猫用トンネルをかついで「ねこちゃぁぁーん!!」 追いかける2歳児、逃げまどう猫ら

 2021年も始まりましたね。2015年の秋にひっそりと始まったこの連載を、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 こんなに新年の目標を立てにくい年もなかなかありませんが、猫に関する目標なら、ステイホームが続いても達成しやすい! 我が家の場合は、今年こそ、やっぱり猫と娘にもう少し仲良くなってほしいのです。

猫とトンネルで遊びたい2歳児

 前回、クリスマスに猫用トンネルを購入し、よく遊んでくれたというお話をさせていただきましたが、猫らが遊ぶ前に、猫と2歳の娘とトンネルの間に、ひと悶着あったのでした。

 トンネルが届いたのは夕方。娘を保育園に迎えに行ってすぐのことでした。

 その前日に、母から娘にクリスマスプレゼントのおもちゃが届いたこともあり、娘は自分のおもちゃがまた届いたと大興奮。

猫用トンネルをのぞきこむ女の子
トンネルを確かめる娘

 娘「これ! これ! ばーばがくれたの?」
 私「これ、なーちゃん(娘)のじゃないよ、猫ちゃんのだよ」
 娘「ねこちゃんのおもちゃ?」
 私「そう」

 猫のものであることを証明しようと、段ボール箱からトンネルを出しました。素材がガサガサしていて、猫が好きそう。ちょうどサビ猫の「あんず」もそばにいることだし、早速遊んでみるかと、折りたたんであるトンネルを伸ばしてみると……。

 娘「なーちゃんがやる!」

 さらに興奮し始めてしまった娘。ガサガサ素材に反応するのは、猫だけではなかったのか……。私からトンネルを奪い取り、近くにいたあんずに向かって叫びました。

 娘「ねこちゃぁぁーん!!」

 ぼーっとたたずんでいたあんずでしたが、突然娘がトンネルをかついで突進してきたので、驚いて逃げまどいます。

猫用トンネルをふりまわす女の子
トンネルを掲げる娘。写真はブレブレ

 私「あんちゃんがびっくりしちゃうでしょ! 小さい声で『おいで』って言うんだよ」

 そう諭しても、2歳児の猛烈な意欲は止められません。娘の中では、トンネルを猫に見せさえすれば、猫たちが飛びついてきて、自分も猫と遊べると考えていたようでした。

 娘「ねこちゃーん! あんちゃーん! おいでーーー!!」

「おいでと言う」という部分だけ理解した娘。やっぱり、トンネルをかついで、猫を追いかけまわしています。部屋の隅で寝ていたキジトラ猫の「モモ」にも突進していくので、猫たちは散り散りになって逃げていました。

 今まで仲良くなれなかったけど、これさえあれば、猫と仲良くなれるんだ……! 娘がそう思っているようで、なんだか不憫……。

 たまりかねた猫たちは、娘が追って来られないベビーゲートの向こう側へ逃げてしまいました。

 娘「あんちゃーん! ねこちゃーん!」
 私「猫ちゃんたち、行っちゃったよ……」

ベビーゲートの向こう側をのぞく女の子
ゲートの向こうに行ってしまった猫を呼ぶ娘

 やっと遊べると思った猫たちは、自分の手の届かないところへ……。なぜ猫らが逃げ出してしまうのか、イマイチ理解できない娘は戸惑っていました。

猫と娘の距離はまだ遠く……

 その後、娘が飽きてきて、トンネルを手放してほかのおもちゃで遊んだりしているうちに、猫らを呼んでみたのですが、戻ってきませんでした。

 結局、「猫をトンネルで遊ばせること」と、「娘も一緒にトンネルで遊ぶこと」はおろか「猫がトンネルで遊んでいる姿を娘に見せること」すら両立しない、ということが分かりました。

 釣り竿におもちゃがついているタイプや、レーザーポインター風の猫用おもちゃなら、短時間なら娘も遊ばせられるようになってはきたのですが、トンネルは高度だったようです。

 友人の家では、「赤ちゃんと猫がともにトンネルをくぐって遊んでいる」という話を聞いていたのですが、我が家は程遠いです……。

猫用トンネルで遊ぶサビ猫「あんず」とキジトラ猫「モモ」
娘が寝た後、遊んでいます

 もちろん、娘に何度も「猫に大きな声はだめ」「触りたいときは、そっと」「ゆっくり近づく」と伝えています。

 娘は、猫が寝ているときには、そっと顔を近づけるだけ、毛にそっとふれるだけで我慢することもできます。でも、「猫と遊びたい!」となると、なぜ静かにしなければならないのかが分からなくなり、抑制がきかなくなるようなのです。

 猫がビビりである、というだけのことですが、伝えるのは意外に難しい……。共に暮らす中で覚えていくこと、お互い慣れていくことなのでしょうが、少なくとも猫たちは、娘の突飛な動きや奇声に慣れるつもりはさらさらないように見えます。

 一方、娘もまだまだ自分の感情の制御がままならない、イヤイヤ真っ盛りの2歳。今年も、“つかず離れる”は続きそうな予感がしています。でも、きっかけさえあれば、いつでも仲良くなるおぜん立てはしていきたいです。

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安田有希子
2015年からsippoにて「猫アレルギーですけど」の連載開始。2匹の元保護猫と暮らして4年目に猫アレルギーが発覚するも、平和に暮らす。猫の好きなパーツは、小さく並んだ門歯。幼少の頃「うちのタマ知りませんか?」のすごろくに大ハマりした年代。栃木県出身。

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この連載について
猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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