もともと熱のある体質の犬もいるけど、老犬になったら“温め”は必要。また、小型犬で10歳未満であっても、痩せてきたなと感じたら温めてあげるといい」そうです。

 見極めるポイントは、愛犬が暑くて「はぁはぁ、ぜーぜー」していたら、温めはしなくて大丈夫。よく観察してケアしてあげてくださいね。

吠える犬
施術を終えて元気がみなぎってきたモカ。ごはんの要求に精を出してます

健康・長生きのコツがたくさん入ってます!

 「愛犬の老化や体調の崩れを日常的にケアすることで、健康のベースを底上げしたいという思いがあった。中医学のアプローチで元気が出ることを知ってもらいたい」と、星野先生はおっしゃっていました。

 そして、この本を出すきっかけになったのが、ダックスフンドの「マインちゃん」(当時15歳)でした。

ダックスフンド
マインちゃん (提供:さくら舎)

 マインちゃんは、椎間板(ついかんばん)ヘルニアになり、体力・気力が弱っていたところ、タンパク質をしっかりとり、お灸と鍼の治療で元気を取り戻しました。写真のように白髪もなく17歳でも軽快に走ることができたそうです。

 他にも、星野先生が診てこられた症例が『愛犬と20年いっしょに暮らせる本 ~いまから間に合うおうちケア』には、いくつも紹介されていますし、さまざまな不調のケアや、日常的に採り入れやすい食べ物や季節の恵みで薬効を活かせる「旬の食材リスト」もあります。

 今回ここで紹介したのはほんの一部です。もっと早く出合いたかった、一家に一冊持っておきたい良本、ぜひお手にとっていただきたいなぁと。私もこれからもモカの温活をしていこうと思ってます。

愛犬と20年いっしょに暮らせる本 ~いまから間に合うおうちケア
著者:星野浩子
出版社 : さくら舎
定価:1540円(税込み)
※猫バージョンはこちら『うちの猫と25年いっしょに暮らせる本 ~その子らしく幸せに生きるケアの知恵
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小見山友子
2020年4月~sippo編集部に所属。 ファッション業界に従事後、オウンドメディアの編集長をする傍ら、2014年にWEBマガジン「INUTONEKOTO」を主宰。2015年にフリーライター・編集者として独立。ペット、ファッション、旅、サーフィン関連の執筆、編集をしている。instagram @tomokokomiyama

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