思い届かず? オス猫2匹と娘たちの微妙な関係「佐藤家の男女4人冬物語」

窓辺にいる猫
娘たちの寝室から外を眺めるジャッキー(左)ときなこ(右)

 兄猫ジャッキーと弟猫きなこはオス。佐藤家は娘2人。そこには、男子2人と女子2人の微妙な関係が……。今回は「佐藤家の男女4人冬物語」をお届けしよう。

(末尾に写真特集があります)

娘たちの猫愛

 看護師1年目の長女(23)は、どちらかというとジャッキーが好き。前にも書いたが、「可愛すぎて罪」「もさ~い」といつも言って、ジャッキーの毛の中に顔を埋めている。

 一方のジャッキーは、長女が苦手。ベタベタされるのが好きではない。長女が近づいていくと逃げていく。その姿を目で追う彼女の表情は、悲哀に満ちている。しかし調子のよいジャッキーは、妻が介護で長期不在の時には長女にすり寄っていく。ちゃんと生きていくすべが身についている。

 そんな長女も、きなこには関心が薄い。「あ、茶色いのが来た」と言って、軽くタッチ。ジャッキーと違い、きなこは餌以外のことには無関心。家族に愛嬌を見せることもあまりせず、ただただお腹いっぱい食べて、日が差し込む暖かい場所で気持ちよく寝られたらそれで幸せ。そんなきなこの幸せな寝顔を眺めるのが僕たち家族の幸せだから、それ以上は望んでいない。

 そして、高校2年の次女(17)はどうか? 次女は、ジャッキーときなこを平等に愛する感じだ。長女ほど、ベタベタもしない。どちらかというと、クールな性格。ジャッキーもきなこも次女といるほうが居心地よさそうだ。

寝る猫
ぼく、眠いニャー

なぜか次女の布団で寝たがる猫たち

 そんな2匹の面白い毎日の習慣がある。熟睡するときは妻の布団か居間のキャットタワーなのだが、それ以外の時は娘たちの子ども部屋(寝室兼勉強部屋)で過ごしたがる。

 居間の扉をジャッキーが開け、子ども部屋の前へ行く。きなこもそれに続く。そして「開けてくれー!」とばかりにニャーニャー鳴く。ジャッキーは扉を開けられるはずなのに、なぜか開けてもらえるまでひたすら雄叫びをあげる。それでも開けてもらえない時は仕方がなくジャッキーがドアのノブに飛びついて開ける。

 行先はベッドなのだが、なぜか2匹とも上の段の次女の布団の上。1匹は下の段で寝てもよさそうだ。上の方が暖かいから? とも思うが、きっとそれだけではないのだろう。時々1匹しかいないな、と思ってよく見ると次女の椅子の上に座っている。そこまで歴然とした差があると、さすがに長女がかわいそうになる。

次女のふとんの上でくつろぐジャッキー

 そんな子ども部屋への大移動で問題なのは、夜中にも構わず行われることだ。廊下でニャーニャー雄叫びをあげられ、みんな寝不足の日々が続いた。

 最近では寝る前に居間の扉の前にキャスターつきの台所のごみ箱を置いて、扉をあけなられないようにしている。賢いジャッキー、横に移動させれば良いんだ! と気づいていつ敢行するのか。ドキドキしながら眠りにつく毎日だ。

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佐藤陽
1967年生まれ。91年朝日新聞社入社。大分支局、生活部、横浜総局などを経て、文化部(be編集部)記者。医療・介護問題に関心があり、超高齢化の現場を歩き続けてまとめた著書『日本で老いて死ぬということ』(朝日新聞出版)がある。近著は、様々な看取りのケースを取り上げた『看取りのプロに学ぶ 幸せな逝き方』(朝日新聞出版)。妻と娘2人、オス猫2匹と暮らす。妻はK-POPにハマり、看護師と大学生の娘たちも反抗期。慕ってくれるのは猫の「ジャッキー」と「きなこ」だけ。そんな日々を綴ります。

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この連載について
日だまり猫通信
イケメンのオス猫2匹と妻子と暮らす朝日新聞の佐藤陽記者が、猫好き一家の歴史をふりかえりながら、日々のできごとをつづります。
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