育児で猫との時間が激減、甘えん坊だった愛猫がそっけない ごめん…でもどうすれば?
妊娠、出産、子育て……家族の形が変わったら、愛猫との関係にも変化が!
一人っ子気質の愛猫「ミア」(3歳・雌)と、暴れん坊の2歳児「ことちゃん」。ふたりの”まな娘”と暮らすライタ―原田が、猫と暮らしながらの子育てでぶつかりがちな悩みを経験者や専門家に相談し、ヒントを探す連載。
1回目の今回は、我が家の愛猫、ミアとの出会いや、出産・子育てを経て生まれたミアの変化のお話。
甘えん坊のミア
2018年の12月。寒い夜だった。夫とふたりで近所の野良猫公園を通りかかると、子猫が飛び出してきて足元に絡みついた。これまで見かけたことがないシマミケの子猫で、耳カットはなく、母猫もそばにいない。懐っこく、背中をなでるとシルクのようにつるんとした手触り。ソックスを履いた脚は白いまま。この数日で誰かが捨てたのは間違いなかった。
その日は夫婦で映画『ラ・ラ・ランド』の再上映を見てきた帰りで、子猫のグリ―ンの瞳は映画のヒロインと重なった。私たちは子猫を連れ帰り、ヒロインの名前をとって「ミア」と名付けてうちの猫にした。
ミアはすぐに我が家のお姫様になった。甘えん坊で、家族が帰宅すると抱っこをせがみ、満足するまでお尻をたたかせた。寝る時は夫が”お姫様抱っこ”で寝室に運んで私の腕枕で眠った。
一度、道で行き倒れていた老猫を我が家で保護した時は、寝室にこもってハンストを起こした。後日“ヨソモノ”が知り合いに引き取られていくと、ノソノソと部屋から出てきて夫の前に座り、どれほど嫌な思いをしたかと3分ほど文句をぶちまけた。その時、その場で言えばいいものを。プライドが高い割に気が小さくて内弁慶な性格が、ますますいとおしかった。
子育てで生まれた距離
妊娠がわかった時、心に誓ったのは、「ミアに寂しい思いをさせない」ということだった。しかし、実際に生まれてみると子育ては予定通りにいかないことの連続。ミアとの時間はそれまでの10分の1も取れないほど慌ただしくなり、我が家の中心は、ミアから赤ちゃんに変わった。
甘えん坊のくせにプライドが高いミアは、赤ちゃんへのヤキモチもうまく表現できない。大好きだった私のひざや腕枕を赤ちゃんに独占されても、強引に奪いにくることはなく、いつも物陰や背後から恨めしそうに視線を送っていた。
フォロ―してやりたくても、娘を抱いている私には名前を呼んでやるくらいしかできない。授乳しながらのどをなでてやろうと手を伸ばすと、ミアは気にしていないように背を向け、しっぽを波立たせて床をトン、と打った。
そんなことを繰り返すうち、甘えん坊だったミアはあからさまにそっけない態度をとるようになった。努力しているつもりだったけれど、結果的にたくさん我慢させてしまったことは私が一番わかっている。でも一体、どうすればよかったのだろう。娘が2歳になったいまも、現在進行形で申し訳なさはつのる。
(次回は2月22日に公開予定です)
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