道路の真ん中で子猫を拾ってからいろいろあった ジャッキー・きなことの時間に感謝

ジャッキー「いままでありがとニャン」

 イケメンのオス猫2匹と妻子と暮らす朝日新聞の佐藤陽記者が、猫好き一家の歴史をふりかえりながら、日々のできごとをつづります。

(末尾に写真特集があります)

ジャッキーときなことの思い出

きなこ「おらのこと、忘れないでニャ」

 sippoのリニューアルに伴い、「日だまり猫通信」の連載が今回で終わることになった。2017年9月から7年半にわたり30回連載させていただいた。最終回は、ジャッキーときなこのこれまでを振り返りたいと思う。

 いまジャッキーは9歳、きなこは8歳。連載が始まったときは、ジャッキー2歳、きなこ1歳だったということになる。確かに連載の最初の方の写真を見ると、2匹ともまだ小さい。こんなに小さかったんだ、と感慨深くなる。

 思い返すといろいろあった。妻が道路の真ん中でジャッキーを拾い、わが家の一員になった話、食いしん坊のきなこが皿の前に「籠城(ろうじょう)」する話、妻と娘2人がジャッキーに首ったけという話、ジャッキーが「浮気」をした話、ジャッキーときなこのけんかの話、先住猫「ソマ」を家族全員でみとった話……。

 記事を配信すると、いつも僕や妻の友人から「日だまり猫通信、読んだよ」「ジャッキーってイケメンね」「きなこおもしろい!」など、様々な反響があった。特に、連載初回の「道路の真ん中に子猫! 『連係プレー』で救出、そして我が家に」は、yahooニュースでも取り上げられ、すさまじい数のコメントをいただいた。ジャッキー救出の現場に居合わせた、というタクシー運転手のコメントまであった。これだけ全国(いや世界?)に発信された猫もそういないのではないか。ジャッキーときなこは、もはや「有名人(猫?)」だ。

 先日は、朝日新聞土曜版の「be」でも、写真付きで2匹のことを紹介した。ついに朝日新聞にもデビューさせてしまったのである。

 僕は「日だまり猫通信」に記事がアップされると、「ほら、また載ったよ」と2匹に声をかけるのだが、当たり前だけれどジャッキーもきなこも無反応、そりゃそうだ、記事に載ったからといって、ご褒美に超豪華なご飯がもらえたとかなかったもんね。よし! この最終回が出たら今までのネタ提供を感謝して、豪華でおいしいご褒美をあげよう。

キッチンの台が好きなジャッキーです

これからも仲良く

 この7年半で、佐藤家にも様々なことがあった。次女の高校受験、長女の大学入試、保健師・看護師国家試験の受験、僕と妻の父親の他界……。つらく大変なこともあったが、それを支えてくれたのはジャッキーときなこでもある。ジャッキーにとことんいやがられている長女だが、看護師としてコロナ病棟で働いていた時も、帰宅するといつもジャッキーを抱きしめて、ストレスや疲れを癒やしてもらっていた。家族みんな、ジャッキーやきなこを抱きしめて猫吸いさせてもらうと、心が満たされて、温かい気持ちになるのだ。2匹はかけがえのない存在だ。

 いまの僕には、「猫のいない生活」は考えられない。妻も娘たちもそうだろう。長女は昨年11月に家を出てしまったので、よく妻に「ジャッキーに会いたい」「ジャッキーの写真を送って」とLINEしてくるそうだ。そして時々帰ってきては、いやがるジャッキーを抱きしめる。

 妻はいつも「ジャッキーがこの世からいなくなるなんて考えられない」「ジャッキー、絶対に私より長生きしてね」とジャッキーに話しかけている。客観的に猫の寿命を考えると「あと?年」となってしまうが、ジャッキーは出会い方も奇跡だったから、奇跡の猫だから不死身だ、と妻は熱弁をふるう。そこはあまり考えないようにして、いまジャッキーやきなこと過ごしている「かけがえのない時間」を大切にしたい。

ジャッキー兄ちゃ~ん

 5年後、10年後、ジャッキーときなこは、どうしているのだろう? 少し白髪もまじって、「おじいちゃん猫」っぽくなっているだろうか? 日なたを見つけて床に寝そべって、左右にゴロゴロして、カリカリもおいしそうにモリモリ食べているのだろうか。健康で今と変わらない生活を送っていることを願っている。 

 ジャッキーときなこ、これまで7年半、取材に協力してくれてありがとね。これからも、楽しくやっていこうね! そして「日だまり猫通信」を長年愛読してくださったみなさん、本当にありがとうございました!

【連載「日だまり猫通信」一覧はこちら】

佐藤陽
1967年生まれ。91年朝日新聞社入社。大分支局、生活部、横浜総局などを経て、文化部(be編集部)記者。医療・介護問題に関心があり、超高齢化の現場を歩き続けてまとめた著書『日本で老いて死ぬということ』(朝日新聞出版)がある。近著は、様々な看取りのケースを取り上げた『看取りのプロに学ぶ 幸せな逝き方』(朝日新聞出版)。妻と娘2人、オス猫2匹と暮らす。妻はK-POPにハマり、看護師と大学生の娘たちも反抗期。慕ってくれるのは猫の「ジャッキー」と「きなこ」だけ。そんな日々を綴ります。

sippoのおすすめ企画

【出展受付中】sippo EXPO 2025

9/26-28@東京ビッグサイトで開催!ほかでは出会えない1万人のペット関心層が来場

この連載について
日だまり猫通信
イケメンのオス猫2匹と妻子と暮らす朝日新聞の佐藤陽記者が、猫好き一家の歴史をふりかえりながら、日々のできごとをつづります。
Follow Us!
犬や猫との暮らしに役立つ情報をお届けします。