孤高のばあやに優しい孫ができた 老猫1匹と子どもの猫2匹の安定した生活
片時も離れなかったミニミニが去っても、タロはそれほど寂しがらなかった。
一緒に暮らすことに
タロ、と声をかけるとにゃあんと返事をして駆け寄ってくるのは犬のようだ。首根っこをくわえてブラブラすると喉を鳴らして喜ぶから、たびたびタロをくわえては四つんばいになって歩いた。
そのうち引き取りたいと会いに来る人もいなくなり、このまま一緒に暮らすことになった。
くまとピーヤのあいだに、ぼーっとしたオスのタロがいることでバランスがとれている。 子猫らしさは落ち着いて、安定した3匹の生活が始まった。
寝ているタロに小さく、タロと呼びかけると、眠ったまま前脚を伸ばしてゆっくりと足踏みをする。
体重は5キロを超えた。重たくなって以前のように持ち上げられないがくわえられることは喜ぶから、たまに首元をもぐもぐと噛んでやっている。
タロはにゃあん、ピーヤは相変わらずぴ〜や〜、 くまはふぁ〜と鳴いた。
タロの額には蛇の頭の模様がある。ピーヤは目尻に歌舞伎の隈取りのようなラインが入っていて、くまの毛皮は枯れ葉の色に馴染む迷彩柄だ。
優しい孫ができた
まだ子どものピーヤとタロは、老猫のくまを慕っていた。甘えるタロに、うっとうしい、とぼやくこともあったが、いまではピッタリと身を寄せ合っている。
孤高のくま婆やに優しい孫ができた。タロは「ぼくの大切なおばーちゃん」と言ってるように見える。
「まー、わるくない」とくまが応えているように見える。たびたび毛繕いをしたり尻尾で遊んでやっていた。
(次回は12月16日に公開予定です)
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