いい働きぶりを発揮する愛猫「きなこ」 最近の仕事と副業は…

「ドアストッパー」きなこ

 イケメンのオス猫2匹と妻子と暮らす朝日新聞の佐藤陽記者が、猫好き一家の歴史をふりかえりながら、日々のできごとをつづります。

(末尾に写真特集があります)

愛猫きなこの仕事

 最近、愛猫「きなこ」のお気に入りの場所がある。リビング入り口の扉横のドアストッパーの辺りだ。ストッパーをふさぐように仰向けに寝転がり、前脚はたらんと垂らし、幽霊の「うらめしや〜」スタイル。ストッパーの役目をしているので、最近では家族に「ドアストッパー」と呼ばれている。

 僕が仕事から帰って、リビングのドアを開ける。すると、ドアがすぐにボヨ~ンと跳ね返ってくる。本来なら90度の角度で開くはずのドアだが、50度ぐらいしか開かない。跳ね返らない程度に、なおかつ通れる角度で開けるのは意外と難しい。

 忙しくしている娘たちが帰ってくると、きなこを見て「ドアストッパーは暇そうでいいよね〜、自分のカリカリ代ぐらい稼ぎに行けばいいのに……」とつぶやく。すると妻は「きなこは、ドアストッパーという大事な仕事をして忙しいんだから」と返している。思わず吹き出してしまう。

 そんなきなこは、ちがう働きもしている。カリカリのお茶わんをずーっと覗き込んで眺めているのだ。1秒の無駄もなくカリカリにありつけるよう効率を考えているのか? カリカリが欲しいと鳴いて要求するでもなく、我々に気付かせようとお茶わんをひっくり返すでもなく、ただひたすら黙ってお茶わんを覗き込んでいる。達観している。

 カリカリを入れた瞬間、間髪いれずにガツガツ食べ始め、全量を入れてあげようにも頭が邪魔をして入れられない。それでは1回で十分な量を食べられるわけもなく、またひたすらお茶わんの覗き込みを続ける。その様子を見た妻が「カリカリをもらうために体力も忍耐もいる仕事だね」と。娘に言わせると「ただ卑しいだけ」。

「カリカリ、早く来ないかなあ」

荒めの副業もこなす

 そしてきなこの副業。

 お兄ちゃん猫のジャッキーがくつろいでいる場所を取って自分がそこに居座るという、荒業もする。

 キャットタワーの洞穴、キッチンの出窓、爪研ぎベッドの上……。別にくつろぐ場所はいくらでもあるのに、ジャッキーがいるところにズカズカとやって来ては前に立ちはだかる。ジャッキーも譲らなくてもよいのに、サッと退散する。「してやったり」とえらそうに寝そべるきなこ。

「そういうことするから、嫌われるんだよ!」手厳しい娘。娘たちは、優男のジャッキーびいきである。

 きなこを見ていると、のびのびと本能の赴くままに行動し、しかもそれを妻に「生業」と言われて、うらやましいというか、なんというか。そんな「猫」に私もなりたい。

ジャッキーのしっぽを枕に休むきなこ

【前の回】イケニャンの愛猫の浮気が発覚 「心変わり?魂売ったの?」再会後の反応は…

佐藤陽
1967年生まれ。91年朝日新聞社入社。大分支局、生活部、横浜総局などを経て、文化部(be編集部)記者。医療・介護問題に関心があり、超高齢化の現場を歩き続けてまとめた著書『日本で老いて死ぬということ』(朝日新聞出版)がある。近著は、様々な看取りのケースを取り上げた『看取りのプロに学ぶ 幸せな逝き方』(朝日新聞出版)。妻と娘2人、オス猫2匹と暮らす。妻はK-POPにハマり、看護師と大学生の娘たちも反抗期。慕ってくれるのは猫の「ジャッキー」と「きなこ」だけ。そんな日々を綴ります。

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この連載について
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