忙しくても保護犬の預かりボランティアはできた 留守番、時間のやりくりのコツ
インテリアデザイナーとして活動する傍ら、保護犬の預かりボランティアをする小林マナさん。預かり犬1匹目は、福島県の被災地から来た大型犬のタケ。飼い猫ともうまくいき念願の預かりボランティア生活が始まりましたが、犬猫たちの留守番はどうしたらいいか、という問題が浮上しました。第4回は、留守番と時間のやりくりについて。
犬を預かってくれる友人グループをつくる
私の出張中、同じマンションに住む友人・A君が猫の面倒を見てくれていたのですが、ある時タケのお世話をお願いしたところ、子どもの世話で手いっぱいになったため断られてしまった、ということを前回 書きました。
私は長らく猫飼いの“猫おばさん”だったせいか、友人には猫好きが多く、猫のお世話はA君だけでなく、猫好きのB子さん、そしてC子さんにも託していました。お互いを知る友人同士のグループで、私が彼らの猫の面倒をみることもありました。
しかしタケを迎えた頃にA君の状況が変わったため、私は新たに実家暮らしで犬を飼っているD子さんに頼んでみることにしました。「うちに泊りがけで犬の世話を頼めないか」と聞いたところ、「タケのお世話ですか? いいですよ~」と快い返事!
それからというもの、1~2週間の出張があっても、B子さん、C子さん、D子さんたちがシフトを組んで互いに連絡を取り合い、泊りがけでタケの面倒を見てくれるようになったのです。
連絡ノートをつくって、気になったことを書いてもらうようにしていたのですが、なんだか子どもの頃の「交換日記」のようで楽しかったし、あの時は本当にお世話になりました。
気がかりなのは彼らへの「お礼」。ですが、私はボランティアでタケを預かっていたので、彼らにもボランティアでお願いをしていました。もちろん、お土産を買ってきたりはしていたのですが。
保護犬・猫のボランティアをするようになってから、ボランティア=みんなでできることをシェアする、と考えるようになり、苦手だった「人に頼む」「任せる」ことが上手になったのが、私の最大に変わったところです。
時間がない! と思っていたけど…
ボランティアを始める前、まだ猫たちと暮らしていた時は「本当に時間ってなんでこんなにないのだ!」と思っていました。
うちの洗濯物はいつも山積みで、雑誌や本は床に置きっぱなし、この家に引っ越してきた頃とは程遠いありさま。雑誌の表紙になったこともあった部屋だったのに……。
猫がとり込んだ洗濯物の上で寝てしまうから、また洗う羽目になるし、床はほこりだらけ。疲れ果てて帰宅、日課は猫に癒やしてもらうこと……。こんなに忙しいのだから、家政婦さんやヘルパーさんでも頼まないと、と本気で考えていました。
その状況を変えたのが、東日本大震災です。それは私が保護犬・猫のボランティアを始めたきっかけでもあるのですが、もし私たちが住むエリアに大きな震災が起きたら、うちの猫たちがあの山積みの本や、何かでどうにかなったら怖い! と思い、一念発起して断捨離をしたのです。
おかげで部屋はかなり片付きました。続いて私は保護犬のお散歩ボランティアをスタート、次に保護犬を預かるようになって……と、どんどん生活が整っていったのです。
タケは大型犬だったし、お散歩へ行かないという選択肢はなかったので、私は毎朝早起き、朝ごはんもきちんと食べるようになりました。夜は一生懸命早く帰るようになり、会食の予定がある日は一度帰宅してお散歩に行ってから、出かけるようにしていました。
さらに、私はほとんど車移動だったのですが、犬の散歩をするようになってから、自分が一番運動不足だったことに気づき、そこからはほぼ電車通勤に変えました。
部屋の掃除についても、タケが床に落ちているものを食べてしまわないように全部片づけたので、ルンバを導入できるようになりました。ルンバって、床に何もない状態で掃除をするのが一番きれいになるので、片付けは必要なんですよね。
気がつくと、家政婦さんに頼もうなんて全く思わない生活になっていました。
老齢になると、動物病院へ行く回数が増える
その当時、飼い猫の「ギル」と「ジョー」は13歳だったので、だんだんと動物病院へ行く回数が増えていました。そこに加えてタケが来てからは、2~3週間に一度のペースに増えて。
朝から病院へ行き、猫の場合は一度家に猫を置きに戻ってから、事務所に行っていました。犬の場合は、病院帰りにそのまま事務所に連れて行けたのですが、逆に、自宅近くで打ち合わせがある時は、また事務所に戻ってタケを連れて来なければいけなかったり。自宅・病院・事務所の行き来がどんどん増えていきました。
その頃はちょうど仕事も忙しくしていたので、グーグルカレンダーには動物病院の予定を先にどんどん入れて、仕事の打ち合わせを調整するようにしていました。
第1回 でも書きましたが、自分の時間の確保をするのもそうですが、預かりボランティアの時間を確保するには、仕事よりも先に予定を入れるのがコツなんです。そしていつも、夫や事務所のスタッフに理解してもらうために、「ボランティア」の必要性について話していました。
sippoのおすすめ企画
「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。